だんだん何がやりたいのか分かって来ました「劇光仮面」2巻目です。帝工大元特美研部室の前で、現役コスプレサークルの少女に説明する形で話が進んで行きます。
本筋と関係ありませんが、真理が着装する「ベーアサーダ」、モチーフ阿部定ですよね確実に。男をカニ挟みにしてぶち切るとか…ギリギリだなぁw。若先生しかやりませんよこんなのw。
ヒーローになる…現実的な意味で、存在しうる形でヒーローになる。その為にレスキュー部隊並みに身体を鍛え、実用に耐えるスーツを作る。
「ヒーローはいます!あなたやわたしの中にも!」
中野が着装した「壁人キボーガー」はちょっとした行き違いからアメフト部のラインマンとぶちかましあいの勝負をする事に…いや実相寺が明確に挑発しました。キボーガーの実働試験の為に…大概ヤバいなこいつ。
アシストスーツまで仕込んでいるキボーガーはアメフト男をリフトアップ。
「キボーガー·オーバー·ヘッド·ドライブの体勢!!」
無線ヘルメットをかぶっている指示役実相寺が叫ぶ。頭越しに相手を投げ飛ばす技。アメフト男は大怪我でしょう。投げる直前、さすがに実相寺も止めますがキボーガーからの反応はなし。静止した中野は不思議な体験をしていました。
「だけど大谷君をリフトして、あとは投げるだけってなった時 スーツの中で僕は真っ白な光に包まれた!劇(はげ)しい光だったよ」
キボーガーそのものになった、と述懐する中野にロボになったのなら尚更投げ捨てるだろう、と突っ込む真理。
「本物のキボーガーだから投げなかったんじゃないか!」
キボーガーはデモ鎮圧用に作られたにも関わらず人間を蹂躙することはない。それこそがキボーガーの個性であり人格である…中野の心がキボーガーの人格に満たされたからこそ人間を投擲しなかった。
この「ヒーローとの人格的一体化現象」を彼らは「劇光」と呼び、その体験を追い求めて行く事になります。
そして未だ「劇光」を体験していない実相寺が「劇光」を求めるあまり、悲劇を起こしてしまいます。
河川敷に集まる行き場のない少年たちの行きすぎたいじめを静止するため、ミカドヴェヒターの劇光服で乗り込んだ実相寺。念願の「劇しい光」を見る事が出来ましたが、抜刀加速用の圧縮空気を使用したバックルが誤作動。加害者の少年Aの眼球を抉る形に…。
一連の事件は実相寺による傷害事件として立件されました。特美研が社会的に抹殺されたのはこの時です。いじめの被害者「ユキポン」が証言してくれれば状況は変わったのでしょうが、彼はいじめられてはいなかった、と否定します。Aに脅されているだけだ、といきり立つ特美研メンバーを実相寺は宥めます。
「イジメられてもイジメられたなんて告げ口しない。僕はそういう子供だった。他人がどう思っていても自分はそうは思わない。そういう小さな”誇り“ってあるんだ」
「僕は少年Aの光を奪った。ユキポンの誇りまで奪いたくないんだ」
無理にユキポンに証言を求めなかった実相寺の裁判は実相寺不利のまま進みます。
「見てみぬふりをしたくなかった」と静かに宣言する実相寺。判決は執行猶予つきの懲役実刑判決でした。正しい事を貫いた代償は非常に大きなものでした…。
特美研はバラバラになり、切通の葬儀に唯一ネビュラブッディのスーツを着て来てくれたいちるも「プロポーズされている」と…。
かつての仲間たちは現実に回帰し、ひとり残った実相寺に残っているのは前科と賠償金の支払い義務。ヒーローを貫く事の割りの合わなさを嫌と言うほど見せつけられ…しかし最後に何だか不気味な、これまでと違う展開が入って終わります。
頑ななまでにヒーローに拘り続ける実相寺に対して世間の風は冷たい。…というのを2巻かけてたっぷり描いてきたわけですが、更にこの後コスプレしてストリートファイト…という話が出て来て少し方向性が変わってきます。そこに加えて「鉄のブドウ」ですから…。
すみません、最初に「何がやりたいのか分かって来ました」とか言いましたが、この先はやっぱり分かりませんw 。追いかけるしかないw。
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