龍と苺 88話

 いかに現実の将棋星人よりとんでもない展開にするかに腐心する将棋マンガの極北。中学生の女の子がプロ棋士をバッタバッタなぎ倒す、ある意味ファンタジー「龍と苺」です。

 竜王戦決勝トーナメント、宮下裂鬼九段と苺の対戦…なんですが、TV中継の解説が道玄坂w。直前の対局で負けた奴解説に呼びますかw。実際道玄坂も居心地悪そうです。聞き手の桃ちゃんにすら

「負けた人が言うと言い訳みたい…」

 とか言われてます。もうTV側が出オチキャラとして用意したとしかw。まぁおかげでマンガとしても中継としてもツカミはOKです。

 対局室に苺から先に座ります。いよいよ宮下登場。誰に聞いても「鬼のよう」と言う表現しか返ってこない不思議な棋士…いや昨日のヤサメガネなんでしょ?と思っていたら…まさかの鬼の面かぶって出て来ました、宮下裂鬼。

 いいの?!それ?!公式戦だよ?

 どうやら問題ないらしいです。TVの入る対局だけ、気合いを入れる為にかぶるのだとか。問題なく対局開始です。…面つけたまま。

 ここまで引っ張られると、却ってヤサメガネは実は宮下裂鬼ではないのでは?疑惑が湧いてきたりして。多分違いますが。

 対局は極々真面目に始まります。事前の予想では

「どう負けるか」

「万が一にでも勝とうと思ったら、終盤までリードし続けるしかない」

 など、地力の圧倒的な差を示す評価が続きます。言ってるのはほぼ道玄坂ですが。

 その言葉どおり、序盤から全力で攻めた苺ですがいつの間にかひっくり返され始めています。将棋ソフトの評価値もわずかに宮下有利に。相対している苺は明確に感じていました。ペースを握られ、無理矢理攻めさせられている。

「これがA級…!これが鬼か…」

 ここまで勝てない勝てない言われてると、勝ってしまうんじゃないかな?という気分にさせてくれます。さすがに山野辺竜王には歯が立たないはずですが、このトーナメントで直接対決まで行くのか?準決勝あたりで負けさせられそうな気もします。

「3月のライオン」「りゅうおうのおしごと」とは別ベクトルの将棋マンガとして立場を確立するのも面白いかもしれません。

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