ヴィンランド・サガ 27巻

https://amzn.to/43Y6gNt

 アニメ2期も円満に終了しました「ヴィンランド・サガ」。アニメはヴィンランドへ向かう決意をするところで終わりましたが、こちらはヴィンランドで開拓を始めて原住民と揉めそうで…争いのない国なんて作れないのかなぁ。

 これまでに死んだ名も知らぬ人々の為に慰霊碑を建てるトルフィンとエイナル。刻む文字は「フリズル」…平和。

 しかし連絡船団の船長ヴァルガルは不穏な報告を。マルクランドに寄港しようとしたらウーヌゥ人の矢が突き立てられた…。 トルフィンとイーヴァルを伴って戻ったマルクランド。大量の矢が残されたには誰もおらず、かといってウーヌゥ人もいない。

「あの矢を見ろ ここのウーヌゥが話せる相手だと思うか!? マルクランドの開拓団は皆殺しにされたんだよ!」

「お前のせいだ お前のせいで13人の仲間と船1隻を失った お前のくだらん実験のせいで」

 言いたい放題ですイーヴァル。これを期に主導権を奪いたいのですね。

 アルネイズ村村に戻ったトルフィンは村民に全情報を開示。ここで交流を持っている「ギトプイの一族」とは別と考えられますが、疑心暗鬼に陥る者も。

「忘れたのかお前達 ワシらの前にもこの地へ来た開拓団がいたことを そいつらもやはりウーヌゥどもと戦争になって撤退したじゃろが」

 ウーヌゥからしたら自分たちは森を切り拓いて畑を作る侵略者でしかない。

 ウーヌゥの方でもミスグェゲブージュがノウド人を追い出せ、と主張していました。恐ろしい未来のビジョンを見た事を説明し、森を壊す彼らはウーヌゥと相容れぬ者である、と。 …他の者は本気にしていませんが。プルムクなんかは酒もらってノルドの服を着て、ずいぶん向こう寄りです。

 こちらでも畑を作って麦を育てれば、狩りがうまく行かなくて何日も食べられない、なんて事はなくなる。足の弱い年寄も子供も楽に暮らせる。

 …部族としてはノルド人たちと対立することはしない、と決まりましたがミスグェゲブージュは諦めません。

「どんなことをしてもノウド人をこの地から追い出さねばならんのだ どんなことをしてでも…」

 イーヴァルたちは無断で砦を造り始め、止めさせようとするヒルドとイーヴァルの知恵袋ストルクの間で言い争いが発生し、ウーヌゥとの付き合い方を決める民会の開催が決定されます。

「それでは会議を始めます この民会の議題はひとつ 私達は武装をするべきか否か」

 主に男は武装賛成、女は反対。

 男でも戦争が嫌いなら嫌いと言えばいい、と言われたコーデリアから爆弾発言が。

「イーヴァルさんは剣を一本隠し持っています」

 珍しく剣呑な雰囲気で剣を没収しようとするトルフィン。咄嗟に剣が必要か必要でないかで多数決に持ち込むストルク。

 ほぼ男女で分かれ、必要な方が多数になりました。

「日頃からガチガチに武装を固めていないと安心できなくて夜も眠れなくなっちゃうのさオレ達 ごめんね臆病なんだ男って」

 いつも勇気がどうこう言ってる連中が臆病、とか詭弁を感じますが結果は出ました。

 ですがトルフィンはギョロを使いに出してウーヌゥの代表者を呼んでいました。

「まずよく話し合うことです 武装強化より何よりそれが先です 『最初の手段』ですよイーヴァルさん」

 その中にミスグェゲブージュが混じっていますが…。

 族長はノウド人と争うつもりはない、と言って来ます。反対意見はありながらも円満に解決しそうになりましたが…。

「私だけだ お前達を止めることができる者は私しかいない だからこうするしかないのだ」

 斧を持ち出すミスグェゲブージュ。トルフィンに襲いかかります!

 余裕を持って対処できる、しようとするトルフィンですが、イーヴァルが剣を抜いてミスグェゲブージュの腕ごと斬り落としてしまいます!

 ウーヌゥ人は敵だ、と主張するイーヴァル。それを抑え、彼らをそのまま帰らせようとするトルフィン。

「わからないのか!無茶をすればさらに怪我人が増えるぞ これ以上民会を血で穢したいのか!?」

 帰っていくウーヌゥ達。ミスグェゲブージュが微かに笑っているのをトルフィンは見逃しませんでした。「ウーヌゥ人がノルド人に傷付けられた」という事実は双方に深い影を落としました。

 ウーヌゥ側も居留地を引き払い、ノルドと距離を置く方針に。アルネイズ村の砦も完成しました。徐々に緊張感が高まる中、ヒルドが姿を消します。

「でもカルリわかったよ あーヒルドはせんそうのげんいんをやっつけにいくんだなーって」

 鋭いカルリの感じた通り、ヒルドはイーヴァルたちを排除しようとしていました。森の中に罠がを仕掛け、取り巻きたちをひとりひとり自由を奪っていくヒルド。

「ヒルドぉてめェ!!わかってんのか仲間殺しだぞ!! オレらを殺してこの先も開拓団で普通に暮らせると思ってんのか!?」

「………思ってないさ」

 ボウガンで狙いをつけるヒルド。しかし状況を察して追いかけてきたトルフィンが静止に入ります。

 砦を撤去しろ、と要求を出すヒルド。

「それが出来なかった時…その時こそ殺す 私から逃げられると思うなよ」

 森の奥に消えていくヒルド。

「行かないでくれ!あなたがいなくなったら誰が子どもたちに字を教えるんですか!?」

 ですがヒルドは止まりません。

「もう一人…ミスグェゲブージュ 奴を捜さなければ 私には力がある 戦争を未然に防ぐことができる 私がやらなければ…」

 みんな悪い事をしようとは思っていないのにどんどん悪い方に事態が転がっていく。巡り合わせが悪いとしか言いようがないですね…。

 そしてヴァルガルはマルクランドの生き残りをついに見つけます。

「この辺りには…先住民はもうひとりもいない みんな死んじまった… オレは見たんだ…エクスヌゴアハン…死霊にとり憑かれて…みんな死んだんだ…」

「まだ無事なら間に合ううちに撤退の準備をするんだ きっとヴィンランドでもマルクランドと同じことが起こる オレ達は先住民と共存できない ヴィンランドから逃げるんだ 戦争になる前に…!」

 このセリフにネズミの姿が重なっています。 

 …疫病か! 最悪ペストまであります。これは時代的にもう接触を断つくらいしか対処法がないと思われます。逆に戦争なんかしようものなら感染が無駄に広がる…。少なくともアルネイズ村は引き払うしかなくなるはずですが…どう収拾つけるんですか幸村先生!

コメントを残す