「じゃから〜〜 おまえら元の世界に戻りたい?って聞いとるんじゃが」
記憶の女神メルデル様、二人の元の体は死んでるだの帰る手段はないだの散々脅しといてこれです。よく見たら二人とも昏睡状態で生きている、と。
メルデルには魂を戻す手段はないのですが、「奏魂の儀」という魂を別世界に飛ばす儀式がある、と教えてくれます。
…ただし、魔王城がある夜の大陸に渡って巡礼して回り、最後には北の果て「おきざりの都リリトラフル」に赴かなければならない。
二人の魂は元の体と紐付いており、また今の体の持ち主の魂もまだ紐付いたまま。二人が元の体に戻れば持ち主の魂も戻され、すべて元通りになる…はず。
「「そーいう展開を待ってたんだよ!行くよ!」」
即OKする二人。なろう系で鍛えられたオタクは話が早いw
「でのでの、そんなおまえらにちょっと提案が…」
メルデルが何か言おうとしたところで乱入者が。前巻で暴れてた凶悪犯罪転移者です。
「女神いぃぃぃ!能ぉぉ力ぅよこせやああ!」
シイナはもちろん、チバの魔法もまるで通じません。メルデルが容量を超える記憶をぶち込む事で廃人…もとい無力化を割とあっさり達成してしまいますが…ここでハッキリしたのは…二人共めっちゃ弱いw
で、夜の大陸行きの船が出るまでの一ヶ月間修行する事に。
チバは魔法学校に入学。バカノホウ…もといシイナは女神の牧師ルーカスに剣の修行をつけてもらう事に。
魔法学校…この世界では少々裕福な家の次男三男が跡取りになにかあったときの為のスペア…として放り込まれるパターンが多く…はつきり言ってしまえば小銭は持っているが女性に本気で相手にされない奴らが集まっているところで…。
そこにエルフの女の子が入り込んできた日には…オタサーの姫状態w サークルクラッシャー化の危機だw
シイナはシイナで薪割りと剣の型の修練…。
ルーカスに「おれに才能はあるのか…?」と尋ねてみれば、
「このひと月で教えるのは最低限の基本ですが、それでも素人の悪漢相手なら効果はあります ですがそもそも魔物に付け焼き刃の剣術は通用しません 戦闘の主役はチバ様です シイナ様の役目は…いざというときの荷物持ち 薪割りはそのための筋力鍛錬でごさいます」
散々な言われようですが、二人で旅するため修行を続けるシイナ。
平行して船賃も稼がなければなりません。希少なモンスターの卵採集クエストを受けてみたり、「異世界見抜き部屋」…覗き部屋ですねw…を開いてみたり。
「なんだろ 最初は…『こっちは減るモンないし簡単に稼げていいじゃ〜ん』とか思ってたけど…心って減るんだね」
とか貴重な気付きを得たりw
最終的に路銀の確保は出来た二人。腕試しでダンジョンの隠し部屋に挑む事に。
室内の人数が二人になったら扉が閉じ、何かの試練が課される。しばらくすると二人は無傷で出てくるが内部の記憶はなく、「大切な何かを失った気がする…」とだけ言い残す…。
試練をクリアすれば魔法遺物が手に入る確率が高い、というので試練に挑んだ二人。
「この試練は キモタの試練九十八番目『ふたりの試練』」
壁で仕切られ、分けられるチバとシイナ。
これから三つの質問がされる。答えは「はい」か「いいえ」。全ての質問に二人共「はい」と答えれば宝がもらえる。それ以外でも二人の回答が全て一致すれば宝はないが部屋を出られる。だか「はい」と「いいえ」で答えが分かれたら「はい」と答えた者に罰が、「いいえ」と答えた者に報奨が与えられる…。
「囚人のジレンマ」ですね。チバは早々に気づきましたがシイナはセッ出ルームとか頭悪い事しか考えてないw
「問1 汝は性愛の欲を生涯捨て去ることができるか?『はい』と答えた者から性的欲求を永久に奪い、『いいえ』と答えた者にはチャームの魔力を永久的に与える」
…カズヤのチャームってこれじゃない?ここじゃなくてもどこかキモタの試練を受けていきなり裏切った…。
それはともかくシイナ超悩みます。
「あ…?でもチバから見たら?チバから見たらおれはどっちを選びそうだ? 『いいえ』を選ぶヤツにしか見えない…!」
…割と正確に自己分析してるなw。
チバは悩みながらも「はい」を選び…
「第二の質問 富と名声を求める欲望を捨てられるか? 『はい』と答えた者から金欲、名誉欲を永久に奪い、『いいえ』と答えた者にはカリスマと金運の加護を与える」
「第三問 汝、長命の欲望を捨てられし者なりや? 『はい』と答えた者からは定命を縮め、『いいえ』と答えた者にはその分の定命を与える」
チバは第二にはかなり悩んで「はい」と答え、第三には迷わず「はい」と答えました。
第二は…自分はまだ我慢できるが、シイナからそういう欲求が失われたら…
「もう笑って冒険…できなくなる気がする…!」
結構すごいなチバ。
結論として、試練はクリア。宝物は手に入りましたが…シイナも全部「はい」?
「だってチバが『いいえ』って答える可能性ゼロなんだもん」
「だってチバ異常者じゃん」
「間違いなく3大欲求をおいても試練クリアするタイプでしょ」
…ダイナシだ!
ちなみに最後に試練が尋ねた…
「もしもこれを問われたら『いいえ』を選んでいたかもしれないというものはあるか…?」
…という問に対してチバは返します。
「そうだな…うまく言えないけど…冒険にワクワクする心かな?」
最後まで男前ですチバ。体は女だけど。
宝物は古代魔法が書かれた魔法書と…無限収納袋。イェ〜イなろう定番!とか喜んだのもつかの間、この『虚無の袋』は「ある物体を一度だけ、いくらでも収納できる。ただし一度取り出した物体は二度と収納することはできない」というもの。ついでに
「この世の9割の物体がすでにこの袋が作られた1000年の間に入れられておるけどな」
…というオチがつきます。大半の物は入れても吐き出す、というw
ただこれ、あらゆるレアアイテムがワンチャン手に入る可能性がある、という事で…使いよう次第では逆転の一手になるんじゃないでしょうか。
まがりなりにも旅立ちの準備が整ったチバとシイナ(チバが学舎の童貞どもの告白を全部お断りしたりw)。
カズヤパーティも夜の大陸に向かう事になるようで、舞台は夜の大陸に移りますね。
その前にしばらく船旅かな。
苦労しながらも少しづつ強くなり、目標も定まったチバとシイナですが…昏睡状態ってそんなに保つものなんでしょうか?機械に繋がれても臓器とか弱る一方でそう機能維持できない気がするんですが…もしかしてタイムリミットあるのかな?
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