最終回です。笑えて美味しそうで気味が悪くて泣けてエロくてカッコよくて悲しい、そんなお話もついに終わります。
函館の戦闘から半年。アシリパたちの姿は東京にありました。
花屋の女将さんを訪ねる杉元。彼女こそ梅ちゃん…杉元の幼なじみであり、杉元の親友、寅次の奥さんだった人です。目は治ったようですが、杉元は「寅次から頼まれたことだから」と砂金を一掴み分渡します。鶴見に投げつけた分が全部じゃなかったんですねw。割りと抜け目ないです杉元。
「アイヌを守っていくのに黄金のカムイは必要ない」
アシリパは砂金をこれ以上使う気はないようです。対して杉元は
「黄金のカムイってのはそんな悪いものじゃなくて 使う奴によって役目が変わると思うんだよな」
あくまで使い方次第だ、と言う立場ですね。
土方が残した刀「兼定」のおかげでアシリパは明治新政権の重鎮、榎本武揚に面会でき、権利書の件を伊藤博文や西園寺公望に話を通してくれる事になりました。これでアシリパは頭ごなしに握り潰される事なく交渉に臨む事ができます。
アシリパの行く先は決まりました。杉元はどうするか?アシリパが買ってくれた干し柿を食べながら杉元は考えます。帝国ホテルのエビフライは美味かった。でもリスのチタタプも負けないくらい美味かった。うさぎの目玉もエゾシカの脳みそも、シャチの竜田揚げもオオワシの足もカワウソの頭も白鳥のくちばしも全部美味しかった(半分くらいは嫌がってなかったっけ?)。自分が幸せになれそうな場所をやっと見つけたんだ。
「故郷へ帰ろう アシリパさん」
不死身の杉元ではない、ただの人杉元佐一がそこに微笑んでいました。
その様子を尻目に二人から離れる白石。
「湿っぽいサヨナラは嫌いだぜ」
このまま二人と別れるつもりのようです。
カッコよくくぐった門の先は…そこ吉原だよね!?白石ィ!!
他の生き残りたちはと言えば…夏太郎は牧場主として成功、永倉は剣道師範として余生を過ごし、谷垣はインカラマッと大家族を作り…みんな成功している様で。
いや変なのも。門倉、キラウシはマンスールと組んでアメリカへ。騎兵隊やお尋ね者や侍やアイヌがアメリカ先住民の隠した金塊を奪い合う映画…ほぼ実体験だろ…を制作して大コケしたとか。
月島は函館湾を浚っていました。鶴見の遺体…額当てだけでも見つからないか、と。
鶴見が死んで、何をしたらいいかわからなくなっているようですね。そんな月島に鯉登が声をかけます。政府から賊軍として裁かれるであろう第七師団の部下たちを何としても守らなければならん、と。
「だからこそ優秀な右腕となる人間が必要だ」
「月島軍曹 私の力になって助けてくれ」
おごりも衒いもないまっすぐな言葉です。この作品で一番成長したのは鯉登かもしれませんね。鯉登は「最後の第七師団長」となり、月島はその副官の任を全うしたようです。
アシリパはアイヌ文化の保護に努め、また政府と交渉して、権利書にある土地を国立公園や国定公園に指定させて行ったそうです。
…そしてこの長いお話の最後のページですが…これは私にはとても文章化出来ません。是非各自で直接見て戴きたいと思います。
…白石ィィィ!!!
それはそうと、「実写映画化」の5文字が不穏すぎます。大丈夫かなぁ?
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