ウェルベルム -言葉の戦争- 4巻

 千里兇団がテロを起こすのは1月2日。吾妻官房長官のプライベートパーティー。ウェルベルムの勝者に与えられる「願いを叶えられる力」と官房長官の権力で「独立国を作る」のがキョウの目的らしい。

 ん〜?島を一個作って官房長官の権限で治外法権を認めさせる?…首相の権限でも足りない気がするなぁ…。

 千里兇団的には官房長官に言うことを聞かせる為とともに久留和組を一網打尽にするために梨々花を人質に取ったようです。

 ケイジは「聞く」動詞使いのロゴスを味方につけ、千里兇団の裏をかいて奇襲を行おうします。同時に「心を開く」の使用条件を見極めようと考えるケイジ。ただ言葉を発するだけでは効果が発動しないようで…。

「あのようなつたない脅迫に、この私が屈するわけにはいかない パーティーは予定通り開催する」

 官房長官は娘梨々花の人質を無視してパーティーを強行するつもりです。

 会場のホテルに強行突入するケイジたち久留和組。所の「気を引く」でコンシェルジュさんの気を引いているうちにカードキーをゲットして上階に入り込むw いや絵面はジョークでしかないんだけど効果は凶悪ですね。

 ケイジと沖の先発隊とその他のサポートメンバーの二手に分かれて会場に迫る。

「会場の様子がおかしい 静かすぎる…!」

 ロゴスの能力で異常に気付きますが電波妨害でケイジたちに連絡がつかない!

 パーティー会場でケイジと沖を待っていたのは二人。

「シャンデリアよ 落ちろ」

 「落とす」の動詞使い 愛。そして…。

「ナイフよ飛べ…」

 …「飛ばす」動詞?梨々花と同じ能力?ガチャはランダムっぽいのでその可能性もありますが…。

 天井パネルを「落とし」て完全に二人の動きを止めた愛は「飛ばす」(?)の六方に後を任せて立ち去り…パネルに「穴を開け」てダメージを減らしたケイジは沖を愛の追跡に出し、ひとり六方と対峙します。

 あろうことか六方は「開く」の能力も使用し始め…更に姿を消したことでケイジは彼の動詞が「盗む」てある事を確信します。

 相手に触れる事で動詞を「盗み」、「人目を盗む」事で相手の視界から消えていた!

 しかし音や気配まで消す事はできなかったので攻撃の対象から外れる事は出来なかった…!

「お前には悪いが 心を開いてもらうぞ…」

 実験の結果、「心を開かせる」には双方の血を触れ合わせる事が必要。…それを確認するために沖を実験台にしていろいろ試したらしいw

「キョウさんが教えてくれた…僕の心は僕のものだって…」

「キョウさんをウラぎるくらいなら僕は…僕は

入間ケイジに…敗北宣言する」

 敗北宣言…それは相手に自分の持つパスワードを渡し、自分は言葉を失い、モノを考えることも感情の起伏もない状態になる事…ケイジたちに情報を渡さないため、六方は自分の全てを消す道を選びました…。千里兇団のほうも並々ならぬ覚悟で動いているようですね。

 一方、サポートメンバーの方には「砕く」の動詞使いが襲いかかります。

「僕が敵の気を引くから、所君はロゴスくんを連れて上へーーケイジ君たちと合流を」

 ひとり進み出る久留和正月…「閉じる」で?

 テロリストが開けた大穴を「閉じ」、更に手榴弾を爆発させない…?

「…なぜ爆発しない…」

「そんなに動揺することかなぁ …それとも自分の血が流れるのは想定外か?」

 正月の動詞は実は「閉じる」ではなく「戻す」。応用力の高い動詞を限定的な動詞で欺瞞していました。苦も無く「砕く」を完封する正月。この人も額面通りの人ではないですね。

 額面通りでないといえばコトハ。「はじく」の動詞使いに対し、テグスをつけたボウガンの矢の軌道を「曲げて」身動きできなくしたうえで「意志を曲げ」させて必要な情報を喋らせる…。

 強いものに従って生きてきたーー

 母親の愛人になついたフリをし、その子供の命令に従い、母親が消えてからは親戚中の人々に愛嬌を振りまいた

「信じて従う」…?そんなのはもう不可能

 だって 自分の人生を自分で決めるスリルーー こんなの…やめられるわけないじゃにいですか

 コトハ、相当歪んでます。少なくとも平気で人殺しするくらいには。この歪みがケイジたちとの決定的な行き違いにならない事を祈るのみです。

 「はじく」からホテル内に爆弾が仕掛られた情報をゲット、正月とコトハ、ロゴスは爆弾を管理している千里兇団の別働隊を探す事になります。

 ケイジは愛に追いつき、しかし天井パネルを「落とされる」ので近づけずにいました。

「無事か ケイジ君」

 後ろから銃を構える所。しかし様子がおかしい…?

「所さん 沖が捕まったかもしれない、彼女を人質に沖を探そう…所さん?」

「気安く呼ぶな!!!入間ケイジ!!」

 …あー…。

「おめでとう所…あんた今、洗脳が解けたのさ」

 やっぱり洗脳には時間制限があったようです。でないと便利すぎるからね…。

 間に合った正月が所の銃弾を「戻し」暴発させ、また落ちた天井パネルを「戻す」ことで上に乗っていた千里兇団員を天井で潰したり…思い切りがいいと無茶苦茶強いですね、動詞使いって。

 愛が「心を落とす」で確保しておいた兵隊を集めケイジたちを襲わせようとします。

「…所さん 『心を開く』で洗脳したのは俺の罪だ でもー…あんたが『キョウを止めたい』と言ったのは本音だと俺は信じてる!」

 所を殺さずに事を収めようとするケイジ。きっかけはあるにしても所が再び久留和陣営に戻って来るとかは難しいんじゃないかなぁ。それこそ全力の説得になるだろうし。

 

 まともかと思っていた正月先生もイカレていた事が明らかになってしまいました。コトハもですが、何か強烈な経験をして歪む事が動詞使いに選ばれる条件のひとつなのでしょうか。

 「キョウ君はまちがっている」と呟く所の言葉は本心に違いなく、キョウの本心も果たして何処にあるのか?「独立国をつくる」のも最終目標なのか、更にその先があるのか?

 まだ先が見えませんね。ゲームマスター側の目的もあるでしょうし…。

とりあえず梨々花の記憶は戻してやって…!

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