
戦場のど真ん中でぶつかり合うパーフェクト·ガンダムとパーフェクト·ジオング。
I·フィールドが干渉してその場で停止してしまう両機。同時にダリルとリリーの接触で“刻の間”が発生!
「お前は…」
「あなた…ダリルね …ダリル·ローレンツ… 後ろに居るのは誰?」
ダリルの後ろにひとり。そしてリリーの後ろにもひとり。
「あの人を止めて…止めないと大変な事になる…」
ダリルの後ろの影が呟く。
「“刻”が見える 破滅の“刻”が…」
リリーの後ろの影の声。ダリルが反論します。
「破滅だと!?アナハイム殲滅が間違いだって言うのか!?冗談じゃない! 僕等の闘いこそ人類を穏やかな未来に導く唯一の道だ! 僧正の進軍を止めさせやしないぞ!!」
「…ちがう 止めるのは…彼じゃない」
そこに浮かび上がるヴィジョンは…レヴァン·フウの脳を制禦する…。
「…イースも予言してた… 止めるのはこのひとよ…!! 怪物の母…!!」
「…カーラ!?」
「何をする気だ!?カーラ!! やめろっ!!」
連邦軍は核ミサイルまで準備してソーラ·レイへ辿り着こうと行軍中。南洋同盟はサイコ·ザク隊を中心にソーラ·レイとビグ・ザムを護ろうと。
攻撃目標たるフォン·ブラウン市は市民を地下シェルターへ避難。ジオン共和国も市民を移動式コロニーに詰め込んでの移動中。
そしてビグ・ザムはソーラ·レイをフォン·ブラウンを狙える射線まで強制移動中…というこの状況で。
「さあ…“刻”が来たわ 覚醒めなさい私のベイビー達」
命令と共にサイコ·ザクにもうひとつ目が。同時にパイロットには高電圧が流れて命を奪う!
レヴァン·フウの脳を通してリユース·サイコ·デバイスを操ってサイコ·ザクとビグ・ザムの操縦権を奪ったのは…カーラ!
「カーラ…君は…何をするつもりだ…?」
レヴァンの質問に狂ったように笑いながら答えるカーラ。
「何がニュータイプよ 私の心を覗き見したんでしょ? ジオン国民への復讐に決まってるじゃない」
カーラの目的は自分と父の運命を歪めたジオンそのものへの復讐。ザビ家に付き従って一年戦争を起こし、人類の半分を滅ぼし、そしてカーラの父を奪った代償を払うべきだ…!
「僧正…貴方が眠っていた私を起こしたのが悪いのよ」
無茶苦茶です。ジオン国民で戦争に携わっていない人もたくさんいたはずで、それを十把一絡げに滅ぼしてしまうのは無駄に悲劇を繰り返すだけです。ですがその狂った怨念を実現できる手段を彼女は手にしてしまった。
「誰も彼も欲と業の虜よ だから…私も好きなようにやるわ!文句ある?」
全てが見えたダリルが慟哭します。
「これは…僕の罪だ…僕の… カーラ…」
ソーラ·レイは避難するジオンコロニー群に照準を向けようと。未だ状況を把握していない連邦、南洋同盟両軍は混戦を続けています。
ソーラ·レイ制御室を占拠した南洋同盟白兵戦部隊ですが、連邦側はタダでは死にませんでした。
「ソーラ·レイ·システム発射までの自動シークエンスが開始されました この指令は中断できません 速やかに閃光、衝撃に備え…」
照準が合わせられる前にエネルギーを使い尽くしてしまおう、という最後の策。
「時間がないわ!全通信チャンネルをフル活用!レーザー通信も無制限使用を許可! MS部隊に報せて!可能な限り照射エリアの外に!」
全軍が大混乱です。I·フィールドの干渉で動けないイオとダリル。罪の意識に狂乱するダリルと“刻の間”から戻ってこれないリリー。ジオングの操縦が効かないイオはどうにかリリーの意識を戻そうとラジオの音量を上げ。
「リリー!! ジャズが聴こえるか!? 俺の所へ戻って来い!!」
サイコ·ザク軍団はジオンコロニーへ向かう。抵抗手段のないジオン国民は静かに待つ…。
「私にはもうこの先の“刻”は見えない… あとはダリルに託そう どうか人類を穏やかな未来へ…」
レヴァン·フウを罵倒するカーラ。レヴァンが信者にやらせてきた殺戮と自分の復讐と何が違うのか、と。
「偽善なんて沢山よ!! みんな死ねばいい!!」
ダリルの耳にもジャズが届く。
ソーラ·レイは発射される!憎しみの光が戦場を貫く…。
土壇場でまた状況が引っくり返りました。ソーラ·レイで両軍とも灼かれ、態勢がガタガタになりそうですが、サイコ·ザクが健在である以上このままではジオン国民への虐殺が始まってしまいます。残された戦力でビグ・ザムを墜とす…しかないでしょうか。
ダリルとレヴァンについてはモニカから「抹消するしかない」という言が飛び出しています。作中の影響を見れば、ニュータイプとはほとんど戦略兵器みたいなものな訳で、その判断も仕方ないのですが…。
充分ひどい目に遭っている彼らに最後には何か救いがあってもいいのかな、とは思います。イオはそれでも多少救われたのですから。
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