「史上最強の弟子ケンイチ」「トキワ来たれり!」等独特の雰囲気の作品を出し続ける松江名 俊先生の最新鋭「君は008」。スパイ物なのに熱血友情努力勝利で話が進む、ある種不思議なストーリーです。
今回はドグラ·マグラ本部の話。シックボーイに昇進の話が来ているようです。ただ、彼はこれまでも昇進のオファーを何度も蹴っているそうで、部下たちはどう伝えるか、誰が伝えるかで揉めています。しかも幹部室には”クアドロ”が4人揃っている、とか。クアドロとは原型体ドグラの生き残り、最強の力と最上の頭脳を持った4人の事です。一般戦闘員ドグラには恐ろしい存在でしょう。
なんか妙に軽い男が「自分行って来ますよ」と伝令を引き受けます。幹部室には圧のある面々と一緒にシックボーイが。
伝令の男が昇進の旨を伝えますが「でも断る!」取り付く島もありません。食い下がる伝令に、怒りをあらわにしながら「下がれ」とクアドロの一人が凄みますが、怯えながらも伝令は退きません。それを見てクアドロの男は言います。
「次のミッションで我が指揮下に加われ!その胆力かなり気に入った!」
この男の名はアンガスト。憤怒の感情を司る原型体。
…ドグラ·マグラが感情がないとか、感情を捨てたから強いとかやっぱりウソですよね?
で、この伝令の男はアンガストの配下、名乗らん君ことアスヤの部隊に配属となります。そしてミッションとは東京を火の海にする事…。
東京へ向かう飛行船の中には大型戦術ロボが大量に。これを見てどこかへ連絡を入れようとする伝令の男。アスヤが声をかけます。
「この状況下でその落ち着き様、そんな胆力を持った人を、ボクは過去に一人知ってるよ」
アスヤの攻撃を事も無げに回避し、伝令の男は変装を解きます。そこに居たのは…サマエル先生。飛行船に爆弾で穴を空け、脱出して行きました。
戦闘員たちは怒り狂いますが、最も怒っているのは勿論アンガスト。怒りのままにサマエルを追いかけようとする戦闘員を真っ二つにするくらいに。
「怒りをコントロールできない奴はオレが一番…頭にクルのだと。」
エイトたちの出番はありませんでしたが、その分サマエル先生が美味しいところ全部かっさらって行きました。クアドロは中野高校の生徒たちでは少々荷が重そうです。少なくとも当面は先生方が相手になるのでしょう。「ケンイチ」の時もそうでしたね。強さのレベルが違うキャラクターを、それぞれ対になる相手を用意する事で同時に動かす、上手い手だと思います。
そしてドグラ·マグラの歪みっぷりが(今までもちょくちょく出てましたが)また露になった回でした。クアドロが明らかに感情を強化した結果強くなっている(4人いるのはそれぞれ喜怒哀楽に対応しているからでしょう)上、感情を抑えているであろう後期ロットのドグラのほうが明らかに劣っている…。この辺の矛盾を彼等はどう飲み込んでいるのでしょうか。どうもドグラ·マグラも額面通りの組織とは思えません。
次回はサマエル先生対アンガストの続きでしょうか。クアドロの実力を遺憾なく発揮してもらいたいですね。
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