去る4月7日、88歳にて藤子不二雄A先生が永眠されました。長く、本当に長く創作活動を続けて来られたその生き様に賞賛と感謝を送ります。
作品ごとの話を始めるとどれだけ書いても終わらないのですが、やはり印象に残るのは「怪物くん」「忍者ハットリくん」など、日常に異分子が入ってくる系統、それこそ「ドラえもん」系でしょうか。故F先生の作品と供に、主人公がバディ制のものが多い気がしますね。作者がコンビである事が反映されているんでしょうか。ケンカもしつつ楽しく過ごす、何者にも代えがたい友人たち。両先生の仲もこんな感じだったのだろうな、と想像が弾みます。
長編も然ることながら、A先生の短編も切れ味鋭く面白いものが多くありました。「笑ウせぇるすまん」に近い読み味のものが多かったかな。ギャンブルの天才少年がサラリーマンを追い詰めて行く話とか、盆栽の栽培に全てを掛ける話等…。
F先生が少年向けである種乾いた視点の短編を描かれるのと対照的に、A先生は青年向け、人間の情念に根差したモチーフで描かれるものが多かった。そう言う意味でも二人はバランスが良かったのかも知れません。
あちらでF先生と再会して、積もる話もされている事でしょう。ご冥福をお祈りいたします。
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