銀河英雄伝説 27巻

 玉座に座ってるラインハルトと胡座かいてるヤン。両者非常にそれらしい姿で対峙する27巻。二人が直接ぶつかる最後の戦いです。

 アッテンボロー艦隊に釣り出された黒色槍騎兵。しかし「時間を限って戦えば宇宙最強」とまで称されるビッテンフェルトの攻撃力にアッテンボロー艦隊は削り殺されそう。

「全艦 本気の真剣のマジで逃げろ!! 早いとこミラクルヤンと合流せんとぃやべえぜ!!」

 アッテンボローが逃げた先にはヤン艦隊本隊。極端に細長い陣形の小艦隊が複数…。

「やはり仕掛けてきたかペテン師! だがそんな紙防御でこの俺を止められると思うてか!?」

 しかしこの艦隊はあっという間に黒色槍騎兵を包囲。回廊の壁に沿う形で展開したヤン艦隊は中央…黒色槍騎兵に火線を集中します!

「猛獣は檻に閉じ込めるに限る」

 反転すれば膨大な被害を出す。前進すれば包囲するヤン艦隊も一緒に進んで攻撃、更にその先にはイゼルローン要塞…“雷神の鎚”が待ち構えている!

 ジリ貧のビッテンフェルトを救うべくファーレンハイト艦隊が突入します。陣形が崩れた機を逃さず強引に反転後退する黒色槍騎兵。

 ヤンはビッテンフェルトをあえて逃がし、標的をファーレンハイトに変更、最前線にあるメルカッツ提督がファーレンハイトを相手取る事になります。かつて帝国軍で轡を並べた二人が矛を交える。何も感慨がない訳はありませんが、メルカッツはいつも通り寡黙に艦隊を運用。その動きを見て相手がメルカッツと察したファーレンハイトは…。

「よろしい!本懐である!」

 そのくらいの覚悟は双方とも既に出来ているのですね。

 ファーレンハイトの突進を精密な艦隊運用でいなすメルカッツ。

 半包囲陣形からの火力集中はファーレンハイトの旗艦に届き…。ビッテンフェルトが艦隊を再編して再突入する間に合いません。

 既に致命傷を負ったファーレンハイト。従卒に「皇帝に渡す形見を」と言われ

「わかった…形見をやる…お前の生命だ…生きて皇帝にお目にかかれ…」

 ファーレンハイトはラインハルトの幕僚として初の戦死者となりました。

 ファーレンハイト艦隊の残存兵を救出するべく猪突する黒色槍騎兵。混戦の中、別方向から飛んでくるビーム。

 回廊入り口付近に現れた戦艦一隻…それは戦艦ベイオウルフ。ウォルフガング・ミッターマイヤーの旗艦!艦隊を引き離してまで駆けつけたか疾風ウォルフ!

 一拍おいて到着するミッターマイヤー艦隊。狼は叫ぶ。

「全艦突撃!」

 不利を悟ったヤン艦隊は撤退。生存者の救出を優先したミッターマイヤー艦隊も深追いは避け、会戦は一旦終息します。

「無能非才の身 どのような罰に処されようとお恨みはいたしません…」

 皇帝の前で頭を垂れるビッテンフェルト。

「とがめているのではない 卿らしからぬ失敗をするよりはよほどいい この上は卿らしい働きで失地を回復せよ ファーレンハイト『元帥』もそれをこそ望むであろう」

 初報時にこそ激昂したラインハルトですが冷静に判断を下す事が出来たようです。それは皇帝としての矜持故か、それとも体力の低下のためか…。

「勝利か死かーーですか わが皇帝」

「ちがうな 勝利か より完全な勝利かだ!」

 回廊入り口に大量の機雷を敷設し、時間を稼ぐと共に攻め手を限定しようとしていたヤン艦隊。

 しかし帝国軍は指向性ゼッフル粒子発生装置を5台用意し、機雷原に複数の穴を開けて同時に侵入してきました。

 ビッテンフェルト、シュタインメッツ、アイゼナッハ、ミュラーの四艦隊の同時進行。

 そして中央の穴からは

「ついにおでましか… 純白のワルキューレ 皇帝ラインハルトの旗艦ブリュンヒルト…」

「皇帝のおでましだ!!花束の用意はいいか!?」

 ついに始まった皇帝と魔術師の直接対決。圧倒的な戦力差の会戦は、ヤンの神がかった戦術運用により火力の集中と遊兵を作り出す手腕で互角の戦いに。

 数の差を利とする持久戦を押し付ける帝国軍ですが、その隙をついてシュタインメッツを屠るヤン艦隊!

 皇帝ラインハルトの首を取れば終わるこの戦争、何度もブリュンヒルトに手が届きそうになるのですが、帝国軍の豊富な人材と皇帝自身の戦術眼に阻まれ直接対決は叶いません。

 そうこうする内に戦場を激震させる情報がもたらされます。曰く「ミッターマイヤー元帥戦死」。

 常勝と不敗の複雑極まる戦場が、可視化される事で一発で理解できるのはありがたいです。ちょくちょく盛られてる気もしますが、それもまたよしw

 キルヒアイスが結構出張ってるのもオリジナルですね。発熱で意識が朦朧となる時間が増えてきているのか…。

 決着は次巻持ち越しとなりました。てことはあの場面もおそらく次巻な訳で…気が重いな〜。

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