眠る少女にキスする少年。電気が走るようなエフェクトと共に目を醒ます少女。
「お目覚めですか?お姫様」
「毎朝強制スリープ解除するのはやめてくれないか エリオ」
人類とAIの戦争が終わった世界でアンドロイドと人間の少女が旅をする。「エリオと電気人形」1巻です。
すみません冒頭で少年と書きましたがそれが人間の少女エリオですw だって見た目男の子にしか見えないしw
少女の方がアンドロイド、アンジュ。
「私はAIによって戦争のために造られたソルディロイドだ 人間の感情を理解するようには出来ていない」
AIを稼働させないために人類が電気を放棄した世界。AIの尖兵たるアンジュは電気を必要とし…エリオは体内で電気を作る事が出来ました。この辺複雑な背景がありそうですが、まだ不明。小さなエリオが背中にケーブルやら何やら繋がれてる様子が出てきます…。
エリオから充電を受ける事でアンジュは稼働し、しかしAIからの命令もないアンジュはエリオを守り育てる事を目的として暮らしていました。自分は人類の敵である、という認識は持っているようですが。
「君はやはりその目で人間の世界を見るべきだろう 私が伝えられる知識には限界がある 君がこんな風に泣いている時 どうしたらいいかわからないんだ」
「いいよ アンジュと一緒なら」
エリオを「充電器」扱いするアンジュですが、エリオ自身を大切に思っている描写は散見されます。「血も涙もない」なんてとんでもないw
「人類とAIの戦争が始まったのは100年前 集合知AI『メティス』はネットワークを介して自己増殖を繰り返し人類のインフラや生産設備を次々乗っ取っていった メティスは世界のどこかにひとつでも残っていれば無限に増殖を始める 止める方法はただひとつ ネットワークとそれを支える電力の供給を完全に断つことだった つまり人類は勝利と引き換えに電気を放棄したんだ」
エリオが物心ついてからずっと過ごしていた灯台を離れ、人間の街に到着します。街では電気の代わりに蒸気機関が溢れ…そう、いわゆるスチームパンクな光景が広がっていました。
天使の伝説が残る街。エリオとアンジュは老人ストラウスの家に住み込みで働く事になります。
「アンジュと言ったかい?君も電気人形なのか?」
ストラウスはかつてAIロボット工学博士であり、彼の父は首都防衛の責任者でした。情報を取るために電気人形の一体…メヌエットが近づいており…。
街にドローン爆撃が始まるから逃げろ、とストラウスに警告するメヌエット。街の人に知らせる、と走り出したストラウスをメヌエットはドローンの爆発からかばい、そのまま機械の羽根を出してドローン撃墜に向かいます。
…? 電気人形はAIの命令下にある限り人間の殺戮に動くはずでは?それがドローンと同士討ち?メヌエットはドローンと相討ちになってしまい、その真偽は定かではありません。残ったのは天使が敵をやっつけて街を護ってくれた、という伝説だけ。
…もうひとつありました。機密情報を受け渡しするためのメモリーカード。メヌエットが残したカードの中にはストラウスと過ごした記憶が大量に。命が消えようとしているストラウスにアンジュはカードに残されていた、かつてメヌエットが歌っていた歌を聞かせるのでした。
電気人形には心がある。少なくとも心が生まれる事がある。これは間違いないです。それはAIの支配をもはねつける場合もある…のですが常にそうできるとも限らない。実際アンジュも…
「AIメティスが復活し戦争が再開されれば一番近くにいる人間 つまり君を真っ先に殺す」
とかエリオに向かって言ってます。
それを知ってか知らずか結構あちこちで電気復活の試みはされてたり。個人レベルから国家レベルまで。中には堂々と工場を稼働させているところも。
もしもネットワークが復活してしまったら、アンジュはエリオを手にかけるのでしょうか?
「風の谷のナウシカ」や「少女終末旅行」ほどには終わっていない、しかし一瞬で終わりが見える危うい世界。エリオとアンジュの旅の行きつく先を見てみたいと思います。
それはそうとスチームパンクなギミックにときめいてしまったりする訳でw
いろんな動きの蒸気機関も見たいなぁ。
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