落語の技術的な事や精神的な事まで突っ込んで描いてる、えらくエッジの立った「あかね噺」2巻刊行です。ハラハラして見てましたが継続出来ているようで何よりです。
「気働き」に気づいたあかねは享二の営業に同行を許されます。営業先は老人ホーム。前座の15分をもらいます。
落語家の仕事場は寄席だけじゃない、慣れろよ、と言葉をかける享二に
「いや、むしろラッキーだなって」
お客さんの普段の生活が見られて、落語を観る為に時間を割いてくれているのがわかって良かった。
「ハナからやる気満々でしたけど 今はもっと楽しんでもらいたいなって感じです」
あかねには良いモチベーションになっている様ですね。
マクラで客層を探り、「子ほめ」を始めたあかね。最初は高齢層に合わせたゆっくりめのペース。から徐々にテンポを上げて自分の得意なペースに。
「お客さんが楽しめる様に調整したストライクゾーンに入れにいく噺をすると思ったら」
「まさか球速を変えずストライクゾーンを拡げる道を選ぶとは」
失敗も全て経験として吸収し成長して行くあかねを認める享二。
「俺の事は享二兄(あに)さんと呼びなさい」
「落語家は近しい先輩を兄さん、姉さんと呼ぶ 分かったか?朱音」
初めてあかねの名前を呼んだ享二。妹弟子として認めた瞬間ですね。
高校の進路相談で「落語家になる」と言い放ち、担任の岩清水先生にコテンパンに論破されるあかねw。尾崎(小学校で朱音にぶん殴られていたあいつw)の口添えもあって落語カフェのあかねの一席を観る事になり、あかねの応援にまわる事になります。
その先生から紹介されたのが学生落語選手権大会「可楽杯」。なんと審査委員長は阿良川一生。優勝者は一生との歓談も…。あかねは乗り気です。一生に会って直接聞くのだそうです。
「何でおっ父を破門にしたのか その理由」
志ぐま師匠は可楽杯出場に際してひとつ条件を出します。
「”寿限無“だ その大会“寿限無”で勝ってこい」
…無茶を言います。”寿限無“は話としては相当に簡単で、寿限無くんの名前とその由来を覚えてしまえばやるだけはやれてしまいます。上手く演ずるかどうかは別問題ですが。
「いえっ やれます!! 寿限無でっ 必ず優勝してみせます!!」
あかね宣言します。志ぐま師匠には何か考えがあるんだろう、と。助言を一門の”寺子屋“こぐまに求めます。
「君の言い立ては未だ音だね 言葉に成っていない」
色々文句を言われた末に出た言葉がこれでした。まずは知識を得る…江戸の文化、風土が書かれた本を読む事から始めたあかね。相談した岩清水先生がビブリオフォリア入っててすごい量の関連書籍押し付けられたりw。
なんだかんだで可楽杯当日。優勝候補筆頭の練磨家からし、トップ声優の高良木ひかる等目立つメンバーに混じって、魁生に目を掛けられている、と注目を集めるあかねの姿もありました…。
阿良川一生のモデルは故·立川談志師匠だそうで。やらかしっぷりもその性格も、正しくそのまんまですねw。ならば落語への向き合い方もガチのはずで、自分の好き嫌いだけで志ん太を破門にしたとは思えません。
あとは腹の内をどれだけ晒すか、の話になって来ると思いますが、あかねと対面してもどこまで出してくるか…。あかねのような若手が突っ掛かって来るようにしたい、てのも一生の目的のひとつのような気がしますし。
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