よふかしのうた 16巻

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「だってああなるなんて想像つかないだろ!? どれだけ馬鹿なら仲直りしようとしてあんな顔になるんだよ!? 私を責めないでくれ!!」

 アンコ必死の弁明ですw そら「仲直り」ミッションで木刀振り回して「ケンカしようよぉ」とは余程ならないでしょう。

 とはいえなかなか追いつけないコウ。半吸血鬼化すればすぐ追いつけますが。

「だめだ これは使わない 友達(人)として話がしたいんだ」

 この意志はマヒルに伝わったようです。

「“ケンカしよう”って言ってた ケンカってなんだ?」

「本当にただケンカしに来たのか? ケンカしたら…何があるんだ? 仲直りか…」

 …言っちゃなんだけど、よく通じたなw

 アンコはキクの居場所に見当がついていました。マヒルの思い出の場所。

「今夜そこへ向かう 観光地だ 見晴らしもいい そこにきっと星見キクはいる」

 その夜、コウはキクに呼び出されます…マヒルの携帯から。

 …吸血鬼にとって人間だった頃の思い出に関わる物品は弱点になり得ます。キクはそういうものを全て処分するようマヒルに言ったはずなんですが、その最たるものなスマホをまだ手元に置いていた…。

「私 マヒル君が何を考えてるのかわからないの もう私のこと好きじゃないのかなあ?」

 なんか涙ながらにコウに相談してくるキク。…えーと、何?

 恋愛とは究極の愛であり、それを相手に伝えるには自己犠牲をどれだけ払えるか。

「相手のためにどれだけのものを捨てられるか それが愛だと私は思う」

 そんなことのために、とコウは激昂しますがキクは愛してるって伝え合いたいと思うのはそんなにおかしいか、と反論。言葉には意味なんてない、結果だけが欲しい、と。

「マヒル君は捨てただろ!?生活も!親も!友達も!!」

 更に言いつのるコウにキクはマヒルのスマホを差し出します。コウとアキラと一緒に写っている写真を。

「あの日捨てるはずだったスマホ 嘘を吐かれたのよ」

 本人に聞け、と続けるコウ。言えないよ、好きな人のスマホ勝手に見たなんて…とキク。

 判断基準が無茶苦茶です。倫理も公正性もなにもない、自分と…マヒル以外は全部どうでもいい。それは「マヒルの為に捨てられるものはあるのか」というコウの問いに対する答えにも現れています。

「私の命かな もうこれしか残ってないから」

 キクは少なくともマヒルに対しては真摯に相対している。それに気付いたコウはピアッサーをキクの目の前で破壊し、人間のままマヒルに会いたい、と宣言します。

「俺はもうあなたを否定できない」

「あは あはは 半吸血鬼にはなりたくないよね マヒル君を傷つけたくないもんねえ 優しいねぇ夜守くん」

 ですがキクはコウを川に突き落とし!

「君を殺すには人間のうちにやるしかなかった でも攻撃したら君は半吸血鬼になっちゃうかもしれないんでしょ? まあ… 窒息(これ)かなあ…って」

 恐ろしいくらい通常のテンションで冷静にコウを水に沈めていくキク。…テンション高いより却って恐ろしい…。

 アザミ、ススキ、ハルカによって助けられるコウ。

「よし乗れ 行くぞ お友達のところに」

 アザミのバイクで連れ去られるコウ。

 「やっと…会えたな 星見キク」

 ススキとハルカに護衛されるようにしてキクと対峙するアンコ。

「お前は今まで眷属にしてきた人間をどのくらい覚えてる?」

「目代という苗字に覚えは?」

「あなた誰?」

「お前が10年前 血を吸い眷属にした男 目代キョウイチの娘だ」

 しかしアンコはただ復讐したいだけではなく…

「どうして私の父じゃ駄目だったんだ…?」

「お前は人に恋をしたいんだろう? そして人間になりたいなどと言っているのだろう…!? だったら! 確証もないのに人の父親に手ェ出して!! 何考えてんだお前は!!」

 父を殺したキクの事を知ろうとひたすら調べ、想像して…それはもう単なる復讐対象ではなくなり。

「何を聞けば 何を知れば自分が満足するのか わからないんだ 父のこと お前のこと きっと全部そうだし全部違う なんなんだよお前…」

 追い続けた者と自分の境界が曖昧になってしまったのでしょうか。「深淵を覗くとき、深淵もまたお前を覗き返している」ってやつでしょうか。

「キョウコ…目代キョウコさんよね?」

 キクの発言。覚えていたんですね。キクが耳元で二言三言喋ると…アンコ、憑き物が落ちたようになってしまいました。何を言ったんでしょう?

「キョウコちゃん! ごめんなさい さようなら」

 そのまま姿を消すキク。

 同じ頃、マヒルの前にはナズナが。

「なあ 夕 マヒル 恋バナしようや ヒトを好きになるってどんな感じなんだ? 夕 マヒル 聞かせてくれよ お前とキクのこと」

 …苦手な恋バナを自ら振るナズナw カッコつけてるけど大分無理してるw

 花の配達で初めてキクと出会ったマヒル。居場所のないマヒルの居場所となってくれた。吸血鬼であることも明かされ、眷属になる覚悟もして…

「あのね私 多分だけど もうそろそろ死ぬんだと思う だからね 夢を叶えたいの」

 血を吸わないといけない周期が短くなっている、と。…実際劇中時間でも傷の治りが遅くなっていたり動きが鈍くなって来たりしているようで。

「だからねマヒル君 夢を… 私を殺してほしいの」

「私ね 人間になりたいの 人として死にたい ずっとず〜っと夢見てきたその方法は 吸血鬼が人間に恋をして血を吸わなきゃいけない 私は君を好きになりたい 恋をしたいの」

 …その場合、その人間は眷属になるんでしょうか。それってすごい残酷な事なのでは?

 これまでのコウとのエピソードの意味が根本から変わってしまいました。

「羨ましいなぁ 時間をかけて仲良くなって 好きになってその先があって 羨ましいなぁ」

「俺が何もしなくても キクさんが恋をしなくても キクさんは死ぬ 探偵に殺されるのは嫌だ キクさんは“俺がいい”って言ったんだ」

 だから俺はキクさんを殺すんだ…と岬で待つマヒル。既に飛ぶ力もなく、行きずりのトラックに乗せてもらい岬に向かうキク。

「夜守 着いたぜ」

 アザミのバイクで岬に着いたコウ。ひとりで会いに行きます。

 キクも想像以上に切羽詰まった状態でした。永遠の命だと思っていたのが終わりをいきなり突きつけられる…というのは、普通に人間として生きるより却ってつらいのかも知れないですね。

 ただ、多分キクが恋できたのは終わりを意識したからなので…難しいですね。それに振り回されてる形のマヒル…。傍から見たら被害者なんですが、確かにキクによって救われてるし。

 長かったキク絡みのエピソードですが、ついに終わりが見えてきました。次巻辺りでケリがつくのかな?…マヒルホントにどうなるの?

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