黄泉のツガイ  5巻

「行きな 山を下りるんだ」

 東村がイワンの襲撃に遭い、偽アサが拐われてしまいます。偽アサもツガイであるらしいのですが、イワンの持つ刀のツガイ、大凶と小凶…「マガツヒ」相手には分が悪い。どうも空間を斬る系の事が出来るらしく…偽アサの体も平気でぶった斬る、祈祷師の体の空間を入れ換えて結界内に侵入…万能か。

 この村はもうだめかも知れない、とダンジの母が彼に言ったのが冒頭のセリフです。

 山を下りてユルの力になれ、と。

 ユルともうひとり、村の女の子を空間転移で新郷のところまで一気に運ぶ。

「ようこそ下界へ」

 普通にこわいよ新郷さん!

 ダンジはオシラサマに拾われ、ユルと左右様の行方を聞き…。

「とりあえず行ってみよっか 都!」

 軽いなオシラサマw 馬で高速道路走っちゃうし。

 …東村は全滅ではないにしても大打撃。祈祷師も殺され、死体の始末の仕事がハナに回ってきます。その死体には「偽アサと村の子供を人質に取ったから指定の場所まで来い」というメッセージが。

 東村側下界実働部隊「山賊」はユルたちに知らせずに処理するつもりだったようですがハナから漏れ、またオシラサマに連れられたダンジとも合流し、ユルにいろいろ話すんですが…

「お前の報告を聞く前に確認しておきたい事がある ダンジ おまえさぁ ツガイだろ」

 ツガイの本体は影が出来ない…ここまでに出会った数組のツガイから、ユルはその特徴を割り出していました。

「まいったな お務め部屋のアサよりだまされてた年月が長いぞ」

 母と呼んでいた人が主。ダンジと偽アサで一組の「ザシキワラシ」だそうです。

「もう信用できる村の人間が誰もいなくなった」 

 殺気立つユル。…ちょっと違うと思います。だましていたのは確かですが、ダンジも偽アサも母…キョウカさんもユルの安全を考えての行動であり、何も知らないユルにツガイの事やら下界の事を話しても納得は出来なかったでしょうし。

 その辺の事を飲み込み、人質救出作戦を立てるユルたち。

「敵と山賊がやりあってる間に村の子供を助け出せればもうけもの…ついでに偽アサも…助け出す」

「偽アサがいればダンジにも会えるだろ 二人並べて村の事問い詰めてやる もちろん父様母様の事も…何笑ってんだ左右様!」

 指定の場所、フジムラヤマ一号倉庫に待ち伏せの形で潜入するユルたち。しかしユルは音も気配もないツガイに捕らえられ、新郷とアスマの前に連れ出されてしまいます。

 連れ込んだツガイはアスマの「金烏玉兎」の片割れ「夜桜」。蝶が寄り集まったような体らしく、少々右様に食い千切られても問題ない様子。

 「封」の力をコントロール下に置きたい、と考えているアスマ。

「どうですユル君 一回死んでみませんか?」

 死んだまま戻って来れなければ「封」が誰の手にも渡らない訳だから、それはそれでOK、とか考えていそうです。ユルとはまたベクトルの違う合理思考です。

 取引場所に潜んでいた「山賊」たちはイワンによって軒並み斬殺。

「そこら中に隠れてて取引に邪魔だったから」

 良心の呵責とか一切ないですね。

 更に左様は「封」と相性最悪…「封」がユルと契約してくれない可能性がある。

「という訳で左さんは邪魔だ 消えてくれ」

 刀を抜くイワン。ツヤツヤの顔で応じる左様。荒事大好きだw

 無造作に近寄って刀をへし折る左様。しかし一瞬で刀身が再生し左様の腕を斬り飛ばすイワン!

 後で石用の接着剤でつけ直す、と事もなげに言う左様。

「直るのに時間はかかるが腕の一本や二本で死にはせん」

 大雑把だなw 実は右様より雑だきっと。

 その右様、イワンの刀からとんでもない数の人の血のにおいを感じ取ります。

「割と新しいにおい…これは後ろの死体と東村住民のにおいだな その奥…もう少し奥にかすかにある…わしらはそのにおいを知っている」

「ユルの父母 ミネとナギサの血のにおいだ」

 ついに出ました両親の手がかり。イワン自身は金次第の傭兵稼業らしいので詳しいことまで知っているかどうか分かりませんが、少なくとも両親の行方を誰が知っているか、くらいはわかるはず。

 日常とバトルを並行して描いている事もあって、だいぶ各組織、キャラクター間の関係が錯綜してますが、そろそろユルの目指すべき敵がはっきりするのかも知れません。

 …なんでもいいですが、MIBが服脱いだらリトルグレイは卑怯ですよ荒川先生w

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