終末のワルキューレ 17巻

 ラグナロクも折り返しを過ぎた第8回戦。神側の戦士はベルゼブブ!サタンに呪われし者と呼ばれ、神々から忌み嫌われる存在である彼。ベルゼブブが愛するものは全てサタンによって命を奪われてしまう。ルシファー、アザゼル、サマエル、リリス…。彼らを殺していたのはベルゼブブ本人でした。

 愛が極限まで高まった瞬間、ベルゼブブは愛するものを壊してしまう。

「サタンは…僕だ」

 絶望したベルゼブブは自らの破滅を望みます。

「はやく…僕を…殺してくれ…できるだけ…残虐に…そして醜悪に――…」

 対して電磁カタパルトで派手に打ち出されて来たのは…。

「人類史上唯一の魔法使い――ニコラ·テスラァァァァ!!」

 「君が蝿の王か…なるほど…文献とはずいぶん違うな…うん!!これは素晴らしい研究(闘い)になりそうだね」

 クッソ明るく科学の進歩と創造を謳うテスラ。…どっちかと言うと躁病と言った方がいいなコレ。

「どうでもいいけど――さっさと殺り合おうよ」

 クッソテンション低いベルゼブブ。また対照的なのが闘う事になったなw。

 ベルゼブブの握る杖が刺さった床からヒビが走り、間一髪回避したテスラの後ろにあった柱が粉々に…まさに魔法のような一撃!

「…『魔法』?No Non Nein これは魔法などではない 『科学』だ」

 テスラはベルゼブブの攻撃が“振動”を利用したものである事を即座に見抜きます。曰く

”悪魔の羽ばたき(パルミュラ)“

 「では次は――人類の科学の番だ!」

 電気を纏ったテスラの拳は一撃ごとに地面を抉る!戦乙女ゲンドゥルのエネルギーを超高電圧に変換、拳に集中して一気に放出…名付けて“プラズマパルスパンチ”!略してPPP!

 キュリー夫人あたりにはダセぇw、とか言われちゃってますが威力は折り紙付き…ですがベルゼブブの杖から発する障壁に阻まれ…。

 地獄の門扉(ソラト·サメク)!

 ベルゼブブの振動は右手では防御、左手では攻撃に特化した効果を出すようになっていたのです。そしてその攻撃!

 暴食の堕天使(ソラト·ヴァウ)!

 テスラはPPPで迎撃しますが打ち消しきれず負傷…するも全く気にせずw

「素晴らしい!!」

「手刀の時より威力が数倍にも増加していたぞ?面白いなぁ」

 相手にせずに止めを刺そうとするベルゼブブ。

「No Ne Nein 傲慢だな…神よ『現在はキミたちのものかも知れないが 未来は我らのものだ』」

「そろそろ…”満ちた“ようだ」

 全開の電撃を放つテスラ!戦場に帯電する電気と反応し、電気の檻のようなものが完成します。

「ようこそ…神々の監獄へ」

 わずかに地面から浮かび上がるテスラ。…イオノクラフト効果ってやつですかね?

「…監獄?」

「この一辺9.63mの世界では 神は君じゃない…私だ」

 奇しくも第3回戦と真逆の立ち位置となっています。人類側全員に嫌われていたジャックに対して驚異の陽キャのテスラ。神側認めぬ者のない大英雄ヘラクレスに対しサタン憑きで嫌われもののベルゼブブ…。とするとここはベルゼブブが勝利して星を五分に戻す…と言う予想も立ちますが…さて?

コメントを残す