荒川 弘先生最新作「黄泉のツガイ」待望の1巻です。カバー裏を見ると左右さま石像モードとか東村のレイアウトとか、ものすごい細かい設定で作ってありますね。そのままアニメに持って行けそうw。あのカッチリした、説得力高いアクションはこう言うところに裏打ちされているんでしょうね。
夜明けに生まれた双子、夜と昼を別つ子はツガイを統べる者になる…。
中世から江戸期の村、東村で暮らしていたユルとアサの双子。妹アサは座敷牢のような場所で「お務め」を果たし、ユルは狩りの名手。非常に仲の良い兄妹です。
ある日突然現れるのはヘリ&コマンド部隊。東村は結界によって外界から隔絶された隠れ里だったのです。その中に「アサ」を名乗る少女もいました。村にいたアサを偽物と断じて不思議な力で殺してしまいます。
「アサだよ兄様 むかえに来た」
「そして兄様以外みんな殺す」
殺されたはずの牢内のアサは影の様な姿で襲った方のアサを羽交い締め(牢内の方が偽物で間違いないです)。ユルは行商人のデラさんと逃亡を謀ります。
しかしヘリに追い詰められるユルとデラさん。村の守り神「左右さま」にたどりついたところでデラさんはユルにペンダントを渡します。
「おまえ左右さまを使え」
わけのわからないままペンダントを石畳にはめ、血を垂らすユル。その瞬間、左右さまの狛犬のような石像が光を放ち、ヘリを撃ち落としてしまいます。
「ここでずっと見ていたぞ 主ユルよ これよりわたしたちはお主の『ツガイ』となる」
人間の男女らしい姿になった左右さま。襲撃者の中にいたデカい顎のようなツガイ、カブリエルとその主、ガブちゃんと戦う事になります。命令してくれれば何でもする、と申し出る左右さまに対して、ユルは命令はしない、と返します。守り神に命令とかおこがましい。頼みごとなら二つある、と。
「一つ まだ生きてる村人がいるはずだ 安全な所に保護してやってほしい」
「そしてもう一つ あのチビは俺の獲物だ 手を出すな あとは好きにやってくれ」
右の方はユルを気に入ったようです。豪快に笑って村人の保護に向かいます。左はカブリエルを抑えに。二対一でも全くパワー負けしてません。
ユルは弓でガブちゃんを容赦なく撃ち抜きます。…敵とはいえ女の子にそれは…。兄様ガチハンターメンタルです。
形勢不利な襲撃側はこれで撤退。ユルも存在を知られてしまったのなら人里に紛れた方がいい、とデラさんの手引きで村を出る事になります。
自動車とか「くそ怪しい物」とか言って警戒するユルに、デラさんとコンビ組んでるハナは
「中に馬が入ってて なんだかんだですごい速さで走る!!!」で
「なるほどそういう物かわかった」
左右さまと3人まとめて納得してますw。スマホも似たような経緯で納得してるので、要は勢いさえあればいい感じw。
東村に対抗しているのは影森と呼ばれる一族。元は東村の分家で考え方の違いから村と決別した、とのこと。
「解」と「封」の力をもつ夜と昼を別つ双子が生まれる時、世が割れるとされており、東村や影森家以外の勢力も二人を欲しているようですね。ユルとアサの父母もおそらくその辺に巻き込まれて行方不明になった様です。
ユルは人里に落ち着いた当日にいきなりアサを探し始めます。左右さまにツガイが集まっていてアサの血の匂いがするところを探してもらってそこへ直行w。アサなら父母がどうなったかわかるだろう、と予想したにせよ即断即決が過ぎます兄様w。
突っ込んだ所にいたのはアンコウのようなツガイが作り出したデコイのようなものでした。つまりはおびきだされたんですね。
「初めまして 影森ジンです この子は私のツガイ『掃除屋』 お会いできて嬉しいですよユルさん」
ダークな世界観ですが荒川先生らしいネタもきっちり入っています。アサちゃんも「兄様、生きてた…!」と泣いて喜ぶ可愛い面と、次巻収録になると思いますがネタ要素もありますのでw。ツガイも可愛いのからガチ化物まで様々あって、却って成立の経緯とか全く分かりませんね。とりあえず私はアンコウの愛ちゃん推しですw。
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