転生したらスライムだった件 20巻

 アラサーのサラリーマンが異世界転生したら最弱スライム。ですがそのスライムはあれよあれよと強くなり、気づけば魔王の資格を得るまでに。なろう系の元祖とも言われる「転スラ」20巻です。

 ファルムス王国を英雄ヨウムに簒奪…じゃない治めさせよう作戦。作、演出ディアブロなものでだいぶえげつないものになっています。巨額の賠償金を請求して国王派と貴族派の内乱を誘発、事実上ディアブロの傀儡な国王派にヨウムを引き込ませて活躍させ、自然な形で王位を禅譲させる…。確かに犠牲は相当少なくなるでしょうが、真っ黒いですよディアブロさん!さすが悪魔。

 ファルムス王国の件が進む中、ワルプルギスの後始末が続きます。リムルが魔王として認められた事で支配地域が広がり、新たに支配下に入る者達が多数挨拶に来ると。で、お祭り大好きリムル様は、どうせならみんな招待して、御披露目がてらのカーニバルにしよう、と思い付きます。祭りの準備は進みます。

 その裏で不穏な動きも見受けられます。ファルムス王国の大司教レイヒムが大元の西方聖教会に呼ばれ、そのまま帰って来ません。聖教会と言えばあのヒナタ·サカグチも所属しています。ファルムス王国侵攻とタイミングを合わせた襲撃から、両者が無関係とは考えづらい。クレイマンの件も合わせて、黒幕の意図が読めない、と悩むリムルに「智慧ノ王」はそれぞれの黒幕が別の可能性を示唆します。

 確かにヒナタを差し向けたのは西方聖教会=魔王ルミナス、クレイマンは中庸道化連=復活させられたカザリームを通して支配しているユウキ·カグラザカ。ファルムスをけしかけたのは…ユウキの息のかかった商人のもたらした情報だったかな。少なくとも事態を操ろうとしている者は二人いますね。

 で、聖教会も一枚岩ではないようで、七曜の老師と呼ばれる最高顧問達が独自の思惑を持って動いているようです。どうもこちらも目的の為には手段を選ばない系の方々のようで…聖騎士それぞれに違う情報を与えて対立させたり、ヒナタを嵌める気満々だったり。

 さらそこに乗ってヒナタの排除を企む秘密結社「三巨頭」の頭領ダムラダとマフィア国家ロッゾ一族。黒幕したい奴はいっぱいいるようです。

 それら思惑が絡み合って、ヒナタはリムルと話し合いに赴く筈がそれぞれの配下を交えての再戦になってしまいました。魔国連邦側は魔王化したリムルはじめ、各々ギフトを得て段違いに強くなっていますが、ヒナタも最高戦力、十大聖人を連れてきています。初戦のときほどのワンサイドゲームにはならないと思いますが、相当な激戦が予想出来ますね。

 あとは七曜が寄越してきたドラゴンバスター、絶対ろくでもない仕掛けがありますw。

 幸い(?)原作小説未読ですので新鮮な気分で楽しめます。騒乱後のお祭りも楽しみに待ちましょう。

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