ONE PIECE 104巻

 劇場版「FILM RED」の超ヒットの記憶も冷めやらぬ「ONE PIECE」カイドウとの決着がつく104巻です。

 ”焔雲“を出す事でカイドウから鬼ヶ島のコントロールを取り上げようとするモモの助。なかなか雲は出せないのですが20年前、時越えの前の母トキや錦えもんたちを思い出し、ふんばるモモの助。

「母上に…!!合わせる顔がない!!」

 上空で超人的な戦いを繰り広げるルフィとカイドウ。

「世の中はうまくできてる ロジャーが能力者じゃなかったように……!!!覇気だけが!!!全てを凌駕する!!!」

 ニカの能力にも覇気の攻撃は届きます。雷雲の中に飛ばされたルフィはしかし片手はカイドウを離さず、もう片手を覇気を纏った巨大な拳としてカイドウに落とそうと!

「全部終わらせるぞ!!!『鬼ヶ島』が邪魔だ!!!どけろォ!!!」

 モモの助が島を動かせると信じての渾身の一撃です。対してカイドウは全身を炎としてルフィの拳を溶かそうと構えます。

「触らねェ方法ならジジーに習ってんだ!!」

 ヒョウ五郎に習った覇気…流桜を使って正面からぶつかります。

 海楼石の釘が抜け、オロチは燃え尽きようとする体で小紫…日和を巻き添えにしようとします。

「アノ世デ再ビ酌ミ交ワソウゾ!!!ブヒャヒャ」

 「修羅場でごさる…」

 そのオロチの首を一刀の元に斬り捨てたのは…傳ジロー!

 花の都で民たちが飛ばす空船がオーバーラップします。「オロチがいなくなりますように」「この地獄から逃がしてください」その願いは叶い始めました。

 せめぎあうルフィとカイドウ。カイドウの回想。力あるが故に更に大きな力に翻弄された彼の人生。ワノ国を乗っ取り、四皇と呼ばれる様になった頃、彼は言います。

「お前の待つ男と同じなら…キング 俺はジョイボーイが誰だかわかった」

 雷ぞうとジンベエの術でゾウの水が鬼ヶ島内を駆け巡ります。生き残った者たちが炎に巻かれる事はもうありません。

 カイドウに余裕がなくなったのかついに焔雲が消えます。落ち始める鬼ヶ島。

「お前が一体どんな世界を作れる!!?麦わらァ~~~!!!」

 「……!!おれは…」

 モモの助がついに焔雲を出し、鬼ヶ島を支えます。

「友達(ダチ)が……!!!腹一杯!!!」

 カイドウが押し負け始めます。

「メシを食える~~~!!!」

 振り切られる拳。

「世界!!!!」

 落とされるカイドウ。そのまま地の底へ沈められて行きます。

 カイドウの言うジョイボーイとは誰なのか。

「この先おれを倒した男だ!!!」

 キングは「じゃあ現れそうにないな…」と笑いました。

 「こわいりゅうをやっつけて」空船が浮かぶ中、鬼ヶ島は花の都を逸れて郊外へ軟着陸。へばるモモの助とルフィ。

 鬼ヶ島ドクロドームの戦いーーそして「ワノ国」天上決戦ーー勝者“麦わらのルフィ”!!

 花の都に日和と傳ジローが凱旋です。

「さて話せば長いが…『ワノ国』の新しい『将軍』をお連れしている…!!」

 錦えもんを始め生き残った赤鞘九人男が控える中を歩いてくる偉丈夫。

「父がくれた拙者の名は”天下無敵“の意味をもつ!!拙者がひきいたこの国は かれた大地も『桃源郷』に変えるだろう!!!」

「20年の時をこえ!皆を救いにやってきた!!これより拙者『光月モモの助』が!!!『ワノ国』を統治いたす!!!」

 竜から人の姿にもどったモモの助は父おでんに生き写し。中身はまだまだ子供のままですが、人々はその姿にワノ国の解放を実感しるのでした。

 四皇の内二人が堕ちる!この報に海軍と世界政府はひっくり返らんばかりの大騒ぎです。まず最悪の世代の3人、ルフィ、ロー、キッドの懸賞金がそれぞれ30億ベリーにアップ!

 更に新四皇にルフィが名を連ねます。

 赤髪のシャンクス

 麦わらのルフィ

 “黒ひげ”ティーチ

 千両道化のバギー

 これが新しい四皇!…ってしれっとバギーが入っている!おいしいところを逃さないなバギー船長w。

 この四皇入りしたばかりのタイミングを狙って大将緑牛がワノ国に現れます。モリモリの実の”森人間“の力で暴れますが、モモの助たちは麦わら海賊団の力を借りずに対抗。最後はシャンクスの覇気を感じた緑牛が退く形になりましたが、ワノ国は自らの力だけでやっていける事を示したのでした。

「なァベック そろそろ奪りに行こうか “ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”」

 いろいろ知っているであろうシャンクスが本格的にワンピース争奪戦に参加するようです。ロビンはワノ国で3つ目のロードポーネグリフを発見。古代兵器「プルトン」もここにあるらしい。

 カイドウが墜ちて一気にいろいろな勢力が動き出しました。世界が変わる、その様子が克明に描写されているのは良いですね。歴史の転換点に立ち会っている感覚が味わえています。

 単行本収録分より少し先の話と「FILM RED」も合わせて見ると、ルフィの「海賊王に俺はなる」は目的ではなく「手段」である事がわかります。また戦う能力がある者にとってはこの世界は楽しいでしょうが、戦う力のない大半の人々にとっては踏みにじられるだけの地獄であろう事も。

 それをどうにかする「新時代」をルフィとウタが誓ったのであろう事も。20年越しでルフィが実は結構ものを考えている事が判明しましたw。ルフィの思い描く新時代とはどんなものなのでしょう?それがいつになるのか、楽しみに待ちましょう。

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