medium 霊媒探偵 城塚翡翠 2巻

「…なにか証拠があるのか?」

「今から探します ーー少しだけ時間をください」

 霊視で見た事実を推理に落とし込む、「medium 霊媒探偵 城塚翡翠」2巻です。公には誰も信じてくれないので上記のようなやり取りが出たりしますw

 ミステリー作家黒越篤殺人の犯人を突き止める「水鏡荘の殺人」解決編。

 翡翠が見た夢の状況を精査し、香月が事実関係を繋げていきます。先に答えに辿り着き、それに沿う推理を組み立てていく妙な作業が続きます。

 翡翠の夢が「鏡の中」からの視点のものだった事に気づく香月。そんなの有りか?とも思いますが、犯人は捕まった後に言います。

「…“声”が聞こえたんです なにかが耳元でこう囁いてきてーー “殺せ”って」

 …えっと、事の最初から水鏡荘には霊がいて、犯人への最後の駄目押しをした、と。

 翡翠がその霊視点の夢を見たのは想定外だったにしても、黒越に相当な恨みを持っていたんですねぇ…。

 続いての事件が「女子高生連続絞殺事件」。

「あの…香月先生…私たちの学校で起きている連続殺人事件を…解決してくれませんか?」

 香月のサイン会に現れた高校生、藤間菜月。彼女の友人が次々と殺人の被害に会ったと言います。死因はいずれも柔らかい布状のものによる頸部圧迫による窒息死。抵抗の跡がない事から顔見知りの犯行、と予想されました。

 翡翠の霊視により「先輩…」というフレーズと「セーラー服を着た女の子」のビジョンが得られ。被害者はいずれも2年生…。

「はい ーー犯人は3年生の女の子です」

 被害者2人は菜月と同じ写真部所属。その写真部には3年生は部長一人しか居ない。

 更にその菜月も連続殺人の被害に会い…。

 こちらの犯人は完全にサイコパス。

「…気になったから 可愛い女の子でも首を締めたら酷い顔をするのかなって」

「でも人間って死んだらみんな同じ感じになるんですねぇ …ちょっと尊いなって思いました」

 まるで理解できません。これを刑事ではなく、香月になら話してもいい、として彼を呼んだのですが。

「え? だって…あなたならわかってくれると思って…」

 翡翠が死ぬところを見たい…香月先生も見たいでしょう?と笑う犯人。

 問題は「香月もこちら側だ」と言っている事です。ミステリー作家なんてずっと犯罪の事考えているようなモンですが、香月にもシリアルキラーの素養があるのでしょうか? それともただの勘違いなのか…。

 本作は結構霊がアクティブに動いています。流石に霊のパワーで犯人が捕まる…までは行きませんが(そうなるとジャンルがミステリーじゃなくて霊能バトルとかになってしまいますw)。

霊媒に協力して情報を出すのはもちろん、囁き戦術で生者を動かすとか姿を現して生者を牽制するとか、よほど他ではないです。

 この辺は正しく「虚構推理」にも通じるところで、「人ならざる者」が存在する事が前提にあるが故のギリギリセーフなんでしょう。

 「金田一少年の事件簿」で一度だけ、霊が状況にガッツリ関わってきた時は確か大批判が起こったと記憶してます。予め提示されているかどうかが大事なんでしょうね。

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