「鬼灯の冷徹」で地獄を企業として捉えた江口夏実先生の新作は、地獄に嫌われた男の話「出禁のモグラ」です。
猫附家のお母さん、杏子さんは少々天然ボケ気味ですが、どうやら未来が見えるらしいです。藤史郎やモグラによれば、術の類とか霊が絡んでいるのではなく、高い共感能力で集められた情報が統合される事で、実現する確率の高い映像が見えている…予知と言うよりは高確度の未来予測のようなものだ、と言う事です。なので杏子さんには霊とかは見えていない、猫附家の人間でモグラと付き合いがあっても、始終白昼夢のようなものが見えているのにこれ以上変なものが見えたら脳がパンクするからだろう、とか。
「空の境界」だったか、こう言う能力が出てきた気がします。あちらでも、あくまで予測であり外す事もある、と言う扱いでした。
ただ杏子さんの場合は近所の知り合い、咲良子さんの危険を予測して、助けてしまったのがまずかった。占い師にハマるパターンを期せずしてやってしまった訳ですね。彼女宗教にハマった事もあるそうですし…。咲良子さんはすっかり杏子さんに依存して、何でも相談するようになってしまった。その様は傍目に相当ヤバいです。咲良子さんは不運を避ける為だと一生懸命ですが、気にしすぎ感アリアリです。
このマンガのテーマのひとつに「病は気から」があると思いますので、今回の被害者枠は咲良子さんで確定でしょうか。霊障絡みの事態に結局なってしまう気がします。鬼火の収支は…最終的にはトントンくらいなんだろうなw。
ファンタジー…と言うかジャパニーズホラー的な世界観に妙に現実的…と言うかみみっちい要素をぶちこんで来るのが江口先生の持ち味ですね。「鬼灯」でもうまくはまって成功しましたが、今作「モグラ」も同様です。いや、もうひとつ「主人公が貧乏」と言う要素もプラスでw。これも吉とでていますね。地に足が着いた感じがプラスされ、独特の雰囲気作りに寄与していると思います。
まだまだ面白くなると期待できる「出禁のモグラ」次回を待ちましょう。
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