史上最長連載記録保持作品「ゴルゴ13」、ビッグコミック増刊号にてスピンオフシリーズ連載が始まっていますが、新シリーズは「Gの遺伝子を持つ少女」!
「娘」としないのはゴルゴが認知してないからw…なんて言ってるとどこかから銃弾が飛んで来そうなんで止めにして…かつてファネットにゴルゴが輸血した事があり、その時に造血細胞にゴルゴのDNAが定着してしまったのだろう…と。普通なら無い、と一蹴出来てしまう話なんですが、ゴルゴのDNAはアメリカでRNAウイルスを応用した遺伝子書き換え実験を行った軍人が負荷に耐えられずに死亡した、という強烈な代物でして…少量の摂取でも何が起こるかわからない…FSSの騎士かな?
ただ、ファネットの実の母親がゴルゴと寝た事があるのは事実。ゴルゴが事ある毎にファネットを気にかけているのも事実。親子関係が発覚する事でファネットが世界中から狙われるのを避けるのと、彼女の素性からゴルゴの出自などを探られる事を避ける意味があるのでしょう。輸血云々はおそらくブラフ。ファネットの方もその辺分かっている様でゴルゴとの関係を掴まれないよう注意していますね。
これの前のシリーズは「銃器職人(ガンスミス)·デイブ」で、ゴルゴから毎回無理難題を押し付けられるデイブのおっさんの話だったのですが、話題性では「Gの遺伝子」の方がはるかに上の様ですね。「デイブ」も好きだったんですが、少々目元がキツイとは言え充分美少女なファネットと、場末のダイナーで不味いコーヒー啜りながら新聞読んでるおっさんでは比べるべくもない…w。
フランス、パリ。ファネットの義父ゴベールが経営する病院に入院する浮浪者のじいさん。目を覚ますと
「わしはいつからここにいた!?」
どうやら追われているようです。院長とファネットが治療を勧めますが、じいさんは即刻退院する、と聞きません。「ハノイの塔」を持ち出して来て、64枚の円盤を全部移し替えたら世界が終わるんだから治療など意味がない、と言いだします。まぁ屁理屈ですね。
「円盤が64枚なら1840京手…1秒1手で5850億年かかるので世界は当分滅びません。ですから透析に行きましょう。」
正面論破ですw。これを暗算してしまうファネットもとんでもない。
そんな時、パリ警視庁”36“からブサール警部がゴベール病院にやって来ます。この人、極秘ファイル#106…通称ゴルゴ13の捜索を手掛けていまして、ファネットがゴルゴと関わりがあると見て彼女を調べたいと思っています。ただ今回はそれとは関係なく、じいさん…“鍵師”アルフォンス·クィジャンを確保に来たのです。“鍵師”とは金庫の電子錠を”マイコン“で解析して回っていた最初期のコンピュータマニアだったクィジャンについた通称だったのですが、最新技術には着いて行けなくなり、最後にはマフィア·ミルボーの金庫を狙うも失敗し、追われる身となっていました。
クィジャンを警察が保護した理由…国境ジュラ空域の航空管制システムが物理的に破損してしまい、バックアップシステムを起動しなければならないが、そのシステムが”プロローグ“と言う特殊なプログラム言語で組まれており、扱えるエンジニアがもういない。
「“プロローグ”使いを15分以内に調達せよ」
航空宇宙軍の無茶振りにデータベースと監視カメラ網を駆使して見つけ出したのが”プロローグ“で電子錠を開けまくっていたクィジャンだった、と言う事でした。
ファネットはブサールが自分からゴルゴに辿り着こうとしている事に感付いていましたが、体調の思わしくないクィジャンを放ってはおけず、同行を申し出ます。
短時間でジュラ山地に到着する為に警察が用意したのはグライダー。流石に嫌がるクィジャンをファネットは説得します。ジュラ管制まで行ってしまえば警備は薄くなる。管制システムを復活させ、その後の隙をついて逃げよう、自分も同行して逃走を手伝う…。
「今最も優先するべきは飛行機の衝突を防ぐこと…お父様がおっしゃったように悲劇を止めることだ!」
自分がブサールに追い込まれる事を飲み込んでの説得。クィジャンが知るべくもない事ですが、その胆力は伝わった様です。ファネットが同行するなら、の条件で仕事を承諾します。
グライダーが飛び立った後、陸路でジュラに向かうブサール。クィジャンが生きている事を知って動き出す者がいるかも知れない、ひょっとすれば#106も動くかも…。そうでなくともファネット嬢をクィジャン絡みで取り調べる事ができる…。ファネットの危惧は当たりです。そしてブサールの予測も当たり。ミルボーはクィジャンを確実に抹殺する為に“G”に依頼を出していたのです。”36“に警護されてしまえば狙撃は難しい。ゴルゴもジュラに向かっていると思われます。
全てがジュラに収束していく中、ファネットたちの乗ったグライダーは運悪く翼にバードストライク!パイロットは負傷、気絶。ファネットはやむを得ず操縦桿を握ります。
「今…見て覚えました!」
マジですごいなこの娘!
番いのもう一羽がぶつかってくるところを直前で弾けます。遅れて響く銃声。月夜に高空を飛ぶ鳥を一撃…あぁ、居ますね。
ジュラ管制棟まで何とかたどり着き、ですが地形的にパラシュート降下も不時着も難しい。ファネットは三人で一つのパラシュートを使う事でブレーキ代わりにして着地。
すごいな…。
クィジャンはプロローグを起動しに管制棟内に。ファネットは…
「嬢ちゃんはその若いのを手当てしてやってくれ…あんたにしかできないことだ」
パイロットの治療の為にクィジャンと離れるファネット。プロローグは無事稼働し、ジュラ航空管制の危機は去りました。
さっきの狙撃が自分を殺すよう依頼された殺し屋のものである事をクィジャンは察知します。自分以外の手でクィジャンが死ねば契約を履行出来たことにならないから…。
「嬢ちゃんも約束は必ず守り、わしを逃がそうとするだろう…すれば巻き添えになる…」
「人には誰も…死ぬことも生きることもできなかったわしにすら…使命のようなものがある。命を捨てて守るに値するものが…」
覚悟を決めたクィジャンは月下に身を晒します。
「待たせたな、死神っ!!」
銃声は一発。全てを悟ったファネットは静かに涙するのでした。
本編にも登場しているファネット。まだ未熟なところもある精神に対し、その凄まじいばかりの能力は彼女自身も振り回し、ときに自身を、また周りをも傷つけます。完成された大人であるゴルゴとはまた違ったストーリーを魅せてくれる事でしょう。
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