逃げ上手の若君 5巻

 武ではなく、逃げに特化して戦乱を生き抜く北条時行を描く「逃げ上手の若君」5巻です。郎党も集まり、将としての自覚も出来た、反攻の準備は確実に進んでいます。

 小笠原貞宗との問答。一歩間違えれば素性を掴まれ始末される、座敷の上の勝負です。

 貞宗は市河も動員して僅かな変化も見逃さぬ体勢…さながら嘘発見器ですw。対して時行は圧倒されそうになりながらも亜也子の機転もあってなんとか切り抜けます。

 亜也子ちゃんすごいですね。歌舞音曲を修めているのはともかく、追っ手の侍一人をアルゼンチンバックブリーカーwでぶん投げて、更に時行が止めなければ首ポロリまで行くところでした。9歳とはとても思えません。

 このまま成長すればそれこそ巴御前や板額御前にも劣らぬ女傑に育つに違いありません。

 足利尊氏は対抗勢力の護良親王を排除し、後醍醐帝に取り入り体制を磐石なものにして行きます。帝の薫陶を受けた国司清原…「麻呂」の方が通りがいいかなw…は貞宗たちを率いて諏訪へ攻め込む構え。

 対して諏訪は頼重直属の三大将を中心に迎え撃ちます。時行率いる逃若党は大規模戦で離れた戦場をつなぐ伝令役。一進一退の攻防の中、時行も貞宗自らに追われたりもしましたが最終的に麻呂の乗る“戦闘神輿”を引っくり返して諏訪神党の完全勝利!

 …そうはいきませんでした。戦況を見切り、決戦の場の裏をついて奇襲できるよう大きく回り込んで進軍してきた男、瘴奸。かつての山賊が貞宗に拾われて変貌しました。この一手で戦況は逆転します。諏訪側は壊走、支配領域を大きく減らす事になりますが、頼重はここまで折り込み済み。敗走した郎党を匿うだけの設備と物資は用意されていました。

 人の犠牲を極力抑え、諏訪神党の結束を固める事が狙いであったと。頼重もまた深慮遠謀の持ち主だったのです。そして戦場を駆け回る時行の姿もまた信濃の民の信頼を得るのに充分なものでした。

 前哨戦はここまで。諏訪側が退く事で一旦戦火は収まるものと思います。この後逃若党は都へ向かう事になります。いわゆる中先代の乱に繋がって行くのでしょうね。

 時行の生涯をどこまで描くつもりかはわかりませんが、この乱が一つの山場になることは間違いありません。若の逃げっぷりに期待しましょうw。

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