
地底魔城!パプニカ王国があるホルキア大陸にあるヴィオホルン山をくり抜いて造られた難攻不落の城塞!そしてこここそが魔王ハドラーが待ち受ける最終決戦の地。
ルーラでも飛翔呪文トベルーラでも近付けない結界が張られており、人間が登って行けるルートはひとつ…。
「物分かりのいい仲間でありがてえ 真っ向から突っ込むぜ…!」
迎撃態勢を整える魔王軍。
「…ハドラー様 お叱りを覚悟で進言します この場を決して動かぬようにしてください」
ガンガディアの進言。最終決戦の覚悟で突入してくる勇者パーティーに対し、配下一同が全力で阻止する、最悪ハドラーが戦う事になってもアバンたちの戦力を極限まで削っておく…。
怒り狂うかと思われたハドラーは…
「…いいだろう 任せる」
意外にもあっさりと承諾しました。以前のハドラーなら万全のアバンとの決着にこだわったはず。明らかな意志力の減退…。
それはヒュンケルに会った時にも顕著で。
「死なないで 魔王様が死んだら父さんも… だから…死なないで」
「お願い 魔王様 家族を守って…!!」
その意志の籠った目に気圧されるハドラー。
あんな…小さなガキまで…! あいつと同じような目をするのか…!
「凍れる時間の秘法」で封じ込められていた影響は深刻なようです。
決戦前夜。アバンたちの潜伏地点を魔物が襲う!とるものもとりあえず応戦する勇者パーティー!
第一陣を退け、しかし更に魔物の大群が…!
「ちょいと待った」
そのまま切り開こうとするロカを止めるマトリフ。
「なんだよ 今さら何を待つんだ?」
「『夜明け』を…だよォ…」
夜明けと共に魔物軍団に魔法攻撃! パプニカの魔法兵団!
そう、マトリフは各国にタイミングを合わせて援軍を要請していました。
「そら来た来た 悪いがアバンよ ジニュアール家に残ってたキメラの翼はこれで全部使い切ったぜ 顔見知りに全部配っちまったからよ!」
サババの傭兵たち、ギュータの僧兵たち…そして…カール王国。
「…フローラ様!」
「マトリフから聞いています 我らカールもこの場の加勢に!」
心強い仲間たち。新しい装備に変えた勇者パーティーは彼等の助けを得て、地底魔城へ突入します!
ここで、先陣切って進もうとするアバンをロカが止めます。
突入前、ロカとレイラの元にブロキーナ老師が訪ね、ハドラー対策を話し合っていました。
魔王ハドラーの強さの秘密は大きく二つ。一つは天才的な戦闘センス。もう一つは魔族としても異常な回復力。ハドラーを仕留めるには、避けようがないような超必殺技で回復する隙もない程一気に絶命させなければならない。
「…アバンストラッシュ…か!」
魔王に通用するのは正に勇者の一撃のみ。つまりこの戦いは、勇者を如何にダメージ少なく魔王の前に立たせるか…につきる。
「だから君たちにこの言葉を託そうと思う 『すべての戦いを勇者のためにせよ』!」
…「ダイ大」でレオナが使った言葉ですね。プロキーナ→ロカ→アバン→レオナの流れで伝わった事になります。歴史を感じさせますね。
言葉の通り、先頭を切って道を拓くロカ。
しかし魔物の損耗を厭わないガンガディアの策で闘技場へ誘き出されてしまいます。
「…そう簡単にハドラー様の下へ行かせるわけにはいかんのでね」
ひとりで勇者を抑えようとするガンガディア。マトリフが進み出ます。
「あの野郎の相手はオレが引き受ける」
「一人でかよ?」
「ただの順番さ 奴とやり合うならオレが適任だ 次はおまえら夫婦の番だぜ」
勇者を活かす戦略に従って3人を先に行かせるマトリフ。
「この私と!二人きりで!この場に留まってくれるというならば…私の一番の望みは果たされたよ!大魔道士マトリフ!」
メドローアの完成を確信していたガンガディアは、アバンとマトリフが揃って魔王の前に立つ事が最も危険と判断し、二人を切り離す事を最優先としたのです。
「…正直に告白しよう 私はあなたを尊敬している」
そしてまたガンガディアは知性と魔力に溢れるマトリフを憧れの対象として見ていました。彼を超えたい、と。
「…だが残念だ」
「冷静に判断し決断した 私の今の魔力ではあなたに太刀打ちできない この禁断の書に頼る以外に勝利はあり得ない!」
ガンガディアが取り出したのは、ヨミカイン魔導図書館から彼が唯一持ち出した魔導書。
「ドラ!」
ガンガディアが呪文を唱えると彼の腕が巨大に!超パワーで押してメドローアを合成する一瞬の隙を作らせないつもりか!
