黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ 3巻

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 先の学園の事件の事情聴取でティモシー準男爵と共に馬車に乗るメアリー。追い剥ぎ…ハイウェイマンに狙われてしまいます。助けに来たのがエルシィと…メアリーの息子、パーシー!暴れ馬を抑えに行ったエルシィとティモシー邸に向かっていたパーシーが偶然出会い、馬車を追う事に。体の方の記憶なのか凄まじい騎乗とそれに付いてくるパーシー。顔の傷のことを気にしない彼とエルシィは仲々ウマが合うようで…。

「馬に乗っていた君は格好よかった…」

 メアリーが必死で操る馬車に追付く二人。パーシーが雑魚を力任せに散らしている内にエルシィが馬車に取り付いている数人を処理する…という手順。

「サー·ティモシーの馬車から離れないかァ!」

「そ…その声は…!? パ パーシー!?」

 曲乗りから馬車に飛び移ってあっという間に馬を制するエルシィ。

「エルシィ…馬にも乗れるの…?」

「ほんの…ちょっぴりだけでごぜえます」

 サーベル持ちのハイウェイマン“死神(リーパー)”がエルシィと対峙します。腕に覚えのある“死神”に例の膝をついて回る動きで対抗しようとするエルシィですが…

「う…うまく…回れ…ねえ」

 ぬかるみに囚われて回転できません。苦戦するエルシィの前に割って入った影がひとつ!

「剣の持ち方も忘れてしまったの?」

「マジにカラダだけになっちゃったのね…気持ちワルいわ 姉さん」

 マントの下から覗く足には赤いブーツ!

「剣の持ち方…? 握り方…は確か…こんなだったべえか…」

 エルシィがスコップの持ち方を変えるとその衝撃は倍増!数撃で“死神”を打ち据えてしまいます。マントの影はいつの間にか消え去っていました。

「あれ…誰だべか…」

 さて、この一件を納めたことでエルシィ、パーシー共にティモシーの御眼鏡に適ったようです。パーシーはティモシーの後継者として考えられ始めました。エルシィはティモシーに対して株を上げると同時にメイドたちの間でも認められてきています。男の使用人がメイドに意地悪していると…手こそ上げないけどプレッシャーを掛けて来るw。デカいスカーフェイスがじっと見つめてきたらそりゃコワいw。

 ティモシーからの提案で、エルシィを「練習」として舞踏会に出してみてはどうか、という話になります。期限は一週間後。しかしエルシィの教育は…実はな〜んにも出来ていないw。

「だってあんなのに『教育』だなんて〜! そーでしょ〜!包帯だらけでぐるぐる回ったら滅茶苦茶強くて でも本人は田舎娘で下働きがお気に入り そんな『怪物』にマナーやダンスなんて教える気になる〜!?」

 先生ストーリーの根本をひっくり返すような事言わないで下さいw。

 エルシィの方も淑女のマナーとかまるで興味ない様子だったのですが、ティモシー経由でパーシーが舞踏会の付き添いとして着いて来る事が決まると…。

「パーシー様が一緒ならアタシは出ますだよ…」

 …あれ、エルシィとパーシー距離縮んでる?

 でまぁ、やる気になったエルシィに最低限「挨拶」と「ダンス」だけ叩き込むべく地獄のレッスンw。ダンスパートナーとしてパーシーを呼び出しますがエルシィに足踏まれまくって…平気な顔してるパーシー、フィジカルは「からくりサーカス」の鳴海ばりかw。

 更にメアリー、エルシィの臨時コーチとしてもうひとり、伯爵夫人エイダ·ラヴレスを呼びます。故バイロン卿の娘で優秀な数学者で

「ちょっと変わり者なのよ」

 …馬車に階差機関(コンピューターのご先祖)を積んで来て、初対面のエルシィに「性交はしてるかい?」とか聞いてくるくらいには…。

 ですが彼女が聡明なのも間違いない話で、エルシィの体格からその高い運動能力を見抜き、「舞踏会に出た経験があるのではないか」と推論まで披露します。首すげ替える前には確かに舞踏会の経験あるはずですね…。

 舞踏会にはエイダも呼ばれていて、エルシィのフォローを約束してくれますが、同時にメアリーに苦言を呈して行きます。女性に男性と同等の事が出来ると主張するのはいいが、それを部屋に閉じこもってただ書くだけでは誰にも響かない。実際に研鑽を積み、男と張り合わなければ認められはしない。

「男どもの頼みを意地で叶えてやっても貴女には得はないぞ メアリー」

 マントの女…〈渇き(ジャージダ)〉はエルシィの体〈諦め(アトカース)〉が抜けた代わりに〈7人の姉妹〉に入った交代要員でした。一連の出来事からエルシィが〈諦め〉である事に確信を持った〈渇き〉。

「〈父〉への連絡を絶った〈姉妹〉は裏切ったと見なす 裏切り者には〈姉妹〉から贈り物が必ず届けられる すなわち『死』が」

 〈姉妹〉が一人乗り込んで来る、ということで今度の舞踏会がブランタジネット舞踏会の前哨戦みたいになってきました。それと同時にエルシィにも疑惑が湧いてきます。「体が覚えてる」とは言っても馬術とか剣術とか結局脳にあるんじゃないの?首移植したらその辺も無くなるのでは?いやまぁ、連載分で衝撃の事実が明かされてしまっている訳ですが…。

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