人類の進化と闘争を描いた、玉井雪雄先生の「OMEGA TRIBE」続編です。Ω同士の闘争は第6のΩの勝ちで綺麗にケリがつき、次の闘争は数十万年後のはずですが、何するつもりなんでしょう?
日本が第三の性、トリプルを拒む為のNEO鎖国時代に入って135年。唯一海外からの出入りが可能な経済特区、新東京島にある極東学園。次世代の王“ONE”たった一人を生み出す為のこの学校に”桜 一郎“が入学するところから始まります。前作の桜烈士との関係は不明。東大文Ⅰ現役合格の頭脳とノリで蹴って極東学園入学を決めてしまう単純さを併せ持つ…率直に言って前作主人公、ハルより大分少年マンガしてますw。オメガの意匠の入った刀“斬極丸”を託され、ONEを目指すべく新東京島に入ります。
入島直後にコスプレ集団に襲われる一郎。リーダー格のラビットのお姉ちゃんの言うには、ここ極東学園では”ONE“を見つけ出す為に生徒は“TRIBE”と言う集団を作って闘争を繰り返している。警察は闘争には不介入。”TRIBE“に所属している印としてコスプレをする事になっている。つまり
「ここではコスプレしてれば殺人未満(Less than marder)はお咎めなし!」
身ぐるみ剥がされそうになった一郎を助けに現れたのは…ドローン?ミュージックと共に映像を写し出します。
「たった10万円であらゆる暴力から守りますよ!」
すごく説得力のないPRをしてくるのはナツと呼ばれる少年。
一郎は助けが必要なんて言ってねーから、とラビットたちを一瞬で斬り飛ばします。そのスピードはクロックアップ!かつてΩとその眷族だけが使えた特殊能力です。どうもこの時代、クロックアップは結構広まっているようでラビットからは「古武道」扱いされてしまってますね。
乱闘になったところに無理矢理介入しようとナツが叫びます。
「よーぉし!行ってみよー!ハル!」
ビル屋上から落ちてきてラビット姉ちゃんを蹴り飛ばしたのはナツと同年齢くらいの女の子。一郎をしのぐクロックアップで一郎を抑え込みます。
「10万円、ください…」
…なんかボケてますが、結局一郎はこの少女ハルにブン回され、斬極丸を取られてしまいます。気を失う前に見たのはハルの背中のΩの形のアザ…。
翌日、一郎は極東学園の入学「儀式」に挑みます。これに通らないと入学は認められない、と。そこに出てきた理事長が
「馬鹿でありがとう!おれが梶 秋一だ!」
えーと…庵野秀明?じゃなくて!
前作の梶くん本人?首相やって死んだんじゃ?なんで今さら理事長?
「うっせんだよ!」
「100年200年なんて誤差よ、誤差!生きてるか死んでるか そんなもん手前ぇで決めるもんだろがーーー!」
…この問答無用さ加減は梶くん御本人ですね。間違いないw。
梶理事長が言うには、さっき乾杯した酒にアルカロイド系神経毒が入っていた、解毒剤は一人分だけ用意してある…。さあ始めろ!
殴り合いを始める受験者たち。しかし一郎は何かに気付いた様です。
「俺は毒は二種類あったと思ってる!」
全員合格する方法がある、と殴り合いを止めさせ、一郎は酒瓶を掴みます。
「これを飲み干したら信用してくれ!」
それでも掴みかかって来るデブを叩き伏せ、
「俺がやるべきことはお前らをぶっ倒して一人だけ助かることじゃない!」
「俺に薬を差し出す事がベストだと思わせる事だ!」
「俺たちは殺しあって一人が生き残るんじゃない、考えを一つにして“ONE”になるんだ!」
梶は「正解なんてねえんだよ!」と嘯きながらも
「お前のリキ…『交渉力』に免じてその理、通してやるよ!桜!」
全員合格です。解毒剤を手にした一郎は全員にさっき飲んだグラスとは別のグラスの酒を飲むよう指示します。テーブルの上にあったのはトリカブトの毒「アコチニン」とフグ毒「テトロドトキシン」の二種類。毒として逆の作用をする二つの毒を同時に摂取する事で毒が拮抗し、効き目を遅らせる事が出来る!その間に解毒剤を打った一郎が全員分の解毒剤を持ってくる、と。土壇場で一郎が「注射嫌い」と暴れだしたw以外は予定通りに進み、全員生還となりました。一郎くん凄いのか凄くないのか…。
どうも梶くん、自分を殺してくれる者を捜している様です。WILL見えてるし。Ωのシステムがどこかバグってるのかな?それで梶くんを殺した者が”ONE“とか。それなら女の子のハルの方にでもやらせればいいと思うんですけど。明らかにあの二人HALの血縁だし、そっちの方が簡単で収まりもいいはず…出来ない理由があるのかな?
裏サンデー連載と言う事で、「OMEGA TRIBE」より対象年齢が下がった感じです。あまり毒が抜けても別物になってしまうので難しいところですが、果たして「TRIBE」とは違う魅力を出して行けるでしょうか?
まぁ梶くんがやりたい放題するだけでも結構面白くなりそうなんですがw。
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