
二ツ目による四人会への出演権を賭けた阿良川一門前座錬成会。魁生と同じ高座に上がる為、あかねもこの会に出演します。
「大丈夫です 私 勝ちますよ!! 錬成会はモチロン 魁生兄さんにも」
ことここに至って「魁生に勝つ」事がどのくらい凄い事かわかってないあかねw
二ツ目の中でも魁生の“伸び”は異常、とのこと。ひょっとすればもう真打目前かも?
「よしっ じゃあこうしよう 選考会に勝ち進めたら俺が稽古をつけてあげるよ」
「但し負けたら当分稽古はつけない こういう方が燃える口でしょ?」
兄弟子まいけるからの提案ではりきるあかね。錬成会の高座は八正から教わった「平林」で危なげなく勝ち抜きます。
選考されたメンバーは…魁生と同期で彼にコンプレックスをもつぜんまい、年いってからの入門ながらも、元営業の気働きで会場を湧かせた嘉一。
そして…正式に一剣の弟子になった高良木…もとい阿良川ひかる。うららにつけてもらった噺、郭噺「搗屋無間」をひっさげての登場です。
「なんか仲間が増えたみたいで嬉しくない?」
どこか呑気なあかねに返すひかる。
「…そうね ハマッちゃったのかも それもこれもアナタのおかげかな だから見ててよ 高良木ひかるからどれくらい変われたか」
“演劇”から“話芸”。落語の表現に昇華したその芸は、ひかる本来の“華”も添えてうららの芸をあかねより近くモノにしていました。
あかねを含めたこの四人で更に選考会が行われ、選ばれるのは一人だけ…。
「あかねるはどんな落語家なの?」
噺を教えることになったまいけるがあかねに尋ねます。あかねの強みや個性は何だろう、と。
いろいろ考えた結果、「もしかして私…個性がない?」という結論に至るあかね。
…どっちかというと何でも吸収するオールラウンダーとでも言うべきなんじゃないかな、と思うんですが…。
「あかねるはさあ “仁(にん)”って知ってる?」
仁とは演者のもつ固有の雰囲気や“らしさ”のこと。高座とは演者の“仁”と噺が持つ“属性”の掛け算!
…ここまではいいんですが、この後 仁と噺の属性を示す阿良川まいける式噺六性図…なる胡乱な六角図を出してきました。…まいける兄さん、心源流も修めてらっしゃる?w そういやツイッター…現Xで水見式やってるまいける兄さんの絵がありましたねw
その上でまいけるはあかねに、自分で教わる噺を選べ、と指示します。今まで彼女は人から言われたか必要に迫られて噺を覚えてきた。
「前座のうちはそれでもいい でも二ツ目になるなら 自分の魅せ方を考えて噺を選ぶ目も要る」
候補は3つ。「禁酒番屋」「蝦蟇の油」「替わり目」。
「禁酒番屋」「蝦蟇の油」はポンポンと勢いのある掛け合いが生命の陽気な噺。「替わり目」は長年連れ添った夫婦のやりとりの地味めな噺。
「そしてこの噺はーー志ん太のアニキが錬成会で四天王から推薦を得た時に演った噺だ」
「ちなみに俺はこの噺をアニキから教わった この噺を選ぶならアニキに教わった形のまま教えるよ ただ…選考に敵した噺かは分からない」
あかねが選んだのはやはり「替わり目」。
「勝ち易さより大事なことがある だからといって勝負は投げない 自分を通した上で勝つ 大丈夫 この選択に間違いは無い」
まさに志ん太の間、仕草、表情で一席こなすまいける。それこそ志ん太の稽古をずっと見ていたあかねが驚くレベルで。
これを自分のものにするには阿良川志ん太とはどんな落語家だったのか、そして阿良川あかねとはどんな落語家なのか…自分と向き合う作業が始まります。
みくちゃんの居酒屋「海」でバイトして酔っ払いの了見をものにする。
志ん太の別の一面を見るためにいろんな人から話を聞く…。なぜなら本人とは
「落語の話 おっ父と一切してないんです おっ父 落語とは距離置きたいみたいで 私が落語家になることは応援してくれてるみたいですけど」
その成果は「想像の志ん太と酒盛りが出来る」レベル。
「おかげで分かりました 落語はタイムマシンだなって」
“替わり目”の上げの稽古に臨むあかねが呟きます。
決して選考向きではないこの噺で猛者の蠢く選考会に。あらゆる視点からの評価に耐えることが求められる厳しい高座にあかねは対応できるのか?
考えてみれば志ん太は第一話以来全く出ていないわけで、どうしていたのか気になるキャラですね。いやまぁ普通に勤め人になっている旨は端々で言及はあったんですが。
…既に終わった人だから出番はない、という事でしょうか。夢を追わない者に演ずる余地はない、か。容赦なさに背筋が凍りながらも深く納得する自分がいます…。
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