ONE PIECE 1049話

 しぶとく生き抜いていたオロチは傳ジローによって首を切られ、ビッグマムも堕ち、残るはカイドウ。ワノ国編ついに決着です。

 ゴムゴム改めヒトヒトの実モデル”ニカ“の能力者だったルフィ。鬼ヶ島上空で“ゴムゴムの猿神銃”をカイドウに打ち下ろします。カイドウは猿神銃を受け止めて叫びます。

「よくここまで戦った!!だがお前に世界は変えられねェ!!!」

 カイドウの過去、それは誰よりも強い力を持ちながら他者の思惑で翻弄され続ける人生でした。貴族「天竜人」たちを引きずり下ろし、純粋に力のある者が勝つ世界を作る。

「『戦争』だけが人間の価値を決める!!」

 弱肉強食がカイドウの理想ですね。その為の拠点としてワノ国を支配していたのです。

 鬼ヶ島の下部ではモモの助がカイドウの代わりに焔雲を出して島を支えようと頑張っていますが量が充分ではありません。島は高度を落として行きます。

 島内部ではゾウの水をジンベエが操って島中の火事を消そうとしています。水が島の最奥まで回る頃、カイドウの焔雲がついに消滅。鬼ヶ島が落ちようとする時、上空でも決着がつきます。

「お前が一体どんな世界を作れる!!?麦わらァ~~~!!!」

「……!!おれは……」

 モモの助が「出ろ”焔雲“!!!」気合一閃、ついに巨大な焔雲を吐き出し、島を包んで行きます。

「友達(ダチ)が……!!!」

 猿神銃がカイドウを押し返します。

「腹いっぱい!!!」

 猿神銃と覇気に潰されていくカイドウ。

「メシを」

「食える~~~~~!!!」

 耐えかねたカイドウが遂に姿勢を崩し

「世界!!!!」

 振り抜かれる猿神銃。地面に叩きつけられたカイドウは勢い余って大地の奥深くまでめり込んで行きます。

 カイドウ回想。

「キング…おれはジョイボーイが誰だかわかった」

「この先おれを倒した男だ!!!」

 鬼ヶ島は軟着陸。力を使い果たして倒れるモモの助とルフィ。対称的に祭の灯篭は天に登って行きます。花の都の祭は続き、しかしここでひとつの時代が終わりました。20年越しの戦いは決着を見たのです。

 最強の力を持ちながら権力者の思惑次第で左右される生活を送らされたカイドウにも同情すべき点はあります。ですがそれで弱い者を踏みつけにして良いとも思えません。因果は巡ると言うか、より強い者(ルフィ)が現れて正しく文句の付け様もなく負けてしまったわけですが。

 そのルフィですが…海軍やCP-0がただで済ます訳がないのはモチロンなんですが、もっと内的な問題も気になります。

 ジョイボーイってニカ本人か、少なくともニカの能力者だと思うんですよ。で、ゴムゴムの実自体に意思があって世界政府の手から逃げるような行動を取っていた、なんて話もありましたね。その辺考え合わせると、ゴムゴムの実にはニカの意思みたいなものが宿っていて、宿主を探していた、とか世界をひっくり返すチャンスを待っていた、とかの考えに至ってしまうんです。てことは今のルフィの中にも「ニカの意思」があるんじゃ?とか。その行動はどこまでルフィの意思なんだろう?とか。今のところ可能性だけですが、ルフィのアイデンティティー的な問題も出てくるんじゃないか、とちょっと考えています。

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