今川の家督争いも大事ですが、新九郎は自領荏原も気にかけねばなりません。荏原に戻った新九郎、数年続きの凶作で金策に困り果てて西荏原の盛景に相談に向かいます。結局歓迎の酒宴となり…盛頼の妻となったつると再会します。これだけでも新九郎くん相当居ずらいですが、更につるの子、千々代丸が新九郎そっくりで…やべぇw。
盛頼には先妻の子が既におり、千々代に西荏原を継ぐ目はありません。
「それならばいっそのこと――那須修理亮の家督にできぬものかと」
…つるさん我が子の為に那須家を乗っ取るつもりです。新九郎と駆け回っていた頃とは別人のような変貌です。これが母か。
盛景の言う凶作の対処法とは、要するに年貢をちょろまかす事でした。通常時に少しづつ年貢米を抜いて備蓄に回し、凶作時に放出する…。東荏原でもほぼ同じ事をやっていました。やらなければ凶作時には餓死者も出る、領民の逃亡や一揆に発展する可能性すら…。清廉潔白でありたい新九郎には認められない事ですが、必要悪というやつでしょう。
心揺れる新九郎にひとついいことがありました。那須家秘蔵の頼朝公の下文を見せてもらえる事になったのです。念願かなって目にした下文は…
「字が 下手だ…」
頼朝は都育ちの教養人で文字を書くのは得意だったはず…要するに偽物疑惑濃厚。当然そんな事那須家では口に出来ず、「あんな物を作ってまで守り抜きたい物があるということか…」と家督と言うものの重さを改めて感じる事に。
京に戻ってみれば伊都さんが今川家の雑掌(地元と都の政治的連絡役)と仲違いして、ますます龍王に不利な状況になっていたりw。
太田道灌が破竹の勢いで関東を席巻し、駿河に後顧の憂いなく干渉して来れるようになるのもそう遠い話ではなく、なにか龍王側に決め手が欲しいところです。
京の伊勢邸に盛頼が訪ねて来たタイミングで貞宗が連れてきたのが小笠原政清。御所義尚の弓馬指導役であり、現在まで続く礼法の名家、小笠原家の当主です。
酒の席で例の下文の話になり、これが後世の作り物であろうする理由を訥々と話す新九郎。いちいち納得する小笠原。辞する時に貞宗に「もったいない」とこぼします。
「新九郎殿はすぐにでもお役目につけるべきですぞ」
すごい買われてます新九郎。後にこの政清の娘が新九郎の正室になるらしいのですが…。
残った4人での飲み直しの場で新九郎がつい言ってしまった言葉が
「いっそのこと那須の下文みたいに上総介殿の譲状 作っちゃいますか」
「それだっ!!」乗ってしまう3人w。
最終的に伊都まで乗り気になってしまって、新九郎が譲状を偽造する事にw。
一応花押などもそっくりに書き、幕府に提出したは良いのですが…処理が進まないw。
可能な限りの引き延ばし策を展開する新九郎陣営ですが、全ては大御所義政の胸ひとつ。その義政は体調が思わしくなく、床に伏せっていたのですが、ある夜父普広院こと義教の夢を見ます。と言ってもここまでの失策をさんざんなじられるだけだったのですが。
…こう言う夢を見るという事は、大御所様自分の治世がうまく行っていない事を感じると共に、その事に忸怩たる思いもあったと言う事ですね。最初から無気力だった訳じゃないんですね。これが今川義忠なんかだと、何も考えてないのでそもそも罪悪感とかの類いは抱かないのでしょうがw。
ともかくこれを切っ掛けに父の事蹟をひっくり返した義政。駿河今川家に関する記述を見つけ、今川家相続問題の審理を始める事になります。提出された今川上総介の譲状なるものが本物であるかどうか徹底的に調べろ、と…。
新九郎一世一代のイカサマが果たしてどこまで通用するのか?将軍の勝手に翻弄されまくる新九郎の明日はどっちだw。
コメントを残す