天敵。生物は天敵に絶対に敵わない。ならばどうするか。天敵より強い奴を連れて来ればいい!…という理屈を3周くらい上回ってしまった「バーサス」待望の1巻です。「ワンパンマン」「モブサイコ100」のONE先生原作なのでインフレ具合がハンパないのですがw。
魔族。人類の敵。地上のほぼ全てが魔族の手に落ち、人類の命運は風前の灯火。対して人類は最強の超人、47人の“勇者”を用意し、47人の“魔王”を討つ反抗作戦を用意します。
「さあ征けッ!!47の勇者たちよ!! 大魔王を倒し…この世界を救うのだッ!!!」
…しかし半年後、勇者の大半は魔王に敗北。第11魔王ジャチの城に第11勇者ハロゥが辿り着いた頃には健在な勇者は数える程に…。
「おうちに帰るんパネ! もー人類は終了! 世界はおしまいッパネ!」
各勇者につく補助妖精…ONE先生作品にちょくちょく見るブサイクマスコットw…パネパネはもう完全に逃げ腰です。
「皆 よくここまでついて来てくれた 魔王ジャチは俺がこの手で仕留める」
持ち主の心に反応する“勇気の剣”が輝きを放つ。絶望的な状況で未だ諦めない、ハロゥの勇者の証。
パーティーの仲間と(抜け損なったパネパネとw)ジャチとの決戦に臨むハロゥ。ですがジャチにはまるで歯が立ちません。仲間は全滅、ハロゥ自身も一命は取り留めたものの右腕をもがれ、剣は折られ…。パネパネだけピンピンしてるのがなんとも…ギャグ畑は得だな。
兄ゼイビィに助けられたハロゥ。彼ら魔導士は勇者計画の裏で“もう一つの計画”を進めていたのです。それは召喚魔法。魔導士たちは星全体を覆う巨大な召喚魔法陣を作り上げ。
「現実世界と異なる時空から…別の世界を丸ごと召喚した!!!」
「俺たちの世界の人類にはもう魔王軍に抵抗する力は残されていない… だから別の世界の人類に助けを求める事にしたってわけだ 俺たちとは違う歴史を辿った世界の人類たちに!!!」
現れたのは銃器を携えたアーマー姿!ハロゥとゼイビィを襲っていた魔族を銃弾が打ち砕く!
「まさに世界まるごと他力本願作戦パネね!!」
「ああそうだ!俺たちはもう…戦わなくていいってこった!!」
…が、ヘルメットを取りながら異世界人は言います。
「我々は今 人類の敵によって滅亡の危機に瀕している どうか…どうか我々を…助けてくれないだろうか」
異世界人部隊の隊長ケイラによれば
「異次元ゲート発生装置で我々がアナタたちを呼んだのだが…」
彼女たちの世界では人工知能が発達し過ぎて暴走、人類に牙を剥いた。今や地上の80%はロボットが支配している。そしてふたつの世界の人類は全く同じタイミングで外の世界に助けを求めた…。
程なく現れたロボットたちに魔法を叩き込むゼイビィ。
「今のはなんだ…? 杖一本でロボットたちを無力化してしまった…!!」
つまり魔族には銃が効き、ロボットには魔法が有効?
「俺たちが組めば きっとお互いの世界を救えるはずだ!」
…ですがロボットは程なく再起動。
「未知の攻撃事象の解析結果を保存▼ 対エネルギーフィールドへ事象対策情報をフィードバック▼」
すぐに魔法に対応してきました。
「大魔王軍第11師団所属 ジャチ様の忠実なる下僕 キヴァと申します…」
上位魔族にかかると銃弾もまるで通用しません。一瞬の優位も崩れ、魔族とロボットに潰されるだけかと思われたその時、
「魔王ジャチに挑んだ勇者ハロゥはここにいる!! おれはまだ生きてるぞッ!!」
魔族とロボットを共に引き付けて囮になろうとしたハロゥ。たまたま両者を食い合わせる形になり、その隙に脱出に成功…。
人類側の砦に戻ったハロゥとゼイビィは更に驚愕の事実に直面します。
「繋がっちまった世界は…ひとつだけじゃなかったんだ」
都合13の世界が繋がってしまった…しかもその全てで人類は滅亡の危機に晒されている!
…世界のパッチワークとか、「超時空世紀オーガス」かなw?
それぞれの脅威をまとめて“天敵”と呼称し、各世界の暫定名と天敵が纏められます。
魔勢界…ハロゥたちの世界。天敵は“魔族”。
機律界…ケイラたちの世界。天敵は“ロボット”。
寄生界…天敵は“パラサイト”。人間に取り憑いて体を乗っ取る寄生生物。
巨人界…天敵は“巨人族”。巨人が人類を奴隷にしている。
大凶界…天敵は“大怪獣”。一頭の怪獣が世界中を踏み荒らす。
天鬼界…天敵は“宇宙人”。未知の知性体が地球侵略を開始している。
暴綠界…天敵は“大自然”。植物や動物が凶暴化して人類を襲っている。
新虐界…天敵は“新人類”。人類の変異種が旧人類を支配している。
怒神界…天敵は“神”。信仰を集めた超存在が人類を脅かしている?
呪滅界…天敵は“呪い”。呪いによって星が腐り始めている。
遊獄界…天敵は“ゲーム”。人類全てがゲームに没頭して他に何も無くなっている?
無法界…天敵は“人間”。野盗やギャング、無法者の跋扈で世界が滅亡しようとしている。「北斗の拳」?
大樹界…天敵は“世界樹”。一本の巨大樹が星の命を吸い尽くそうとしている。
よくもまあバラエティ豊かな天敵が揃ったものです。これらをどうにかする手段はないか頭を悩ませる人類代表たち。
ハロゥが提案します。
「“天敵”同士を互いに争わせるのはどうだろう…?」
1冊の中で状況が二転三転するジェットコースター展開が楽しい、ONE先生お得意の「まぎれも起きないレベル差のバトル」とうまくかみ合ってストーリーが進んで行きます。
ONE作品って、はるか強いヤツが更に強いヤツに瞬殺される事でバランスを保っているのですが、「バーサス」では天敵同士の能力差はどのくらいなんでしょうね。展開次第ではあっさり消え去る天敵もいるのかな?
…てか無法界は普通に人類内の争いだし、新虐界は人類の進化なんじゃないの?w。
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