異世界の歩き方 エルフと社畜のモンスターツアーズ 1巻

 ブラック企業に使い倒されて過労死からの異世界転生…してみたら転生先もブラックでした!…という実は割とよくある設定なんですが、その企業が旅行代理店という事で効率的な異世界ガイドとして成立しました「異世界の歩き方 エルフと社畜のモンスターツアーズ」です。

 突然血を吐いて死んでしまった宮下吾郎(ストレス性の胃潰瘍かなんかですかね…御愁傷様)。よくあるパターンで死後に女神様が現れるのですが…

「何やら『転生モノ』ってのが流行りなんだろ?『不慮の死を遂げた者を異世界にご招待!』みたいな」

「これは面白い!私もやってみよう!ってことで適当な人間を探してたらさ ちょうどお前が血を吐いて死にかけてたわけ」

「顔見たら未練タラタラだし他に探すのも面倒だったし もうこいつでいいかって」

 …こいつ邪神じゃね?

 これを承諾した吾郎…ゴローが転生特典で求めたのが

「とにかく『強くて丈夫な体』をください どれだけ無茶苦茶働いても絶対に死なないくらいの!」

 …社畜気質が抜けてないですねw。で、異世界に放り出され…言葉が通じないw。ゴローくんいきなり軍にとっつかまって強制労働です。…やっぱりあいつ邪神だろ。

 ゴローに翻訳魔法をかけ、買い取ったのがエルフのミュシカ。彼女が長寿命にあかせて調査しまくり積み上げた実績とコネで通常ならとても入れないところへのツアーを組む「ミュシカトラベル」を立ち上げ、その護衛としてゴローを必要としたのです。

 圧倒的なフィジカルと再生能力を得たゴローは正しく最強の護衛となります。

 巨人兵ゴリアテに剣を振らせる為の囮にさせられたり、竜を操る為の針を逆鱗に差すのに特攻させられたり、触ると凍りついてしまう氷柱に何も言わずに触らされたり…どっちかと言うと鉄砲玉だなコレw。

 しかもツアー客を護ろうとして戦ってもツアーの邪魔と判断されれば容赦なくミュシカにブッ飛ばされる…ひでぇ職場だ。

 ミュシカの行動にはいちいちちゃんと意味があって、信念もあるので一概にミュシカが悪い、とは言い切れないのですが。

「みんなが見ているのはこの世界のほんの一握りだけ」

「だからこそ旅に出てほしいんだ そうすればきっとーーもっと好きになるよ この世界のことが!」

 ゴローの安全、という要素がミュシカの思考からまるごと抜けているのも事実w。

 転生してもブラック労働から抜けられないゴローくんの未来は…あるのか?w

 どうでもいいですが女神さまの名前がミュトス、って言うんですね。ミュシカと似てない?何かの伏線?

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