戦奏教室 2巻

 枝憑きたちを纏める分隊長の役割を半ば押し付けられてしまったリュカ。遠征を行う事になりましたが…。

「枝憑き分隊の仲間たちと…親睦を深めてもらいたいんだ」

 塔下からの命令ですw。隊長として部下の信頼を得るのは大事な事ではありますね。

 メンバーは以前面識のあるデミ、ゾーイ、ミウラの他に…

·木箱くらいのものを手を触れずに動かす事ができるポピー。クソ弱メンタル。

·不死身のオスカー。塔下に忠誠を誓っている。従わないヤツは殺しにかかるw。

·傷を自分から他人、他人から自分に自由に移せるコーラ。痛い事が好き…ドM?

 …めんどくさいのばっかりですが、それぞれ命令に従えば強力な味方になります。ストレートに使えるオスカーとコーラは勿論、ポピーの能力も効果範囲が広いので、発射した後の矢の軌道を修正できます。つまり百発百中のスナイパー。

 途中で潜んでいた帝国兵も彼らの能力で難なく退け、目的地カンノーリ城に到着。敵にも枝憑きが複数おり、それはこちらも枝憑きで対処するしかない。具体的にはゾーイに正面に出てもらい、敵の主力の枝憑きと渡り合ってもらう。

 敵方もその辺分かっています。

「急先鋒のあの女さえ始末出来れば俺一人で教皇兵を皆殺しに出来る 逆に俺を負かすほどあの女が強いなら…帝国兵が皆殺しにされる つまりこの戦の趨勢は俺とあの女の決闘如何ってわけだ お前らが無駄に戦って兵力を損耗させる必要はねェんだよ」

 そう言う男は磁力使いの様です。剣や斧を磁力でくっつけて打ち上げ、上でバラして降り注がせる…地面に突き立てた鉄杭をたどる事で回避や高速機動を可能にする、など自分の能力をフル活用しています。

 対してゾーイは素で耐えます。降り注ぐ武器を全部打ち返したり。

 ゾーイの能力は未来の自分から力を借りてくる、というものでした。1日分の力を借りてくれば1日眠ってしまう。…彼女は以前力を使い過ぎ、十年以上眠っていた事がある。現在ゾーイの精神の年齢はおそらく9歳前後…!悲劇の匂いしかしません!

 二人の決闘を背に一般兵の城攻めも始まるのですが、突然城壁が崩れます。投石機の類いはないのに!

 何が何だがわからないまま、枝憑きの力に違いないと見当をつけるリュカ。

「…長弓だ もう一人の枝憑きは長弓隊の中にいる」

 多数の矢の中の一本に破壊的な威力があり…具体的には重さを変える事で着弾時に爆発的な衝撃を与える…というものでした。ポピーの矢で狙撃しますが周りの弓兵が身を挺して庇う。最終的にミウラが直接突っ込み、枝憑き弓兵の身柄をさらってくる事に成功…無茶苦茶です。この無茶が通るのも枝憑きの能力故…とくにリュカの指揮能力あってのものですね。

 ゾーイと磁力使いの戦闘もドローで終わり…いや磁力使いの方がなんとか逃げ出した感じです。

 帝国軍は撤退。戦勝ムードに湧くリュカたち。しかしデミは血相を変えてリュカの元に。

「今すぐ撤退信号を吹け!!この城から全員逃がせ!!」

「…なんで?」

「花冠の攻撃が来る」

 花冠の能力とは、宇宙に浮かぶ石のかけらを地球上の任意の場所に落とす事が出来る…。

 …メテオ·ストライク!RPGなどでときどき出てくる隕石召喚魔法!ほぼゲーム中最強の攻撃とされてるアレです。

 近隣住民と共に避難し、1マイル離れた塹壕に隠れるリュカたち。…隕石は城に直撃。城は勿論、周りの山も森も、人家の類いも全て消滅しました。

「…山はどこだ…」

 この圧倒的な花冠の力に対抗するべく、塔下は”鏡面の枝憑き“を仲間にする、と宣言します。目指すはガリア王国。通称“鏡の国”。

 一緒に戦った兵たちに感謝されたり枝憑きの仲間が出来たりで、リュカがちょっと変わって来ました。

「俺…ずっと世の中クソみてぇなことばっかだと思ってました」

「…だけど、もしかしたら…ひょっとしたら…クソなことばっかじゃねぇのかもって 俺が知らなかっただけでラッパ吹くこと以外にも楽しいこととか価値あることがあるのかもって」

 …「チェンソーマン」のデンジみたいな事言ってます。あっちを見た後だと、リュカもとんでもない落とし穴に落とされるんじゃないか、と勘繰ってしまいます。

 実際、ゾーイも敵がジャガイモに見えてる描写があったりしますし(それで容赦なく戦えているっぽい)、騙されてる感マシマシです。

 塔下絶対額面通りの人物じゃないですよね…。

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