ルパン三世 異世界の姫君(ネイバーワールドプリンセス)6巻

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 光の魔法でルパンを撃ちまくるシャルマ。ほとんどビーム兵器wてかファンネルですねこれはw。

「ちぇっ 文武両道ってか 少しはサボってろよな〜」

 スピードで撹乱するルパン。アイシュが身を挺して射線を遮り…。

「あなたが言ったこととは別の意味でお兄様は私を恐れている 私を自分の手で殺すことを」

 シャルマには精神操作的な何か…おそらく闇の魔法がかけられている、とアイシュは踏んでいます。シャルマ自身がそれに抵抗している事も。

「王子サマよ!思い出してもらうぜ!」

「な…なにを…」

「決まってんだろ 初心を だよ!」

 それは妹が幸せに暮らせるように。しかし王家の象徴たる光の魔法の類まれな才能を見せたアイシュに、王位を奪われかねないという疑惑をシャルマは植え付けられていました…魔族に。

 アイシュを守る為に国力を上げる…エルフドワーフを糾合し、魔物までも戦力として妹の王位簒奪を防ぐ…。

 矛盾を含んだ理屈を呟くシャルマ。明らかに何か手を加えられています。

 ちょうどその時、上階から落ちてきたのが魔法騎士エルリールと…銭形!

 その顔の下を見られた銭形を生かしておけないエルリール。剣を捨て、異常な力とスピードで突っ込んできます。ですが単調な攻撃は銭形の柔術にそのまま利用され…。

「剣を振っていた方がよほど手強かったわ馬鹿者!!」

 背負投げでエルリールを投げ飛ばし、そのまま壁をぶち破ってルパンたちのところへ!

「どうやら今度こそ役者が揃ったみてえだぜ」

 全ての黒幕はエルリールだと告発するルパン。30年間王家に忠誠を誓ってきた騎士がなぜ?どこかで入れ替わった?

「どこぞの名探偵の言葉を借りるとだ『不可能を全て消去していけば最後に残ったものがいかに奇妙なことであってもそれが真実となる』らしいぜ」

 シャーロック·ホームズの言葉ですね。アルセーヌ・ルパンの孫の口から語られるとまた感慨があります。

 つまり30年前、ある魔族が少年に化けて騎士団に入団、成長しているように見せかけながら不慣れな人間の体を鍛え上げ王国最強の騎士となり、王の信頼を受けるまでになった…その間、仲間の魔族との連絡は一切なし!魔女の目を盗むためにそこまでやるか…。

 正体を現したエルリールのその姿はアイシュをさらったあの魔族!

「今ここでこのアイソプミアをほろぼしてくれる」

「こともあろうに大泥棒のお宝を奪ったツラだ! タダで済むと思うなよバケモン!」

 もはや不要とばかりにシャルマを切り裂くエルリール。

「追い詰められたからと自棄になりおって!これ以上罪を重ねるな!」

「追い詰められた…だと?なにを勘違いしているゼニガタ 最早取り繕う必要もないというだけのことだ」

 現れたのは魔物の軍勢!ゴブリン、オークに空を飛ぶ魔物…果てはドラゴンまで!

「満足か!ルパン三世!ゼニガタ!そして魔女よ!! 私の邪魔さえせねば!王子も生きたままこの国は我が支配に落ちたろうにな!」

 城壁には次元、五エ門、スムンナ、キシャラ。王子派と魔女派が足並み揃わない今の王都では持ち堪えるのは難しい…。

「この城が落ちると帰る方法が闇の中だ」

「左様 王女への義もある」

 城の防衛に手を貸す事に決めた次元と五エ門。まずは軍をまとめようと四苦八苦していたシウーリに風による拡声の魔法でお手伝い。ここまでに勇者ゼニガタと騎士シウーリに助けられた者も多かったようで、協力してくれる者の存在もあってなんとか防衛戦の体裁を作れます。

 次元五エ門は「大物を狩る」としてドラゴンに向かいますが。

「竜の相手は元の世界含め都合三度目だが…此度は格が違うようでござるな」

 …そういやありましたね、竜の肝取りに行った事がw。

 その魔物たちの妙に組織立った動きに違和感を持った次元。ドラゴンの背をよく見てみると…やはりいました。魔物使いラムカン!

 進軍途中で一族を破滅に追いやった領地を滅ぼしたラムカン。

「救われて復讐も果たした なら後は人生の余りだ 恩を返すだけだ 俺はアイソプミアを滅ぼしに来たぞ!異世界の勇者によって建った国を!てめえらはどうする!」

 凄まじい魔物の攻勢に、キシャラとスムンナの働きかけで助けに来たエルフとドワーフが王都側に加勢。ドワーフなんか次元から図面もらったライフルを量産して持ってきています。生産能力高過ぎだろw。

 一方、エルリールの硬い外殻を脳を揺らす打撃や裏当てで無効化、翻弄するルパンと銭形。事も無げにやってのけてますが、超絶技術ですよ…。

 更にエルリールが変化、魔族の中でも異形の姿に…。

「これよりは魔の流儀でーー嬲り殺す」

 シャルマもただの悪ではなく、エルリールも目的のために多くを犠牲にした努力の人…魔族でした。更にラムカン。本来敵である魔族の手引で復讐を果たしてしまった彼にもう行くところはありません。それは本当に彼の望みだったのでしょうか。

 異世界召喚の嫌なところをきちんと描写しつつストーリーは終盤に向かいます。果たしてどの辺を着地点として考えているのか…。

 

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