紛争でしたら八田まで 11巻

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 今回百合が向かったのはコロンビア。辺境の農村への支援策の取り纏め。目的地サンタ·セレステ村は長い間左翼ゲリラFNLの支配下にあり、NPO団体などが入り込めない状態だったのですが、ゲリラが政府との和平に応じて武装解除。NPO団体員のヴィトが凍結していたプロジェクトへの参加を申し出たことで百合に依頼が来ました。遠征メンバーは百合とヴィト、そして護衛役のアレハンドラの3人。

 ゲリラと政府の戦闘で国内避難民を出してしまうような状況を何とかしたい、と話すヴィト。道中でシルビオ·エスカミラ…村にいたゲリラの元最高司令官が声をかけて来たり…なんかキナ臭いです。

 村に着くと相変わらず地元メシを楽しむ百合w更にヴィトは子供たちに溶け込んで遊んでたりw。ゲリラが未だ潜んでいると警戒するアレハンドラに百合は答えます。ここは「元」ゲリラの支配地域だった。

「『元』兵士もいるだろうし『元』協力者も多くいるはず だけど彼らは…和平に応じ武装解除を選択した 過去50年の『ビオレンシア(暴力)』では何も改善しない事を体感したから」

 だから無闇に敵視するべきではない、と。

 村長は語ります。ゲリラに子供が参加している家も多い、何もしてくれない中央政府への不信も根深い。

「平和を望んでいても村の困窮は変わらない 結局 今も村を支えるのはこれ(コカ畑)です」

 …コロンビアは世界最大のコカイン生産地。麻薬密輸がゲリラの資金源になっています。コカ畑を潰さなければゲリラと縁は切れない…。シルビオもコカ畑を潰すのは賛成の立場をとりますが、どうもその話をゲリラ残党に聞かれたようで…。

 銃もって乗り込んで来たゲリラを百合のプランチャーwとアレハンドラの活躍で何とか無力化。ですがヴィトが連れ去られてしまいます。

 残党のリーダーはコルテス。シルビオの親友でガチガチの武闘派。政府と和平を結び、組織を合法政党化するときに反発。過激派を連れて離反していました。知性派シルビオはコルテスに理論的根拠など教え込んでおり、抵抗を続けるコルテスに責任を感じて投降を勧めようとしていました。

「俺はコルテスと最後の交渉をしたい」

 コルテスとアマゾン密林地帯での再会と交渉。全員殺す、と宣言するコルテスに、ゲリラを止めないと国軍に殺される、と脅すシルビオ。銃を向けてくるゲリラたち。

「銃が邪魔だコルテス 俺は親友と話しているつもりだ」

 子供の頃からゲリラ活動しかしていない者たちに山を降りろ、国を一望しよう、と語りかけるシルビオ。

「消えろ 殺さず帰してやる 政治家として暗殺されるがいい」

 毒を抜かれてヴィトを解放し、帰ろうとするコルテス。

 その瞬間、コルテスを銃撃しようとするアレハンドラ!百合がサブミッションで腕を固めてw事なきを得ましたが。

 アレハンドラは非合法武装組織「自警団」のメンバーでした。目的はコルテスの暗殺。彼女の父はゲリラに誘拐、殺害されていました。その実行犯こそコルテス!

 隙をついてアレハンドラが投げたナイフはコルテス…をかばったヴィトの胸に!

 …胸に抱えてたアメコミで軌道が逸れて致命傷は避けましたがw。冗談みたいな助かり方ですね。

 政府、左翼ゲリラ、右翼自警団。奇しくもコロンビアで泥沼の戦いを続けている三つ巴の戦力の典型のような三者が絡み合い…

「今はもう終わりのない暴力の連鎖を実感した 今から先は選択できる」

 さあここから百合の出番です。コカ栽培を潰す為、代替作物…例えばカカオ、コーヒー、ゴムなどに転換を進める。

 更に教育推進…というか識字率上昇を目指し、コミックや大衆文芸の出版、頒布を進める。ヴィトが首都ボゴダで出版社を始める、という話になりました。

「…気の長い話だな」

 コルテス心動いてます。

「暴力の連鎖を経た俺たちは辛抱強く向き合えると思わんか?コルテス」

 シルビオの言葉を自分の言葉にして考えたい、と森に消えていくコルテス。そこには確かに前向きな何かが残っていました。

 ゲリラがいなくなる…かどうかは分かりませんが、殺し合うよりも助け合う方がきっと正しい。その為の努力は必ず良いものを作り上げると信じたいですね。

 百合の次の任地はスイス。「自殺幇助」をしている、というホテルの噂の真実を突き止める依頼です。

 おまけは田先生デビュー作「定時退社でライフルシュート」収録です。人生うまくいってないお姉さんがエアライフルに打ち込む話。ライフルやったから全てうまく行く、とはならない辺り、利害関係が絡むので完全なハッピーエンドはほぼない「八田まで」に通じるものがありますね。

 しかし大麻合法化案の話は聞いた事ありましたが、コカイン合法化なんて話もあったんですね。この間「マンガでわかる心療内科」で薬物依存ヤベェ、な話を見たばかりなのでとても信じられないですが。そういう手段を考えざるを得ないところまで来ている、という事なんでしょうね…。

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