何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!? 7巻

 上杉謙信が米沢を攻める事が確定した…クマが持ち込んだ巻物(ほぼタブレット端末)によって確定情報を把握できる様になった信長。いきなり心折れましたw。それくらい謙信ってぶっちぎりで強かったらしい。天正六年に便所で脳溢血起こして死んでしまうので謙信と信長は直接対決せずに終わるのですが、作中では戦いたがりの謙信が最大のライバル、武田信玄の死に気落ちして身体を壊した…と言った流れが匂わされています。

 その謙信が信忠から信長への書状を見てしまい、東北統一からの天下布武の構想を知ってしまった事が彼に再度火をつける事になった様です。

「然り 夢幻が如き話である なれどそう思っても尚 胸昂りし我がいる―――」

 信長が東北に色気を出した事に端を発するドミノ倒しですねこれは。

 完全に腑抜けた信長を叩き直したのが米沢まで同行した帰蝶でした。

「美濃に戻ろっかな、天下布武とか止めて」

 と呟いたのが運のつき…

「…えっ」

 くそヤベェ表情と共に問い質す帰蝶サン。

 そもそも帰蝶は父、斎藤道三の計略の一環として輿入れした先の夫をブッ殺して対抗勢力の勢いを削ぐ、と言う控え目に言っても信義に悖る策を何度か実行しており、信長も寝所で刺し殺すつもりでいました。

 ですが信長が苦し紛れに言った「天下を捕る者になる!!」が帰蝶に響き、様子を見る事になり今に至るようです。…てか現在を見る限り帰蝶サン信長にベタ惚れなんですがw。わからないモンですね男女の仲は。

 立ち直った信長は巻物の機能で二年半後を見に行く事に。…つまり謙信が攻めてきた…それも米沢占領されて謙信の前に引っ立てられてる状態にw。流石にもうちょっと場面選べw。

 ここでもお遥は助けに乱入しますが(今度は喜多に師事してくのいち風)、それでどうにかなる状況ではありません。

 謙信はもうほとんど信長に興味がありません。最後に信長に一騎討ちを挑みます。

「今際くらい楽しませてみよ 我と闘え」

代わりに自分が戦う、と名乗りを上げるお遥。とにかくお遥を死なせたくない信長は満身創痍の長可をけしかけようとします。

「よォォォォッし行きゃァ長可ィ!砕け散るまで闘えやオォ!?」

「長可が死んだら喜多に交代じゃ!」

 さらに小十郎や城内に残っている兵も戦う、と(一騎討ち…)。最後に自分は厠に行くからお遥に共をしろ!…もしかしなくても逃げる気満々…。

 お遥にゴミを見るような目で見られ、その理由が理解できないままに信長は謙信に首を斬られてもしまいます…。

 これだけベタ惚れされている帰蝶を「めんどくせー女」としか思っていなかったり、お遥が慕ってくれてる理由がいまいち分かっていなかったり、信長は人間の根本的なところが分かっていないキャラクターとされている様ですね。実際の信長はそんな事ないと思いますが…「燃えるんじゃが」の信長の最後の問題点がここになるんじゃないでしょうか。関係する者たちの心をケアする事で歴史が修正されていく、とか。謙信にも武力で対抗するのはほぼ無理と分かったので、精神方面から何か仕掛けるんじゃないかな~。

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