おたがね¥~オタがため カネはなる~ 1巻

 己の趣味に全力で打ち込む人種、オタク。それはそれは楽しい生き方なんですが、ときどきフッと思ってしまう。

「私の人生これでいいのだろうか?」

 これを妄想番長やらめがねっ娘教団やら言ってた小野寺浩二先生が言い出したからさあ大変。この人だけは正気に帰ってはいけなかったのに!w

 ただ現実に年食ったオタクが増えているのも事実。単純に入ったカネを全て使ってしまうオタク共に老後の蓄え、という考え方を叩き込む事は必要なのかもしれません。

 小日向明44才。姪の五十嵐時子が東京の大学に進学するにあたり、引っ越しの前乗りで叔父の小日向のマンションに一泊する事に。

「トキちゃん 今からウチで見る事は全て見なかった事にしてくれ いいね?」

 …小日向の部屋はマンガ、フィギュア、プラモデル、おもちゃで足の踏み場もない!紛れもない全方位オタクの部屋!

「幼いころから私を慕ってくれたトキちゃんだから だからあえて全てを見せた」

「自分の趣味に迷いはない が 時々我に返ることがある」

「44歳のおっさんがキュアプリを見てニヤニヤしていていいのだろうか? いい大人がこんな事していていいのだろうか? ちゃんとした『いい大人』にならなきゃダメなんじゃないのか?」

「私の人生これでいいのだろうか?」

 …気づいてしまいましたかw。むしろ44まで気づかなかったのがすげぇ。

 小日向さん、いわゆる隠れオタで、会社の同僚とは距離を取っているそうで。つまり友達がいないw。小日向さんとしてはオタばれしないようにオタクを受け入れてくれる女性と出会いたい、あわよくば結婚したい…。

「そして 幸せになりたい!」

 その為にトキちゃんに人生のアドバイザーになってもらいたい!…自分の年の半分も行ってない子に何を言っているんでしょうかこの人はw。

「でもね 私の人生 何かが欠けているような気がしてならないんだ それはこの薬指にはまるものなのかも知れない」

「私はね 私の人生これでいいのだ!と胸張って言えるようなちゃんとした大人になりたいんだ」

 小野寺先生の主人公はしょうもない事をカッコよく言うのが得意です。魂の師匠、島本和彦先生と通じる部分ですね。上のセリフも翻訳すると「女の人とイチャイチャしたい」ですからw。

 で、成り行きで小日向さんの部下、柳田さんに(トキちゃんのサポート付きで)アタックする事になったのですが、モーションかける前に…

「私 この度結婚することになりました」

 …えー、告白前で良かったですよ。ちょっと順番狂ってたら目も当てられない(真顔)。

 涙を堪える小日向さん、横でトキちゃんの携帯が鳴って…お母さんから

「時子が引っ越すマンション 火事で全焼しちゃったって!!」

 トキちゃんはしばらく小日向さんのオタ部屋で暮らす事になりました…。

 居住スペースを確保する為に断捨離しようとしてほとんど出来なかったり、結婚資金を貯めようとして貯蓄の説明の第一段階で挫折したり(NISAとかiDeCoの段階w)、彼女の前に友人を作ろうとして大山田さん(妻帯者の限界オタクw)と友達になったり。

 プラカフェ店長の薦めで(もうそれはプロにおまかせしてしまえ)結婚相談所に登録する運びとなった小日向さん。それもアニメショップ「ねこのあな」が主催するオタク専門結婚相談所「ねこ婚」!…これホントにあります。「とらのあな」のオタク用結婚相談所「とら婚」。アドバイザーもオタクだから安心、という安心なのか不安なのかよく分からないアオリも付いてます。

 とりあえず「ねこ婚」で小日向さんに付いたのはライダーオタの山白さん。一々「邪面ライダー」に例えてくれるので非常にわかりやすい。あぁ、こうなるんならいいかなぁ。普通にオタ話したいw。

「小日向様 婚活は戦いです そしてライダーです」

「オタク同士の自分の夢をかけての真剣勝負!それがオタ婚なのです!小日向様 あなたに戦う覚悟がありますか?もしも覚悟がないのならば…」

 …すいません、厳しいっすわこの人…。

「覚悟なんてないですよ」

「ライダーだってみんな突然ベルトを託される 戦う覚悟もないままに」

「本当の覚悟とは 戦いの中で見つけるもの!そして私は戦いに来た!こんな私を信じてくれる人のため 己のイチャイチャな未来を手に入れるため!私は戦う!変身!!」

 カッコよくカッコわるい事を宣言して山白さんと魂の同調を見せた小日向さん。改めて婚活に立ち向かう決意をします。入会金を払ってw。

 ぶっちゃけトキちゃんが大分オタ嫁としての適性が高いのですが、流石に40代のおっさんが姪とゴールインはヤバいよなぁw。

 小日向さんのオタ婚の行方も気になりますが、オタク拗らせて年取ってる連中の生態も楽しく見させてもらってます。なかんずく一般社会との折り合いはつけて生きていきたいものですね。他人事じゃないですし…。

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