新仮面ライダーSPIRITS 33巻

 バダンの竜は本郷の体内から解放され、一直線に天へ登って行きます。

「そうか…それでオーロラ…」

 ルリ子はその意図に気付いたようです。

「竜がオーロラに辿り着けば 地球全体を絡め取ったオーロラが竜に変異して全人類にバダンシンドロームを発症させる事が出来る」

「まるで神の審判ね ムカつくわ」

 ですが人類もやられるばかりではありません。そう、ライダーがいます!

 変身時のポーズで気合いを入れる一号二号、V3。

「竜が飛び立つ瞬間…その視覚を通じて見えたものがある ボロボロに崩れかけた大首領の姿」

 マーキュリー回路を全開にするX、ギギの腕輪の力を解放するアマゾン、電流を迸らせるストロンガー。

「おそらくは…地球環境の変質による大首領へのダメージは既に始まっていた」

「それは地殻、気象、生物からの反射現象となり その肉体を蝕み続けている」

 ライダーマン·結城丈二がパワーを溜めつつ分析します。つまり今がチャンス!

「沖さん 作戦開始の状況は?」

 「……スタンバイ…OKです」

 途切れながらも軌道上のスーパー1から返ってくる返事。

 オペレーション ライダーシンドローム開始!地上のライダーたちが一斉に信号を送信します。

 しかし宇宙ではスーパー1は銀河王にうばわれたファイブハンドをハッキングで操ってなんとか銀河王を抑え込んでいる状態。自身が乗っ取られそうになりながらもレーダーハンドのロケットを飛ばし、ギリギリで信号を衛星に繋げました。

 しかし地球全域に届かせようと思えば出力は弱い。全力を振り絞るライダーたち。スーパー1は特にタスク多くて…。

「キサマのスペックで俺の神経回路にここまで介入するという事は 自らが攻撃する事はおろか 完全なる無防備」

 スーパー1本体に攻撃を加えようとする銀河王。

「その時の為に俺は来たんだぜ」

 割って入ったのはスカイライダー!隙をついたスカイキック一閃、銀河王は粉々に。ファイブハンドはスーパー1の元に戻ります。

 二人も発信に加わり、衛星ラケシスを起動…が、その瞬間ラケシスは自爆。本体が破壊される前に意識を衛星アトロポスにダウンロードしていた銀河王がラケシスに自爆命令を出していました。スーパー1が電脳空間内で追跡しますが銀河王はアトロポスをも破壊して逃亡。ライダーシンドロームは失敗です…。

「ウゥム そうか…我に従うか…」

 JUDOのダメージは回復しつつありました。地球が大首領に屈服し始めているのでしょうか。

 そしてついに地球を覆う竜。バダンシンドロームが世界規模で発生し、人々が次々生命を断って行きます。SPIRITS隊員にも影響が出始める大混乱。阿修羅谷に姿を現したJUDOはすっかり傷もふさがった状態。絶望的な状況ですが、ダブルライダーは果敢にJUDOに攻撃を…。ですがその光景をモニターで見るルリ子たちと現地に駆けつけた滝、ライダーマンは異様な表情…。

 JUDOの目の前で一号と二号が血みどろで戦っています!

「完全な目覚めとはいかなかったが…感覚の支配もまた面白い」

 本郷と一文字がJUDOに手玉に取られている…。他のライダーも無限に湧き出してくる戦闘員に押されぎみです。ライダーシンドロームでの消耗が効いてますね。

 決着を着けようと飛ぶ二人。その間に滝が割って入ります。ライダーパンチに挟まれて砕ける髑髏ヘルメット!

「喧嘩…やめろって馬鹿クセェ おやっさんにドヤされちまう…」

 「た…」「滝…!」

 流石にこれで正気に戻るダブルライダー。逆に至近距離でバダンシンドロームを喰らった滝は意識を失い…。

 対抗手段を全て失ったかと思われたその時、JUDOの背中を割る黒い影!JUDOの体内が牢獄の空間に繋がっていると看破したライダーマン結城が、帰り道の目印としてパワーアームの破片に波動を送り続けていたのです。

「…やっと 気付いてくれたか」

 影から現れたのはヘルダイバーと三影!続いてJUDOの背中を裂いて出てきた影は…!

 全員が繋いだ光が最後の影を呼び出しました。ついに戻ったZXはJUDOに対抗しうるのでしょうか。

 銀河王がまだ再起の可能性があったり、さりげなくニードルが健在だったり、まだ仕掛けを残している気もしますが…。JUDOに絡むには力不足のような。どうする?

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