「クロスボーン·ガンダム」の長谷川裕一先生の久しぶりのオリジナル作品です。…え?ネコのフゥちゃんのマンガがある?いやあれはどっちかと言うとエッセイとかそっち方面ですから…。
「マン·バイト」はUFOの話です。本作のUFOとは異星人の乗り物ではなく、そのものが生き物、一個の生物であり、人を狩る存在です。それ故に主人公、沙(みぎわ)たちにはマン·バイト、人噛みと呼んでいます。もう一人の主人公、優はマン·バイトたちの狩りの標的としてマーキングされ、食い殺されかけたところを沙に救われ、マン·バイトの肉(反重力器官)を食べる事で一命を取り留めます。反重力器官を食べた者は驚異的な再生能力と運動能力を手にします。マーキングされた者は常に狙われ続ける。見逃される事は決してない。生き残りたければマン·バイトの肉を食い、戦い続けるしかない。
「決断しろ!話は単純だ!
喰うか喰われるか!狩られるか狩るかだ!」
ただしマン·バイトを食い続ければ徐々に人間離れしていくようです。年を取りづらくなり、感情も薄くなっていく模様。実際沙は40年以上見た目が変わらず、表情もほとんど変わりません。他人を巻き込まない為に逃げ続け、人間らしさを失いながら戦い続けるしかない、なかなかキツい状況ですね。
いわゆる“ハマキ型”が親であり、これを倒せば終わる、と沙は言いますが、戦う手段は無く…。
優も人間の食べ物よりマン·バイトの肉を欲する様になり、人間でなくなって行く事を実感させられます。
徐々に人でなくなって行く恐怖、は割りとポピュラーなネタですね。古くは「ザ·フライ」とか。「うしおととら」も潮は獣の槍を使う度に魂が削られ、バケモノになっていく、と言う設定でした。「マン·バイト」の場合、元に戻る手段が無さそうなのも悲惨さを更に加速します。
沙たちマン·バイト·イーターたち以外にも「教授」、「女将」幸良子など一般人の協力者がいる事もわかったところで幸良子の旅館がある街にマン·バイトが集結する(脱皮式、だとされています)事がわかり、街を襲うマン·バイトたちを迎え撃つ、と言うシーンで1巻終了です。
長谷川作品の中でも相対的にかなり敵が強いですね。戦力差は絶望的、勝ち筋は今のところ見えません。ここからどう転がって行くのか、楽しみに見ていきたいと思います。
あと、どうでもいい話ですが「おまけ」ね破壊力がすごいです。無表情のままギャグやるとか卑怯だよ沙w。
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