近付いてくる怪物に悲鳴をあげてにげだすメアリー。アレックスは報奨の1000ポンドを餌にメアリーを引き止めます。息子パーシーの学費が必要なメアリーは結局、話を聞く事に。
そもそもこの死体、前回アレックスが戦っていた相手はロシアの暗殺者。帝政ロシアの将軍をはじめ3件、いずれも舞踏会の最中に7つの刺し傷を残して殺されている。コサック出身のこの暗殺者は「7人の姉妹」を名乗り、ロシアの上流階級の人々は震え上がったと言います。
その「7人の姉妹」がイギリスに向かったと言う情報を掴んだアレックスは、ドーヴァーにて「7人の姉妹」と接敵、部隊は半壊し6人は逃亡。一人はアレックスとの格闘の末に死体となりました。
で、その死体をコンラッド·ディッペル博士が蘇らせた…と言う事なんですが、この人とんでもねえ事やってます。各部の損傷を補う為に人工臓器を開発しているらしい事もすごいのですが、完全に潰れていた「姉妹」の頭部の代わりにその辺で死んだ村娘の頭部をくっつけています。免疫反応ガン無視…と言うか拒絶反応を完全に無効化してますね。21世紀の医学も二周りくらい超越してます。ブラックジャックやK先生が教えを乞いに来ますよ。
この怪物の能力を確かめたアレックスはある計画を考え付きます。この2年間、ヴィクトリア女王の暗殺未遂事件が続いている。「7人の姉妹」の来英もおそらく女王暗殺の為。彼女たちは完璧を期す為、自分達の負傷を直し、一人欠けた状態でのコンビネーションを調整して来るだろう。その期間を考えて、狙われるのは4か月後の女王主催の舞踏会。その舞踏会で、この怪物に女王陛下の護衛をさせよう!
その為に、この怪物を舞踏会に出られるように…要するに淑女としての教育をメアリーに施して欲しい、と…やっと話が繋がりました。
「はたらいていりゃ…死ななくてすむ…仕事…くだせえ…」
怪物のセリフです。頭の中はただの村娘、しかもその村娘の記憶も飛んでしまっているようで、まぁ無理もありません。いっそ哀れなくらいです。
しかし手を取って来た怪物を、メアリーは窓から突き落としてしまいます。やり過ぎたろメアリーさん…。
メアリーにもそれなりの理由はありました。彼女の人生は「死」と共にありました。母親はメアリーを産むのて引き換えに亡くなり、愛人の妻が自殺した事によってメアリーが正妻とされたり、子供は3人も死に別れ(パーシーは4人めですね)、夫も海難事故で…。
死体を繋げて造られたフランケンシュタインの怪物は、「死」で積み上げられた自身の生のメタファーでもあったのでしょう。その怪物が現実に目の前に現れ手を取って来たのは、それこそ「死」が自分を逃すまいと追いすがって来たとしか思えなかったのかも知れません。
図らずも解放されてしまった怪物。ふらふらと歩き始めます。
「仕事…くだせえ…」
SCPなら記憶処理案件ですなw。
果たして怪物はレディになり得るのでしょうか?メアリーは怪物と(ふたつの意味で)折り合いをつけられるのでしょうか?そしてヴィクトリア女王の運命は?まぁ暗殺はないでしょうが…。
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