安全保障の専門家、ティム・ローレンツ教授のゼミはゼミ生をテロリスト予備軍扱いしたりテロの計画を立てさせたり…ドーナッツ食ったり?な「テロール教授の怪しい授業」4巻最終巻です。
「一番成功したテロリスト集団の育成にもっとも貢献した国とは さーどーこーだー」
いきなりヘビーな問題をかるーく出して来ましたが、具体的にはISIL…イスラム国の幹部か育成された場所ってどこ?という話ですね。答えはキャンプブッカ。イラクにおいて米軍が建設した「刑務所」です。過激派を収容するための。捕虜虐待事件の反省から造られた「収容者の事を考えた刑務所」だったのですが、生活の心配なくネットワークを構築し、テロリストとして必要な技術を習得できる最高のテロリスト養成所として機能してしまったのです。脱過激派の教育とは正解のない、難しいものなのですね。
で、このティム教授がゼミ合宿を企画します。
「テーマは『過激化と脱·過激化』…やーいお前の英雄テロリストー!!って幕末ヒーローの地元で叫ぶだけでーすよー!?」
…殺されろと?
地域振興コンテストにプレゼン側として参加し、「坂本龍馬を魅力的な観光資源(テロリスト)として売り込め!」と言う事らしい。
…やっぱり殺されろと?
しかも合宿中の3日間でプレゼンをまとめなければならない…死ねと?
3日でプロジェクト纏めて賞取りましたとか言えると就活で有利、とか失敗しても審査員にムチャクチャ言われるだけでノーリスク、とかその気にさせられてゼミ生たちはなんとかプレゼンを形にします。
坂本龍馬はテロリストとして出発し、「間違いを認めて」開国論者となった。その場で間違いを認め、やり直したからこそ幕末のあの活躍があった。間違えてしまった人や間違いを恐れる人に間違いを認める、「やり直す価値観」を提示する形で坂本龍馬を再プロデュースする。…と言う骨子です。
まぁ審査員の皆さんにメタメタにやられる訳ですがw。コンテストの金賞もブランド牛の売り出しの方に取られてしまったし。
ただ一定の評価はもらえたようですね。「間違いを受け入れる」「やり直しの旅路の追体験」というフレーズは可能性がある、と。
さんざんゼミ生たちをもてあそんできた教授ですが、騙されない為に「依存先を増やす」、自分が何者なのかを教えてくれる「人と人との繋がり」をたくさん作りましょう、と説いて終わります。…でいいのかな?ティム教授すごいいろんな視点で話して来るので要約に自信が持てませんw。
原作カルロ·ゼン先生は「幼女戦記」「売国機関」など政略的要素も強い作品をものしている方ですね。テロリストも普通の人間だ、と言うよくあるフレーズを豊富な例と整然とした論理で納得させてくれました。
作画石田点先生はこれが連載デビュー作…またクセの強いの選びましたね。さらに次の作品がモンゴル対山岳民族「ゾミア」…絵柄に合わせて選んでるのかな?面白いのでいいのですが。
佐藤たちが卒業して行ってもテロール教授は新しい生徒たちを弄び、そして(いろんな意味で)強くしていくことでしょう。いや実際やってましたねw。
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