ニンジャスレイヤー キョート·ヘル·オン·アース 13巻

 コトダマ空間に浮かぶナンシーの意識。カンオケ·ホテルに眠るその物理肉体にはザイバツの手が迫っていました。

 肉体か滅びる事を他人事のように見ていた自分に気づき、恐怖を感じるナンシー。

「私というものが希薄になってきている…!?」

 ネットワークに沈み、自由な魂を得ようとする意思と肉体を取り戻そうとする心。板挟みになりながらナンシーは自分の肉体の危機に立ち向かいます。敵はニンジャハッカー、エンキドゥ。ハッカー、シバカリの協力を得ながらニンジャスレイヤーの到着を待ちます。

「俺は気に入ってる この辺で一番マシなセキュリティとなればここ」

 ヘンタイアニメ喫茶wの個室からネットワーク介入を始めるシバカリ。

 デコイをばらまき、ニンジャスレイヤーに経路情報を流し…ている間にエンキドゥに見つかり、ハッキング攻撃を受ける!

 ナンシー側にも妨害が!正体不明の敵がネットワークへの干渉を妨害する!

「ファーカカカカ! そうだ亡霊よ!欲望を果たすがいい!それが我が利益ともなる!」

 更にザイバツ幹部ワイルドハントはナンシーの肉体確保のため、ニンジャ·モスキートを放つ。

「今回は…そのう…この点いまだ把握していないのだが…白人女性を好きに?」

 …最低だこいつ!

 ナンシーを殺さず、必要な情報を引き出せればあとは何をしてもいい、と言質をとって狂喜してます。

 一応カンオケ·ホテルの位置を特定していたりするので無能ではない様ですが…中間管理職ワイルドハント=サンに同情してきたぞ?w

「ス スメル…フローラルめいた…シャンプーな」

 ホテル潜入後、嗅覚でナンシーの部屋を割り出すモスキート。紛うかたなきヘンタイ!

 カンオケ·コフィンを開け、動かないナンシー=サンのスーツのファスナーを開ける。

 …豊満!

「ハァーッ!ハァーッ! 今こそ我が欲望を余すところなく刻み… 待て!あくまで紳士的にだ!」

 コトダマ空間でナンシーを襲うのは…亡霊!

 かつてナンシーを襲った電子生命体のヘンタイ!

「0110我が電子のヨメ1010010オォオォォオォォ」

「ヘンタイが二人などと冗談じゃない!」

 コトダマ空間を逃亡するナンシー。物理空間に目をやれば

「汚染血液注入ターイム!」

 …バカが最高潮です。

「あの肉体はおしまいだ」

「行く先にあるのは無限のコトダマ空間」

「先には未来 後ろにジゴク」

「…そうかもしれないわね…」

 これが最後と物理世界へ一瞥を向けたナンシー。

「…え… まさか …間に合うのね 貴方は 本当に」

 涙を流すナンシー。

 カンオケ·ホテルの掛け軸の後ろ、非常用エレベーターから現れたのは…

「ドーモ…ニンジャスレイヤーです!」

 一撃のもと、モスキートを破壊するニンジャスレイヤー!

 コトダマ空間のナンシーに襲い掛かる亡霊。しかしナンシーの体から何かが分離して…

「鬼ごっこの時間は」

「おしまい」

 分かれたもう一人…黒髪のナンシーは亡霊を一気にバラバラに!

「さて、こうして私が生まれたというわけだね 礼を言っておくよ」

「貴方は?」

「アタシの名は バーバヤガだ 今決めた」

 かつてナンシーがコトダマ空間で会った老婆、バーバヤガが彼女なのか。コトダマ空間では時間は関係ないのか。

 黄金立方体へ向けて登っていくバーバヤガ。物理空間に落ちていくナンシー。

「また会うこともあるだろう それが未来とは限らないがね」

「…オタッシャデ……」

 目を覚ますナンシー。

「ドーモ ニンジャスレイヤー=サン タダイマ」

「…うむ」

 ザイバツの包囲網を破らんとアイアンオトメを駆るナンシーとニンジャスレイヤー。

 立ち塞がるは巨体のニンジャ。

「その者はインペイルメント=サン 口が利けぬ」

「ドーモ ニンジャスレイヤー=サン ワイルドハントです」

 ついに指揮官自ら最前線に立つ!

「貴様はギルドに仇なす悪!ここで必ず貴様を殺し 後顧の憂いを断つ 格差社会実現の為に!」

大小のコマを操るワイルドハントが変幻自在の攻撃を加え、正面からはインペイルメントが長大なザオ·ケンを振るう!

 手詰まりかと思えたその時、ニューロンに響く声。

「使えフジキド!ヌンチャクを振るうべし!」

 ナラク·ニンジャのソウルがダークドメイン戦の消耗から回復した!

 ヌンチャクを振るい、インペイルメントを打ち据える。ワイルドハントのコマに仕掛けられたスリケン発射装置が稼働、ニンジャスレイヤーをネギトロにせんと連射連射!

 しかしその連射はインペイルメントの身体を盾にして防がれていた!

「ニンジャ殺すべし」

 1対1のぶつかり合いとなったニンジャスレイヤーとワイルドハント。

 イィィヤアアアァァ

 二人の気合か響き渡る。ついにワイルドハントの回転がずれ、鉄柱に激突!

 ワイルドハントは瀕死だがニンジャスレイヤーも満身創痍。カイシャクの為近寄るニンジャスレイヤー。

「犬死にはせぬぞ…審判の…時だ」

 ザイバツの攻撃ヘリがアマクダリの支配領域へ侵入する…。アマクダリの反撃を誘発する。その為に領域ギリギリで仕掛けたのか!? 死なば諸共!

「ダークドメイン=サンでさえ…勝てなかったお前だ… 只で勝てるとは…思っていない」

 ザ·ヴァーティゴ=サンといい、けっこう忍殺世界には時系列関係ない人が居ます。ただそれで事態が好転するか、と言うと…何にもしなかったり悪化したりいろいろなんですが。

 これは「どんな超能力があっても物事が思うように進むわけではない」という忍殺世界の基本理念に沿うものなんじゃないでしょうか。

 ナンシー=サン復活にユカノ登場と、フジキド周りがだいぶ華やかになってきましたw

 まぁ奥さんと子供を亡くしているので、彼女たちがフジキドとくっつくような展開にはそうそうならないと思いますが…。

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