ほぼオーバーテクノロジーな医療技術とほとんどない常識、頼まれたら嫌とは言えない性格が一人に集中した結果出来たのはどこから見てもなろう系。斑木ふらんがやらかしまくる「フランケンふらん Frantic」です。
ですが今回は珍しくふらんのやらかしではありません。やらかすのは小児科医、黒須間潤。この人、ふらんの悪い噂をだいぶ聞きかじっているようで、ふらんを目の敵にしています。まぁ事実無根でもないのがつらいところですが…。あくまで依頼の通りに全力でやってるだけですから。
ふらんの仕事の妨害までし始めた黒須間。ふらんに協力している薬品メーカーの機密エリアまで入り込んだ黒須間は、そこで培養槽の中に浮かぶ異様なヒトガタを目にします。ふらんの仕業と直感した黒須間はよく調べずに生命維持装置を破壊、建物ごと炎上します。
溜飲を下げる黒須間ですが、数ヶ月後、自身の娘が難病にかかります。唯一その病気の治療実績のある病院へ娘を担ぎ込みますが、院長に「治療は出来ない」と断られます。何故か出てきたふらんが説明するところによると、難病の特効薬たる抗体を作り出していた生体ロボットが破壊され、難病の治療のメドが立たなくなった。多くの人の努力によって偶然見つけ出された抗体なので再現は出来ない…。黒須間は自分で娘の治療のチャンスを潰してしまった事に気付き、絶叫します。
ふらんは今回、難病治療の為のタンパク質合成の手段を用意しただけです。その手段がオーバーテクノロジー気味で、だいぶヤバげな見た目だったのは問題ではありますが。黒須間も生体ロボットを破壊する前に、残っていた資料などでも見ておけば対応は違ったかも知れません。ヒステリーを起こして過激な手段を取らなければ…。因果応報とはいえ、自身ではなく娘の方に報いが行ってしまったのは救いがないですね。
コメディと言うかブラックユーモアよりの本作。依頼者がその欲望ゆえに滅んでいくのは「笑ウせぇるすまん」等に通ずるところかと思いますが、それらと決定的に違うのはやはりふらん本人に全く悪気がないところでしょう。
「私、また何かやっちゃいました?」
こんなセリフ絶対言ってないんですがすごく言ってそうなあたり、やはり要素的にはなろう系…?
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