ジャンプ+で再開しました藤本タツキ先生の週刊人間の暗部「チェンソーマン」最新刊です。これでも前作「ファイアパンチ」と比べたらだいぶマイルドになってるんですよ?!
とりあえずの主人公は三鷹アサ。高校の自分のクラスに馴染めずにいた彼女。先生がクラスに鶏ね悪魔を連れて来まして、クラスで飼って3ヶ月後に潰して食べる…と言う企画を始めました。
…よくある「命の大切さを教えたい」系です。人語を解する生物と100日も一緒に過ごして情が移らないわけありません。しかもこの先生、委員長に手をつけていて「鶏を食べない」方向で話を纏めさせる…。だいぶ最低ですな。
クラスで浮いていたアサを絆して溶け込ませようとしたまではいいんですが…いやよくないな。結局担任はアサに手を出したかっただけで、それを察した委員長がアサの足をひっかけて鶏を潰させ、クラスにアサの居場所を無くさせる…。
見栄と欲と情念がてんこ盛りのクソみたいな状況ですが、ここから更に委員長はアサを殺す為に「正義の悪魔」と契約し、その力を振るい始めます。
「正義の悪魔と契約してわかったの!どうしたら私が田中先生とハッピーエンドを迎えられるか!」
「オマエが死ねばいいんだ!!」
アサが殺されようとする時…いやもう頭千切られてるから死んだ直後ですね。アサに話しかけるモノが。
「生きたいなら体を貰うぞ」
起き上がったアサは担任の頭を引っ掴み…
「田中脊髄剣」
ああ、担任の名前田中でしたね。田中の身体から引き抜いた背骨が剣の様になり…
「我が名は戦争の悪魔!腕鳴らしに殺されてくれ!」
元委員長だったモノをこともなげにぶった斬った「戦争の悪魔」。目的はチェンソーマンに「核兵器」を吐き出させる事。…チェンソーの悪魔が概念ごと食って世界から無くしたモノの中にありましたね、核兵器。
で、チェンソーマンはこの高校に隠れているらしい。デンジって年齢的には確か16歳くらいだったはずだから、高校に混じるのは理に敵ってますね。その為にアサの身体を乗っ取って高校に潜り込み、デビルハンター部に入るつもりらしい。便宜的に「ヨル」と名乗った戦争の悪魔はアサと身体を共有し、デビルハンター部入部の条件「一週間以内に悪魔の死体を持ってこい」を達成する為奮闘する事になります。
同じグループに入れられたユウコと友情を深めていくアサ。待望の悪魔と出会いますが、どうもアサの手に余る相手のようで。…てか、一介の高校生は普通悪魔に対抗とか出来ませんよね?!デビルハンター部ってどうやって成立してんだ?
ヨルは言います。
「ユウコを殺して武器にしろ」
戦争の悪魔の能力は「自分のものを武器にする」事。殺したらその死体は自分のもの判定になる。罪悪感があればあるほど強い武器になる…。ヒデぇ。
結局アサは気を失ったユウコを抱えて逃げる方を選びました。…気も小さいし狡い事もする、自分を守るだけで窮々としている小市民がそれでも何かを護ろうと必死に起こす行動。そこにこそ聖性は宿るのではないでしょうか。
アサの必死の逃亡は実を結びます。なんと余所で戦っていたチェンソーマンとゴキブリの悪魔が乱入して来て、余波でアサを追いかけていた悪魔は潰されてしまいました。プチッとw。
どうもデンジ、自分がチェンソーマンだと世間に知らしめたいらしい。民間デビルハンターの吉田が聞き出したところでは
「だってバレたらよ~!すげーモテちゃうから!」
…バカだ。もう芯からバカですね。第一部で経験した事が何も残ってないw。よしんば正体を知らしめたいにしてもいくらでもやり方はあるだろうに…。生中継の目の前で変身してみせるとか。
ただ、このバカさがデンジの強さの理由のひとつでもありまして…。
追い詰められたゴキブリの悪魔が「それならコレはどうする!?」と掴み上げたのが学生と自動車一台。
「未来のある学生が一人と!車に乗ったジジイババア5人!」
「お前はどっちを助ける!?正義の味方チェンソーマン!」
それぞれ別方向にぶん投げます。最近流行りのトロッコ問題ですね…いや本当は違いますが。いろいろ条件が合ってません。
ともかく、学生を救うか自動車を止めるか、一瞬でも迷っている間に逃げ出す、と言うのがゴキブリの悪魔の算段だったのでしょうがチェンソーマンは全部無視w。ゴキブリの悪魔を両断!
自動車は炎上、学生は死亡。
「ネコもいたよ」
悪魔の後ろで墜落しかけていたネコだけ助かりました。…考えないデンジがチェンソーマンのパワーを迷いなく振るった結果、悪魔にトドメがさせたわけです。
政府としてチェンソーマンを推している節も感じられますね。この事件の報道が
「チェンソーマンがゴキブリの悪魔から猫を救いました」
になってる訳で…人死ににまったく言及していない。チェンソーマンに対するネガティブ報道を規制している感じですね。
なんかいろいろ歪みが潜んでいるようで…マキマさん居なくなってもあんまり状況は好転してないなぁ。
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