「バキ」を描くのに夢枕獏先生を引っ張って来ました「ゆうえんち」です。少年チャンピオン誌上で小説連載したものを更にコミカライズ…という凄いあっちこっち行ってる感じですが、もう絶対面白い事確定の組み合わせですw。
最凶死刑囚の一人“空師”柳龍光。”地上最強の生物“範馬勇次郎に顎を吹き飛ばされ、監獄に再収監されている彼が最初に捕らえられた時の話。それが本作「ゆうえんち」です。
遡ること柳再収監から5年。あるスクラップ置場から話は始まります。プロレスラー3人と相対するのは黒い漢…。
「髪も皮膚も服も靴も おそらくは下着も 吐き出す息までも黒く見える」
レスラーの一人が聞きます。
「久我重明さんだろあんた?」
「ああ」
吹き出しまで黒いですw。獏先生作「獅子の門」「餓狼伝」のキャラクター、暗器の重明ですね。
レスラーたちは極東プロレス…マウント斗馬の門下を離れたゴブリン春日を社長とする、あまり行状が宜しくない会社の所属です。
ヤクザの上がりの取り分を賭けての代理戦争。久我の周りを囲んで、ひっぺがした自動車のドアを弄んで投げつける3人。「ヘイヘイダンス」と称するその動き、しかし久我は投げつけられたドアを回転するまま蹴りあげた足の上で保持…まるで皿回しのように。
凄まじい技量です。3人相手でも暗器や禁じ手を駆使して危なげなくあしらっていく久我。3人が動かなくなった頃、久我に向かって突進して来る自動車!とっさに避けた久我を再度襲う自動車に立ち塞がる人影!
「ありがとう久我さん 勉強になったよ お礼にこいつは俺が引き受けるッ」
自動車に前回し蹴りを放ってコントロールを失わせ、スクラップに突っ込ませて止めます。何事もなかったかの様に立つ彼に
「お前は誰だ小僧」問いかける久我。
「葛城無門」
名乗った彼こそがこの作品の主人公。少女のような顔に菩薩像のような滑らかなボディ、しかし車から降りて来た「極東プロレスの用心棒」町田隼人と組み合って競り負けない筋力を発揮する…。投げられても車のドアで殴られても勢いを殺して止めてしまう受けの天才。それが葛城無門です。
町田の意識を刈り取った技…両側頭に手を添えてわずかな時間差で衝撃を与え、強制的に脳を揺らす…を見た久我は
「須久根流 無寸雷神 誰に教わった?」
「それ答えたら教えてくれる?」
「…何をだ」
「“ゆうえんち”がどこにあるのかを」
この戦いの一部始終を監視カメラを通じて見守る少年がいました。おそらくは素手で自然石を丸く加工する修行”打岩“で作り出したであろう丸岩に座るその少年。
「ねぇ先生…次の開園もうすぐだよね」
“ゆうえんち”の詳細を知っているであろう発言をする少年。指で石を削って無門の顔を作ります。
「楽しみだなぁ ねぇ無門クン」
…この葛城無門、かの”空手の完成形“愚地克己の兄である様です。克己がサーカスから愚地独歩に引き取られる少し前にサーカスを抜けたらしい。
神心会100万人を動員して無門を探し始める独歩と、地下格闘場とも違う裏格闘イベント“ゆうえんち”の手がかりを求める無門。リミッターの飛んだ人々が集まり始めて1巻は終わります。
獏ワールドと板垣ワールドが繋がるとかワクワクが止まりませんが、問題は獏作品って結構繋がってるので、「魔獣狩り」とか「キマイラ」とかともワンチャン繋がってしまう事ですねw。気とか妖怪とかが存在してしまうw。勇次郎が真壁雲斎に接触とかしない限りは大丈夫でしょうがw。
ネタはさておき、小説版は目を通さずにいたので新鮮な目で本作を楽しんでいます。柳の参戦はいつになるのか、更にはあのマスター国松も参戦するらしいので空道師弟対決なんかもあるだろうと期待してます。
月イチ連載はつらいですよ!!w
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