高レート裏麻雀列伝 むこうぶち 496話

 バブル華やかなりし頃の高レートマンション麻雀で荒稼ぎしていた傀のお話だったのも昔の話。作中でもバブルがはじけて低成長期に入ってしまいました。でも傀は変わらずレートの高い卓を渡り歩き、今夜も「御無礼」の声がどこかで響きます。もう20年連載している麻雀マンガ「むこうぶち」です。

 今回は新参レギュラー(と言っても既に1~2年は出てますね)城間が立呑屋で講釈たれています。内容は「情報戦」について。敵の動向をいかに早く探り当てるか、なんだとかかんだとか。どうも既に傀にやられて、負けメンツ+マンション麻雀のマスターで飲んでるらしい。城間が国士無双に行く場面があったようで、どこから国士に向かうか、途中をどうごまかすか、等。捨て牌で他家にはバレバレになるし最終型は丸わかり。

「情報戦が制す役なんて国士だけだろ?」

 ここから回想。東風戦東3局、南家·城間は国士捨て牌。東家が南を捨て、北家が南暗刻。この時点で北家からは城間の国士は成らない事がわかります。が、北家は么九牌を絞ります。他の二家に国士警戒を続けさせる為、城間には国士に希望を持たせて手を遅らせる為。

「国士は殺した後も使いようなんだ」

 対して城間はドラ四筒を掴んだ事で方向転換、三元牌を鳴いて小三元を匂わせ、国士を放棄しながらも字牌を切りづらい状況を作り出して流局まで持って行きます。

「一番大事なのは最後までブラフを白状しない事だよ」

 実際、城間は前局の緊張感から抜けきっていない他家を尻目にオーラス安手を上がり、トップ確定です。

 後ろで見ていたマスターと城間の会話で国士ブラフを見抜いたらしい傀。ニヤリと笑って続行を宣言します。

 次の東風戦東2局。今度は傀が中張牌バラ切り。4枚切れ么九牌が無い状況で全員が国士の幻影を見せられ、字牌を絞らざるを得ません。ですが持ちきれなかった西牌が転げ出たところをポン、更に余り西牌が同順内で処理され、傀の国士は全員から見て不成立が分かるようになりました。一九牌を処理し始めた傀は白牌をポン、更に次順發牌もポン。中牌が見えていない、という先ほどの城間と同じ国士→大三元の体制です。各々中牌引いて身動きが取れなくなっていく中、三筒で傀がロン。小三元チャンタで満貫です。

 シャボ待ちで受ければ大三元まであるのにわざとペン三筒にして読みを外し…いやそもそも一九字牌なんか8種しかない?!

 傀に完全に翻弄されて、「御無礼」を聞く羽目に。この勝負は傀トップで終わり、城間が即ヤメで卓割れだそうです。城間引き際を弁えてます。スタンスこそ違いますが、亡くなった安藤さんのポジションを継げるかも知れませんね。

 城間は後ろから見ていたマスターに確認を取ります。今夜の傀は調子最悪だったのではないか、と。その通り、とマスター認めます。配牌かツモのどちらかが一九字牌だらけでまるで手になっていなかったのです。

 8種10牌で国士には少々遠い段階からチャンタに使える牌も切り飛ばし(国士のフェイク)、西牌が枯れたところから么九牌の連打(国士を諦めたフェイク)?!

 国士崩れは手が遅いと決めつけがちな心理を逆手に取って手を進め、白發を食った段階で既にテンパイしていたのです。

「持論なんだけどさあ」

「敵の読みを完全にはぐらかしてアガリ切ると、その後はツキの大波が来ると思うんだよな?」

 まさに現在の傀がその状態。ついでに明晩も来る、と言っていたらしい。

 あんたら明日も打ちに行って確かめてみるかい?俺は行かないけどネwと笑う城間で締めです。

 情報戦を征され、傀の不調からの回復まで助けてしまった城間。ともかく自分の傷は最小限にして撤退できるだけの才覚は見せてくれました。とりあえず傀の標的にはならない様に、うまく立ち回ってもらいたいものです。

 「むこうぶち」もまもなく500話の大台に乗ってしまいます。掲載誌が変わったり、一時期月二回になったり紆余曲折ありましたが、気がつけば「近代麻雀」史上最長連載ですね。麻雀マンガとしてもこれより長いのは「天牌」くらいでしょう。連載開始は同じくらいだと思いますが、あっちは週刊ですからw。

 あと気になるのは傀の年齢です。バブル後なので作中でも初登場から10年は経っているはずなのに、彼は全く老ける様子がありませんw。なんなら2020年代まで時代が飛んでもあの顔で平然と出てきそうです。実際傀が現ナマ放り込むコインロッカーは実在するらしいしw。