りゑんに「出涸らしの茶を出された」とイチャモンつけられたあかね。やられっぱなしじゃいられません。弥栄亭の開口一番でぶちかまします!
ネタは「山号寺号」。お寺ならどこでもある山号寺号をそこらへんのものに付けてみろ、という若旦那からの無理難題に幇間が答えるお話。「俥屋さん広小路」てな感じで「〜さん〜じ」に何でもこじつけていきます。
アドリブで「出涸らしの茶を出された!」とお茶屋の女将さんを怒鳴る男が出て来ます。きっと出涸らしなんて出してないんでしょう…。
「心の内で思ってるでしょうね 『もうたくさん 分からず言うなお茶の味』」
「女将さん お客さんに謝るかと思ったら言い返しましたよ コレ正に『退かぬ降参 女の意地』!!」
お茶の一件を強烈にディスられて、次の番のりゑんは調子崩してボロボロw。
りゑんが更に文句言ってくるところを禄郎が間に入ってその場は収まります。
「ここだけの話 心ん中でガッツポーズ止まんなかったわ」
朝がおには認められ、寄席は終了を迎えました。あかねには「持ちネタが少ない」という欠点が露呈し(ネタかぶりの為にせっかくの出番をからしに譲るハメに)、噺の種類を拡げる事が急務となりました。…からしのゲームに例えた説明が非常に分かりやすい。こいつこんなナリして結構世話好き?w
師匠以外の人から噺を教わるのは落語家にはよくあること。
「多くの芸を学ぶことが“あの芸”を会得する糸口となる」
出ました“あの芸”。志ぐまの芸だけでは到達できないところにある、って事ですかね…。
ですが少々おかしな事に。弥栄亭で演じた椿家八正に話を教えてほしい、と頼みますが
「丁重にお断りします」
「山号寺号」の件が響いてきました。
「事情があるにせよ…自分なりにこだわりを持って芸を磨いてきた者として あぁいうことをやってしまう人に私の芸を教えたいとは思わない」
落語を小競り合いの道具に使うのは感心しない、ということのようですね。
高座の失敗は高座で取り返す!と意気込むあかねですが、高座で揉めたという話が広まって開口一番に入れてもらえない…。
そんな時、禄郎と八正の二人会の話を聞いたあかね。
「この会の前座を私に任せてもらえませんか?」
…ぶっ込んで来ました。ここでキメられれば八正に認めてもらえるかも知れない。一石二鳥です。
ただ、この会はネタ下ろしの会。演るなら新ネタを用意してもらいたい…いやその新ネタを覚えたいから出たいんですが。
困ったあかねに助け舟が。大看板、蘭彩歌うらら。禄郎から話を聞いて“面白がり”w
「貴女 袖で観てなさい わがままな生き方の手本を見せてあげる」
演目は「お茶汲み」。廓噺です。
「初回でいきなり寝るのもなんだから 私の話を聞いてくれようか」
圧倒的な表現力。
「見る者を虜にする妖艶さと昭和の名人をも唸らせる程の話術を用い 廓噺で狂わせる それが廓噺の名人 “地獄太夫”蘭彩歌うらら」
あかねから事情を聞いたうららは「お茶汲み」なら教えてもいい、と言い出します。
これ真打が掛けるような大ネタで、前座でかける事はないのですが…禄郎はOKをだします。昔はよく揉め事を起こしていた、という禄郎はあかねに自分と近いものを感じているのではないか、と可楽杯の時もいた記者、樫尾は話します。二人会の前座を務めると聞いて、対極にある一門のぶつかり合いととらえたようです。革新派、あかねの阿良川一門対伝統派、禄郎の柏家一門。
可楽杯で話題を振りまいたあかねと二ツ目のホープ“麒麟児”柏家禄郎。二人がバチバチにやり合うのをファンは期待している…。
志ぐまや一生に思惑があるようにうららにも考えがあるようです。言葉の端々を見るに、女流落語家で天下を取る、みたいな感じでしょうか。
…だいぶ長い夢のようですね。女性に年齢の話はタブーとはいえ、志ぐま師匠つかまえて「志ぐま君」呼びですし、わりと年嵩に見える八正が「うらら師匠」とか呼んでますw。てか昭和の落語家、蘭彩歌しゃ楽に見出された、ということなんでおそらく平成の始め辺りから落語家やってらっしゃる事になる…それであの容姿は…美魔女で済まないのでは?w
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