動きを止めさせるためにマトリフが放ったヒャドを…
「ドゴラム!」
頭を変形させたガンガディアは炎を吐いてヒャドを打ち消す!
「まさかっ…その魔導書の呪文は!?」
「ここまでは試した 最後の一つは初めてだ」
「見たまえ!己を捨ててケモノと化した我が姿を!」
ド·ラ·ゴ·ラ·ム!!!
完全な竜と化するガンガディア。
「やはり!伝説の火竜変化呪文…ドラゴラム!実在したのか…!」
何よりドラゴンの炎は魔法力ではないので、ヒャドを重ねられても爆発することはない。
「ただただ私のこの暴力に…殺られていただきたい!」
ガンガディアの超必殺パワーに翻弄されるマトリフ。
ですがマトリフは、止めの炎をアバンが残していった盾で凌ぎ…。
「ドラゴラムが強烈すぎてよお たった一つだけおまえに勝る武器が残ってたのを忘れてたぜ」
「オレの最後の武器は…ココさ!」
頭を指さすマトリフ。
「知っている!百も承知! あなたのその最大の武器を押し切るために私は…この竜の姿になったのだからな!」
盾の影で攻撃を凌ぎ続けるマトリフ。この状態ではメラを細かく撃つことしかできない!
ズタボロのマトリフ。盾も割れてしまい、もう身を隠すことも出来ません。
最後の一発か、小さなヒャドを作る。
「次で…終わる!」
ブレスの準備に入るガンガディア。
「同情してもらって恐縮だが心配無用だ これでないとダメなんだ このちっぽけなのがいいんだよ このサイズに整えるのが…難しいのさぁっ!」
ガンガディアの足元にはさっきバラ撒いたメラ…!
「ま まさかッ!」
「そのまさかだ おめえの炎が呪文じゃないなら自前で用意するっきゃねぇだろ?」
小規模ながら発生するメドローア。ガンガディアは咄嗟に上に逃げる!
「…で 今の小爆発を見せればお前さんは動揺する 頭がいいからな 一番欲しかったのは…その時間(スキ)だ!」
メドローア発射! ガンガディアに命中!決着です!
消滅するガンガディアはドラゴラムの魔導書をマトリフに託します。魔導図書館を破壊したのは彼の大きな心残りだったそうで…組織の為にやりたくない事やってたんてすね。
「おまえさんは初めて出会った オレの血を沸かせてくれる素晴らしいライバルだったぜ ガンガディア…!」
その言葉に救われたのでしょうか。
「…そうか そちらもすでに知っていることかと思うが…あなたに評価されるとーー最高に嬉しい…」
燃え尽きていくガンガディア。
その頃、3人はギギロと三度対峙していました。空裂斬で核を斬られたはずが、アバンに対する恨みを呪いの力に変換し、異常なパワーを手にしていたのです。
「身体は枯れたが 今 ボクは過去最高に強い!」
もうこいつには空裂斬で止めは刺せないかもしれない…。
「かまわん 先に行けアバン こいつの相手はこのオレだ!」
進み出るロカ…!
ガンガディア、立場上やりたくないこともやらざるを得なかったのはクロコダインにもちょっと通じますね。結局最後まで思うようには出来なかったのですが、己の知力を尽くした勝負には出来たのは本望なんでしょうか。
そして相変わらず細かいフラグ回収が続きます。ドラゴラムは勿論、「すべての戦いを勇者のためにせよ」のセリフまで拾ってくれるとはw
あとは…ロカはここで死ぬのかな…?決戦は生き残ったけど日常のなんかつまらない事で死んでしまう…とかもロカらしい、と思うんですけどね。
…いやマァムに父との思い出が少しでもあればいいな、というだけなんですけどね。
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