「悪かったなぁ無門 ちょいとばかり遅れちまったぜ」
明らかに体調悪そうな顔で現れた太山。心配する無門に
「それよりもやろう」
「…やるって」
「卒業式 約束だからな」
まだ無門に教えていない事がある、と。
「…そんな状態で何を教えるって言うんですか」
救急車を呼ぼうとする無門に容赦ない太山の一撃!
「戦闘中に背中を向けるなバカモノが そんな甘ったれた根性でおれを超えられると思うのか!?」
「この…頑固おやじがッ!!」
しかし防戦一方の無門。
「どうした無門 受けるばかりでは勝てんぞ 打ってこい無門ッ」
「ーーちがう ーーこんなのじゃない 太山先生のパンチはこんなもんじゃない」
「やらんかぁッッ!!」
涙ながらに放った一撃で太山は沈みます。…あの無限のタフネスを誇った太山が。
「さぁとどめをさせ おれの顔を踏みつけろ それで終わりだ」
「俺にはできません!!先生!!お願いです 病院に行きましょう」
泣きじゃくる無門を太山は抱き寄せ…サバ折り!
「さぁどうする無門 早くやらなければお前が死ぬぞ」
完調なら一瞬で背骨を折れるだろう太山が…。
「…すまねェな無門 これが…今のおれの全力なんだ …だがな…勝負ってのは常にベストコンディションとは…限らねぇ いくら自分が…傷ついていようが相手が…弱っていようが言い訳にはならねぇ」
「おれたちは格闘技をやっているんだ さぁ無門 お前の全力ーー見せてみろッ」
太山の頭を両手で挟む無門。
「俺 ほんとはやれるんです 相手がどれだけ親しくても身内でも ほんとはやれるんです」
…無寸雷神!
「あぁ…無門… お前 強くなったなぁ おめでとう 卒業だ」
勝負が終わった太山は、あるところへ連れて行ってほしい、と無門に頼みます。借金を返しに行きたい、と。そのシャツの下には大金と共に心臓まで届きそうな傷が! この傷で戦っていたのか…。
目的地は徳川邸。何があったのか尋ねる徳川翁に答える無門。
「ーーたしかゆうえんちに行くと言っていましたが」
「ゆうえんちだって だめだ無門 お前は行くな!!」
朦朧とした太山、辛うじて意識を取り戻し、翁に金を返し…。
翁は太山の負った傷の様子に心当たりがありました。
「柳 龍光…」
無門聞き逃しませんでした。
「そいつにやられたってことですか!? ゆうえんちのことも何か知ってるんですよね!?知ってること全部話してください 徳川さん!」
止めようとするSPと大立ち回りを演ずる無門。
「落ち着け無門ーー」
うしろからチョークにとらえて無門を止めたのは太山でした…。
「熱くなりすぎるな 常に冷静さを失っちゃならねぇ 礼節を重んじろ 強くなれ 肉体や技術だけじゃなくーー心もだ あとは…そうだな ちゃんと飯食えよ」
…落ちた無門が目を覚ましたのは翌朝でした。
「太山先生は!? 先生はどこに!?」
「逝ってしまいおった」
最後は自分の足で自宅に帰り、そして死んだそうです。
娘の手術代を稼ぐためにゆうえんちに参加した。その分は手にしたようです。その娘の名が梢江…あぁ、屋台の名前が「ラーメンこずえ」だったし。「バキ」本編の梢江ちゃんだったのか。
「太山が言おうとしなかったことをワシが言うわけにはいかん あいつの想いを無下にはできん」
徳川翁からゆうえんちと柳龍光についての情報を得られなかった無門はひとり、街に消えていきます。
3年半後、無門は18歳。修行の合間にゆうえんちと柳龍光について調べる毎日を送っていました。ゆうえんちについてはまるで情報なし。柳については「敗北を知りたい」と、武装した警官5名を血だるまにして行った、とか都市伝説じみた話があるくらい…。
あー、この頃から言ってたんですね「敗北を知りたい」。
本編のエピソード…ボクサー、ユリー·チャコフスキーが花山薫に握撃で潰された…を知った無門。「手で触れただけで肉を削り取っていく」柳の技と握撃との共通点を見出した無門は、ユリーを知る元ボクサー、フラッシュ早田から話を聞こうと彼のジムを訪ねます。
そこには地上げ屋の用心棒、早田ジムを潰そうと道場破りに来た壊し屋 神野仁がいました。その神野が使った技が素肌に手を当て、そのまま肉を引きちぎる技!
「早田さんの脇腹の傷…どうやってつけたの」
「この掌に肉を吸い付けてひっぺ返したんだよ 空道 それがボクの使う流派の名前だよ」
出ました空道。ようやっと掴んだ手がかり。
「…神野さん もう一つ質問」
「柳龍光って人知ってる?」
凄い表情します神野。空道の先輩に当たる人だが、殺したい人物でもある、と。
…心当たりがあるな〜。
更に尋ねる無門。
「“ゆうえんち”って知ってる?」
これにも驚愕する神野。リング上に凍りつくような殺気が満ちる。
「どこにあるの?ゆうえんち」
「…フフ そっかきみはあの場所のこと何も知らないんだ 悪いケド…教えたくないね」
「えー ケチだなぁ」
「でもどうしても知りたいんならいい方法がある」
「ボクから力ずくで訊き出せばいい」
何でもアリ…どころか天井に掌を吸い付けて連蹴りを放つ神野。人間辞めてるぞw
金的を狙って神野を天井から叩き落し、無門の蹴り!…を掴まれる。
「イマイチかな… よかったね靴履いてて」
ここでパトカーのサイレンが聞こえ始め、勝負は水入りとなります。
「空道」の名を追って、ある道場を訪ねた無門。
待たされた無門の後ろから微かに近づく気配。これに気づくか試しているのか、と身構える無門に突如斬られるかのような強烈な殺気!
「落ち着け耐えろ わざわざ殺気を放ったのは俺の反応を試すためだ」
後ろを向く無門。そこに妖怪が立っていた。
「国松デス」
出ました、隻腕の怪物、マスター国松。柳が関わってくる以上、必ず出て来ると思っていましたが…。
「あー…キミね 間違っとるよ ワシは確かにキミを試した それを試されたと判断したのは立派だが そう思わせておいて実は本当に斬りかかってくることだってあるからねぇ ウヒァヒァヒァヒァヒァヒァ」
とんでもねぇこと言ってます。無門が気付いて身構えたことまで察する技量と、それを利用して殺しにかかる狂気…。まさしく怪物。
ようやく柳の影が見えて来ました。ゆうえんちに至ってはまだほとんど情報が出ていないw 月イチ連載なのですでに連載1周年過ぎてますが、稀に見るスローペースです。原作完結済の利点を最大限活用してますね。
流石に4巻でゆうえんち開始になるとは思いますが…。参加メンバーも楽しみですね。獏ワールド、板垣ワールドからかなり自由にキャラクター持ってこれますからw
コメントを残す