ゴールデンカムイ 310話

 黄金のカムイに魅入られた人々がバタバタ死んで行きます。「ゴールデンカムイ」ついに生贄の順番は尾形に廻って来ました。

 汚れる覚悟を決めたアシリパの毒矢を受けた尾形。矢尻は処理しましたが既に毒は回っています。混濁する尾形の意識。走馬灯の様に現れるのは殺した弟、勇作です。

 「罪悪感からまともに向き合っていなかった」と指摘する勇作。尾形にとってアシリパとも重ね合わされる勇作の顔を初めてまともに見れば、その目元は杉元そっくり。そら菊田さん替え玉にノラ坊使いますわ、と妙な納得したり。

 罪悪感がある、と言う事はお前は愛されて生まれたのではないか。ならばお前は「欠けた人間」ではないのではないか。「欠けた人間」でも少尉になって第七師団長になれると証明するという目的は達成できない。ならば勇作を殺した意味は…?

 アイデンティティーがぐちゃぐちゃになった尾形は最終的に自分の残った左目に自ら銃を向けます。引き金には幻の勇作も手を添え

「兄さまは祝福されて生まれた子供です」

 ここまでやって来た事が全て無に帰す、絶対に認められない真実に気付いてしまった尾形は命を断つしか無かったのかも知れません。

 喜ぶべき事実が完全に反転して、呪いと化して襲い掛かって来ています。尾形と一緒に落ちて行く勇作の幻が高笑いしているのも業を感じます。

 数々のメインキャラを始末したヒグマもついにアシリパさんに止めを刺されましたが、一息つく間もなく列車が加速。函館の駅に突っ込む勢いです。鶴見中尉が暴走させた様ですね。次回、鶴見と覚悟ガン決まりアシリパさん対峙です。

 尾形は「ゴールデンカムイ」作中でも最高クラスに狂っていたキャラでしたが、その根本は非常にまっすぐでもあったと思います。まっすぐであったが故に、間違った道もまっすぐ進んでしまったと言いますか。

 どこかボタンを掛け違えなければもうちょっと救いのある道もあったんじゃないか…具体的には鶴見と関わらなければw。でもそりゃ無理だよなぁ。

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