
ヤンキーネタとアニメネタ特化の作家だった大和田秀樹先生。「疾風の勇人」辺りから歴史上の人物をいじくる…というか世代が近すぎてあまり扱われない人たちを次々マンガ化しています。
池田勇人「疾風の勇人」、田中角栄「角栄に花束を」、果ては富野由悠季「ガンダムを創った男たち」…。
そちらからの発展なのか、上梓されたのがこの作品「偉人が4.0をつけたメシ屋に行ってみた。」です。少々ジャンル分けが難しいですが…。
仕事に疲れて帰路につくOL、根間くるみ。
「何かおいしーの食べてかーえろっと♡」
…なんかイメージが少し古い気もしますが気にしない!w
スマホでグルメサイトを調べようとすると、“メシにゃぴ”という心当たりのないアプリが。気にせず検索しようとするくるみ。そんな怪しいモン触るなよ…。
イタリアンを探したのに勝手に“天ぷら”の検索結果が出てくる。絶対行っちゃいけない奴なのに、「天ぷらスイッチ入っちゃった」とか言ってその評価4.0の店に向かってしまうw
わかった、このコ迂闊な娘だw
で、その天ぷら屋の前に浮いてたのが…人面猫?
「ねぇ わしの事 見えてるよね?」
最近のヤバい系の霊の物言い!
この猫が言うには
「この店の中で“食”に未練を残した死者の霊がさ迷っておる その者を成仏させてやってほしいのじゃ」
中にいたおっさんの霊はとんでもない未練(オーラ)を放っており…。
「ま 誰もが知ってる名前は徳川家康じゃよ」
家康で天ぷらかよw と思いましたがちょっと違うらしい。家康が鯛の天ぷらに当たって死んだ、というのは間違い。鯛を食べたのが1月で死んだのが4月…ちょっと間が開きすぎています。
鯛の天ぷら美味かったのに、医者がもう食べさせるな、と止めて。
「どーしても食べたい食べたいって思ってるうちに死んじゃって…!! うおおお!!余の鯛の天ぷらーっ!!」
このままではタタリ神になってしまう、というので目の前で鯛を食べて供養する流れに。
「何これーー!!白身がふわふわしてておいしー!! へー!鯛の天ぷらってこんなんなんだ〜♡」
くるみの食レポに引き込まれていた家康。
「ずーるーいー!!! 余にも食わせろオォ!!!」
最終的にキレました。そりゃそうだよなw
「え?食べたいの?しょーがないなー はい あーんして」
いや、家康様霊ですからムリ…が、何故か天ぷらほおばる家康w
なんとこれで満足して成仏していきました。
除霊としてはほぼイレギュラーですが、家康が怨霊になるのを防いだ訳で…。
「こやつなら…わしの願いを果たしてくれるやもしれん!!」
この猫…にゃぴねこの思惑とくるみの「何でもいいからおいしーものが食べたい」欲望が合致し、食の未練の残る偉人の霊を鎮めていく事になります。
坂本龍馬にシャモ鍋、夏目漱石に和スイーツ、吉田茂にうな丼…。
自作で出したデザインのキャラをそのまま出してくるのはご愛嬌。
最後ににゃぴねこの目的も少し明かされます。
「あるお人を捜しておるのじゃ」
「うむ わしが化け猫になる前の飼い主よ しかしな 偉人であった事 食が大好きであった事 それしか思い出せんのじゃ」
化け猫と死に別れた偉人…「シャーマンキング」のハオ?w
偉人の小ネタにメシを絡める、というテッパンの作劇、ネタ元はほぼ無限、という鉄壁の布陣で挑みますw メシネタはマンガでも安定してますからね。
…ところでなんで「4.0」?グルメサイトの評価って最高5じゃないの?
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