LOCKE THE SUPERMAN

 去る10月、聖悠紀先生が亡くなっていた事が発表されました。ここのところ「超人ロック」が何処にも掲載されてないな~、とは思っていたのですが、まさか亡くなったとは思っていませんでした…。享年72歳という事で年齢的には仕方ない面もありますが、最近の連載分を見ても「ネットのアバターでしか他人に会わない引きこもり」(理由はあるんですが)なんて出してきて、新しいネタも積極的に収集されている姿勢に感心していました。

「TWD EXPRESS」「ファルコン50」「ラスト·ウィザード」等代表作は多数ありますが、やはり「超人ロック」に言及せざるを得ませんね。現在創作で表現されてる超能力はほぼここが発祥と言って間違いないかと思います。光るエネルギー弾、無から有を生み出す物質創造、エネルギー吸収ボール、光の剣に生命の危機に現れる第2段階…。そもそも一番最初に登場した姿がライザ(女性)でしたからw。1960年代でマトリクスチェンジによる変身の概念を持っていた事になります。

 他にも人間が発する熱で周囲が溶け始める、とか建物や岩塊が崩れて浮き上がっていく描写とか…。横山光輝先生の「バビル2世」が71年なので「ロック」の方が早いんですね。横山先生が聖先生に影響を受けたかどうかはわかりませんが、聖先生が超能力方面のパイオニアである事は間違いないと思います。

 ここから平井和正先生の「幻魔大戦」に繋がったり、更にリアリティ方面に振った大友克洋先生の「AKIRA」に繋がったりしたのですね。

 また「ロック」と言えば銀河を又に掛けた大河ドラマな面もあります。ロック本人が自身を定期的に若返らせる…事実上の不老不死を実現しているので、ロックを傍観者にしたり狂言回しにしたりで銀河系の人類史を描き出していました。てか替え玉とはいえ一時銀河帝国の皇帝までやってましたからね、ロックw。

 ハント探偵の行く末とかネオラフノールの顛末とか見たい話はたくさんあったのですが…惜しい方を亡くしました。きっと向こうでは石川賢先生辺りと宇宙の命運を賭けたバトルを繰り広げているに違いありませんw。

 改めて、聖悠紀先生のご冥福をお祈りいたします。 合掌。