出禁のモグラ 2巻

あの世から出禁を食らった仙人が、結構せせこましく何とかあの世に潜り込もうとする「出禁のモグラ」の2巻です…が、なんか出るの遅くなかったですか?既に3巻も出せる位原稿はたまってると思いますが…何かあるんですかね?

 まぁそれは置いておくとして、2巻は真木君のバイト先の100均ショップのお祓いからです。てか真木君は勿論百暗にも除霊など出来ません(ほんとなにもできないなこの人)。猫憑きの家系の猫附藤史郞、梗史郞の親子に丸投げですw。どうも代々短命な猫憑きの寿命をカンテラの灯を分けて伸ばしてやっているらしい。猫附家の人間にとっては百暗は恩人であり、百暗の頼みは断れないらしい…なんか百暗のうさんくささと相まって、詐欺られてる様にしか聞こえない字面ですねw。

 ともかく藤史郞が霊障に対応します。前段階で、除霊で業務運営するためのノウハウがあったり。要点は

「税金をしこたま納めれば国は何も言わないんだよ」

 大人はきたねぇ、と取るかしたたか、と取るかは個人の問題ですw。

 この霊障の中心だったレッサーパンダの霊が結局真木君の頭の上に固定しちゃったり、「霊に憑かれやすい体質」犬飼さんの憑かれる理由が超体力!…要するに生命力のカタマリだから霊が寄って来る、だったり、藤史郞の憑き猫イケブクロさんつえー、とか。後に繋がる設定がここでいろいろ固まりました。

 霊が見える様になったせいで案件を持ってくるようになった真木と八重子。霊感ゼロなのにガンガン霊を集めて来る犬飼。どんな霊も祓う猫附親子。そして霊のカスを集める百暗…。最後いらない気もしますが、まあまあいいチームが出来上がったようです。

 後半は真木君の弟絡みの女の子とその家族の話。弟君が訪ねたその家はなぜか人形を家族の一員の悟得扱い、しかも何も説明がない!止めに人形をそのまま成長させたような少女がフッと現れたり…。

 結局その女の子は弟君の友達「美耶」のお姉さん「麻耶」。8歳の時に事故で亡くなっていました。

「なんで可愛い姉の方が」

 葬式の場で親戚の伯父さんが放った不用意な一言。これが美耶を縛り、鬱屈した人生を送らせる事になってしまった。

 これに怒った麻耶は伯父さんに取り憑き、徐々に弱らせてついに霊である自分の手で殺せるまでに弱ったのです。せめてもの復讐の為、伯父さんを引き摺って一緒にあの世に行こうとする麻耶。

 そんな事をすれば麻耶はただの悪霊です。このままあの世へ行けば彼女は地獄へ落ちるでしょう。そんな事にはさせたくない、と百暗が取った方法は…カンテラの灯を伯父さんに注ぎ込む事。

 話を聞いてしまった以上、麻耶をイケブクロさんに食ってもらってすべて無かった事にはしたくない。そしてこの伯父さんが死のうが生きようが美耶は救えない。俺はだれかを救おうとした奴が悪者になるのは嫌だ。だから麻耶が地獄に堕ちる可能性のひとつを潰す。それしかできない。伯父さんは今の殺されかけた恐怖を抱えてあとの人生を生きる。それで十分な地獄だ…。

 そう言って百暗は伯父さんを回復していきます。麻耶の手が届かないように。必死こいて集めた灯を使って、です。

 モグラという男のメンタルの全てがここにあります。灯をいつまで経っても集めきれない理由がこれであり、またこれが彼が主人公たる由縁なんでしょう。

 一瞬麻耶の姿を見る事が出来た美耶はすべてを悟り、母と共に人形供養をするところから始めようと決意します。つまるところ人は自分で助かるしかないのですね…。

 百暗さん、また灯がほぼすっからかんです。あの世に行くどころか、当分現世でジタバタが続くのでしょうね。

 …どうでもいいですが、麻耶が堕ちそうになった地獄って、あれですよね、鬼灯さんがいるところ…。そりゃ死者はシステマチックに処理されますわw。モグラさん正解w。

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